性格、気質、特徴の違い

· 2018年10月7日

性格、気質、特徴は3つの異なるコンセプトで、心理学では感情や思考の種類について論ずる場合に使われます。この3つはお互いに深く関わっています。しかし、よく似ているので、それぞれの意味について困惑する方も多いでしょう。

そこで今日は、性格、気質、特徴を正確に使い分けできるように、3つの言葉の違いを簡単に紹介します。それぞれの違いを述べる前に、まず気質と特徴は性格の一部で、性格の基盤であることを覚えておきましょう。

気質:基礎

気質は基本的な性格の一部で、遺伝子が深く関わっています。よって、性格の生物学的、本能的な部分として扱われています。実際、性格の中でも最初に現れる部分です。

赤ちゃんの間でさえも、異なる気質を見受けられることがあります。例えば、ポジティブな感情をよく表す赤ちゃんもいれば、ネガティブな感情をよく表す赤ちゃんもいるでしょう。機嫌が良い赤ちゃんもいれば、悪い赤ちゃんもいますよね。行動的な用語で言うと、「扱いやすい」や「扱いにくい」といった表現になります。

遺伝子が関わっており、遺伝する特徴なので、気質を修正したり、操ったり、変えるのは困難です。どうこうしても、気質が変化することはありません。しかし、だからといって、気質を変えようと努力したり、その努力が無駄であることはありません。あなたがもし氷河だったとしたら、気質は海面下の一部だと考えましょう。どのように、どの部分を海面の上に出すかは、あなたのコントロール次第です。

性格、赤ちゃん

ヒポクラテスとガレノス:体液

ヒポクラテスは古代ギリシャの医師です。彼の四体液説は、気質の考えを説明しようとした書物の最初の1つです。人の性格と健康は、4つの成分のバランスによるものだと説きました。黄胆汁、黒胆汁、粘液、血液の4つを四体液と呼びました。

その後、ペルガモンのガレノスはヒポクラテスの理論を基に、気質によって人を4つのグループに分けました。

  • かんしゃく持ち(黄胆汁):熱中的でエネルギーに溢れ、起こりやすい人
  • 憂鬱(黒胆汁):傷つきやすく、悲しくなりやすい人。芸術的な感受性がある人
  • 冷静(粘液):冷たく合理的な人
  • 楽観的(血液):幸せで楽観的。他人に愛情表現ができて、自身にも満足している人

特徴:経験が反映

これは性格の中でも、気質(遺伝によるもの)と、これまでに学んだ社会と教育での経験によって形成されている部分です。性格の生まれつきの部分と経験によるもの両方を指します。

特徴とは、あなたの置かれている環境から成る部分です。

あなたがこれまでに経験したことや、社会的な交流から学んだことの結果といってもいいでしょう。そして、そういった経験や習慣が気質や、生物学的な性質に影響を与えます。また性質を調整し、磨きをかけ、性格を構築していきます。よって特徴は文化に影響を受けるのです。

特徴は、気質ほど不変的なものではありません。遺伝によるものではないため、発育の早期段階ではっきりとあらわれることはありません。いくつかの過程を経て、青年期に確立されるので、社会教育などにより修正したり変化させることが可能です。最近では、この特徴という言葉を性格として使う方が多く、2つの言葉が同じものとして使用されるのも稀ではありません。

性格:生物学と環境

性格とは特徴と(気質と身につけた習慣)と行動によって成り立っています。生物的な気質と、環境から学んだ特徴、両方を含んでいるということです。この関係性を知ると、性格、気質、特徴の違いがわかりやすくなります。

ですから、性格がただ単に、遺伝によって作り出されたものであるということではありません。性格は、その人を取り巻く環境が影響を与えて、作りだされたものでもあります。性格によって個人を識別することができ、個々に特徴があるということです。多くの研究によると、性格は時間や、いろんな事柄を経てもあまり変化のないものとされています。

「人はそれぞれ自分を慣用句として理解する。生物の構成を無視した、明らかな違反である」

-ゴードン・オールポート-

お茶を飲む女性

性格の定義

心理学では、性格は個人のふるまいを形成する感情、認識、行動から成っているとされています。ものの感じ方、考えた、そして行動の仕方を指します。それぞれがお互いに影響、制御し合う一連の過程で、活動の仕組みを作り上げます。下記は現在、心理学でもっとも使用され、受け入れられている性格の定義です。

  • 「性格とは、遺伝と環境によって左右される、生物の行動パターン(現在のそして、現れるかもしれない可能性のあるもの)の集結である」ハンス・アイゼンク(1947)
  • 「性格とは、個人がいかに人生の出来事に適応するかを特徴付ける、典型的な行動パターン(感情と思考を含む)である」ウォルター・ミシェル(1976)

しかし、性格とは何かを明らかにした、決定的な定義はありません。それは、性格が複雑なシステムで成り立っているからで、理論や思考の傾向の数だけ定義があるといってもいいでしょう。心理学や理論には、性格についてそれぞれの考えやコンセプトがありますが、どれもよく似ているようで、少し異なります。しかし、1つ共通しているのは、人が同じようなシチュエーションで、よく似た行動をとるのは、なにか特定のパターンがあるに違いないと考えていることです。もちろん、このパターンを作り上げるには、たくさんの不確定要素が存在します。

これらの不確定要素には、考え方の傾向によって、異なった名前がつけられてきました、特徴、問題、部分、特質などです。しかし重要なのは、性格に関する心理学の豊富さは、研究やリサーチ、理論などの貢献によるものだということです。それぞれが協力すれば、さらに性格の研究は深まります。性格、気質、そして特徴はそれぞれ異なるコンセプトです。そしてその違いにこそ価値があるのです。自分の行動を理解する手助けになるので、それぞれのコンセプトを取り入れ、行動パターンを予想してみましょう。