助けを求めるのが難しいと感じてしまうのはなぜ?

人間は社交性のある生き物です。その結果、互いに助け合うことができるというのが人類の最大の強みの一つとなっています。しかし、助けを求めることができない人々も少なからず存在します。今日はこの問題の根本原因と、自分がこのタイプの人間になってしまった場合の対処法についてお話ししていきます。
助けを求めるのが難しいと感じてしまうのはなぜ?
María Vélez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Vélez.

最後の更新: 21 12月, 2022

人は誰もが、生きていく中で困難な時期を経験するものです。しかしそんな時、助けを求めるのが難しいと感じてしまう人がいます。この現象が起こる根本原因は様々ですが、もたらされる結果は同じです。助けを得られないと、人は行き詰まって前に進めなくなってしまうのです。

弱い自分を見せることになってしまうと考えて、助けを求めようとしない人々もいます。また、それ以外のケースでは助けを求めるための社交スキルが足りていなかったり、頼れる知り合いがいないといった原因が考えられます。

こうして結局、一人きりで障害に立ち向かう羽目になります。こうなると自ら進んで負けに行く人すら出てきます。ここからは、なぜ一部の人にとって助けを求めることが困難になってしまうのか、その理由をいくつか見ていきましょう:

助けを求めるのが難しいと感じてしまうのはなぜ?

誤った思い込みにより、助けを求められない

多くの人が、サポートを求めたり話を聞いてもらおうとして誰かの時間を奪うのは悪いことだと信じ込んでいます。または、相手には自分の問題などに付き合うよりもよっぽど大切な用事があるだろう、と考えている人もいるかもしれません。

このような思い込みは非常に多く見られる上、人が他人との距離を広げ、助けを求めるのを躊躇する原因となっています。

アサーティブネスの欠如

「アサーティブネスに関する権利章典」には、助けを求める権利も含まれています。これは、他人にもその権利があることを理解できている限り守られるのです。

アサーティブネスとは、自分自身のニーズを守り、自分が信じていることや考えていること、あるいは必要としていることをわかりやすく開放的に伝える能力に他なりません。

低い自尊心

この要因は一つ前のものと関連しています。助けを求めることができない状態は、低い自尊心と関わっているのです。なぜなら、自尊心の低い人々は自らのニーズを過小評価して無視し、他者のニーズを優先させてしまうためです。

自尊心が低いと、自分自身に対して非常に厳しくなりがちです。そのため、誰かに助けを求めたい気持ちを、自己が劣っている証拠として、あるいは弱さの表れとして解釈してしまうのです。

責任回避

また別の理由として、なぜ自分が助けを求めなければならないのだ、という態度でいることが挙げられます。むしろ、自分が困難な状況にいる時には周りの人々の方に助けの手を差し伸べる責任がある、と考えているのです。

プライド

プライドもまた、助けを求めるのが難しくなってしまう主な理由の一つです。何かを自分一人で成し遂げるのはとても達成感があります。障害を一人きりで乗り越えることで自信もつきますが、これは諸刃の剣でもあるのです。

一方で、プライドが高い人々は手助けをしてくれないことに関して他人を簡単に責めてしまいます。これは、そのタスクを上手くこなせなかった場合に特に起こりがちです。また、プライドが物事の動機になっている人にとって、試練を乗り越えることの目的は何か困難なことを成し遂げて得られる個人的な満足感というよりはむしろ、他人に自分の能力を見せびらかすことの方になってしまっているのです。

ネガティブな経験

過去に傷ついた経験があるために助けを求められないという人々もいます。以前誰かに助けを求めたことがあり、その時に拒絶されたことがある場合は、その後もう一度試してみようという気にはならないでしょう。

拒絶されることへの恐怖

助けを求めるのをためらってしまうもう一つの理由が、拒絶されることへの恐怖です。こういった人々は他人が自分の手助けをしたがっていないこと、あるいは手を貸すことができないことを恐れています。

つまり、彼らは自らが助けを求める権利は否定しないのに、他人がそれを断る権利は否定してしまっているのです。これが当てはまる人にとってはその権利を理解するのは難しく、否定的な反応を得ることに対して不安を感じてしまいます。

助けを求めるのが難しいと感じてしまうのはなぜ?

役立つ指針

もしあなたにも上述のいずれかが当てはまるのであれば、以下のような助けを求めるためのコツが役立つかもしれません。

  • 自分の抱えている問題と、それに関して自分が必要としてるものを説明してください。
  • 自信を持って自分を表現してください。相手にサポートを強いる権利など私たちにはないことは確かですが、依頼する権利はあるのです。
  • 他者を信頼してください。人々の善良な意向や誠実さを信じましょう。きちんと頼めば手を貸してくれるか否かを隠すことなく伝えてくれるはずだと信用してください。
  • 寛大な心を持ってください。手助けに感謝し、理解と辛抱強さを持ちましょう。

助けを求められない状態でいると、結局かなりの孤独を感じてしまうことになります。他人と距離を置くことになるので、相手をよく知ることができずフラストレーションの蓄積にも繋がるでしょう。

この状態から脱却できるよう、自分には助けを求める権利があるという考え方を内在化してみてください。他人に力を貸すことがいつでも重荷になってしまうとは限らないということを覚えておきましょう。それどころか実際には、誰かに手を差し伸べることで自身のウェルビーイングに好影響を与えることができるのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。