10代はどのようにアイデンティティを形成するか?

2019年4月15日

思春期は、13~14歳から18歳までの期間です。人は、この時期を困難だと考えがちですが、問題なく思春期を過ごす人もたくさんいます。この時期にアイデンティティを形成し、たくさんのチャレンジと向き合うということを頭に入れておくことが重要です。

十代のアイデンティティの変化は、自立することが目的です。権利や責任をもち、大人になる準備をします。では、10代はどのようにアイデンティティを形成するのでしょうか?ジェームズ・マルシアは、思春期アイデンティティ理論で、その経過に光を当てます。

 

思春期のアイデンティティ理論

ジェームズ・マルシアは、4つのアイデンティティの状態を説明します。この4つは、個人のアイデンティティの状態を表し、それらは2つの状況から生じます。

  • アイデンティティの危機を経験したか、していないか
  • 職業的、観念的または個人的献身を体験したか、していないか

アイデンティティの危機とは何でしょう?世の中は、10代に、アイデンティティを構成するための幅広い選択肢を与えます。10代の子どもは、これらの選択肢に気づいたとき、自分の世界を探索し始めます。好きなもの、嫌いなもの、恋愛関係、ジェンダー、友情などを探索するのです。この探索の中で、アイデンティティの危機と呼ばれるものが生じます。

アイデンティティの分野で、献身するとはどういうことでしょうか?10代は、これらの選択肢を探索し、ふるいにかけ、いくつかを自分のもの(アイデア、約束、価値など)として適用します。

この受容は、特定の思想的、個人的、職業的コンセプトに傾倒していくことを意味します。このコンセプトが、アイデンティティや自己像を形成します。それらは、大人になっても強く影響するでしょう。

次に、この2つの面の組み合わせによって生まれる、4つの状態を見ていきましょう。それは、アイデンティティ拡散、モラトリアム、アイデンティティ達成、喪失です。

うつむく少女

アイデンティティ拡散

これは、10代が献身をせず、選択肢を探索していない場合です。このステージで、彼らはアイデンティティについて心配していません。しかし、アイデンティティの危機や社会的圧力により、個人のアイデンティティを発達させる必要性を感じるため、この状態はいつか終わりを迎えます。

モラトリアム

通常の発達において、アイデンティティ拡散の後、このステージが来る傾向にあります。アイデンティティの危機を迎えた後、まだ何にも献身しない状態がモラトリアムだと言えます。

ここで、彼らは異なる選択肢を求め、探索し、試します。思春期では、確信をもって何か特定のものを選ばぶことなく、これを実行します。そして、危険なステージにもなりえます。思春期に自尊心が傷つくと、習癖性のあるもの(飲酒、喫煙、大麻など)に手を出すかもしれないからです

アイデンティティ達成

このステージでは、思春期の子供たちはモラトリウムのステージを克服しています。観念的、職業的、または、個人的献身も果たしました。アイデンティティの危機を迎え、選択肢を探索した後、自分の道を決め、一人の人として、成長を続けます。

これらすべてが10代のアイデンティティを形成し、自分とは何かを理解し始めます。そして、自分に確信をもち、行動や個人的にもポジティブな変化を示す傾向があります。

足と太陽

喪失

思春期にアイデンティティの危機を迎えなかった場合、どうなるでしょう?時に、選択肢を探索することがないまま、モラトリアムのステージを通過することがあります。この場合、10代は、大人のアドバイスや指示を通してアイデンティティを形成することになります。

このステージの10代は、モラトリウムやアイデンティティ拡散のステージにある人々と比べると、うまく適応する傾向があります。しかし、それでもまだ非常に不安定で、アイデンティティ達成に比べるとしっかりしていません。

最終結論

個人のアイデンティティは単体ではなく、やり直し不能なプロセスでもありません。10代がどのようにアイデンティティを形成するかを考える時、これを頭に入れておくことが重要です。決断をする時ですが、何より、探索の時です

単体でないというのは、アイデンティティの様々な面の異なるリズムに従ってプロセスが進むと言うことです。職業上のアイデンティティを定義する堅い献身がある人が、政治的アイデンティティでは、モラトリアムのステージであることもありえます。

やり直し不能ではないということを理解することが重要です。ギブ・アンド・テイクの動的なプロセスです。10代がアイデンティティ達成や喪失に到達した時、新たなアイデンティティの危機を迎えることもあるかもしれません。

前と異なる新たなアイデンティティが形成されるでしょう。例えば、医学を専攻した人が、状況を見直し、法学に変えることもあります。

上を見上げる人

ジェームズ・マルシアの研究と理論をみた後、一般的結論を導くことができます。ひとつは、思春期に、周囲の世界を探索することの重要性です。もうひとつは、彼らの探索のタスクへの向き合い方は特別であるということです。

大人として、10代が善悪に関するアイデアを探索するスペースを与えるべきでしょう。こうすることで、彼らは反抗心からではなく、自らの興味から探索します。こうすることが、10代がアイデンティティを形成する唯一の方法だと認識しなければなりません

もし、大人が、10代に一方的に約束をさせると、喪失のステージに入り、アイデンティティ達成を避ける不安定なアイデンティティが形成されるかもしれません。