テイレシアースと性についてのギリシャ神話

ギリシャ神話に登場するテイレシアースは、盲目でありながら予言の力があります。ナルキッソスなど、いくつもの神話で彼は重要な役を果たしています。この記事では、非常に興味深い人物テイレシアースについてご紹介します!
テイレシアースと性についてのギリシャ神話

最後の更新: 20 3月, 2020

テイレシアースにまつわるギリシャ神話は、性へのアプローチから非常に興味深い話です。テイレシアースには予言の力があり、性転換、女性の快楽、のぞき見など有名なエディプスコンプレックスと深く関係しています。

テイレシアースは、ギリシャ神話の中でもっとも重要な予言者で、さまざまな作家によって書かれた話の中に登場します。またこの人物は後の作品にも使われ、現代作品にも出てきます。

テイレシアースの一番明分かりやすい特徴は、彼が盲目であることでしょう。彼は目が見えませんでしたが、未来をみることができました。こうしてギリシャ人は悲劇の究極の意味を見出しました。出口のない逆説的状況では、贈り物は罰を暗示し、その反対も同様だと理解したのです。

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ギリシャ神話テイレシアースの起源

テイレシアースにまつわるギリシャ神話の起源は、非常に人気があるストーリーの一つです。これには約15もの異なるバージョンが存在します。ここではその中から最もよく引用される2つをご紹介します。

どちらのバージョンも、この予言者はニュンペーのカリクローとエウエーレースの息子だという点では同意しています。違うのは、テイレシアースが盲目でありながら千里眼をもつようになった理由です。

古いバージョンでは、テイレシアースの母カリクローが、知恵の神であるアテーナ―と親しい友人であったと言われます。2人は裸でヘリコン山にある泉に沐浴によく出かけていました。ある日、テイレシアースが森へ狩猟に出かけた時、意図せず裸の2人を見てしまいます

アテーナーは激怒し、すぐに罰として、テイレシアースの目を見えなくしました。カリクローは、テイレシアースはただ目の前にあったものを見ただけで、意図的ではなかったと息子をかばおうとします。

しかし、裸の神を見ることは誰にも許されることではありません。アテーナーが彼の目を見えるように戻すことはありませんでした。その代わり、予言の力という贈り物を与えたのです。これは、死んでもなくならない贈り物でした。

 

テイレシアースの性転換

テイレシアースの起源に関し、2番目に知られているバージョンを次にご紹介します。ある日、彼が野原を歩いていると蛇が交尾しているのを見つけました。その2匹を引き離そうと、テイレシアースは、蛇を強く打ちます。その結果、メスは死んでしまい、テイレシアース自身は女性になったと言われます

その7年後、似たようなことがありました。彼はまた蛇が交尾しているところを発見し、棒で打ちました。すると今度はオスが死に、テイレシアースは男性に戻ったのです! この出来事から、神ゼウスと妻である女神のヘーラーは、男性と女性のどちらがより性的快感を得るかについて熱のこもった口論を始めました。

テイレシアースは男性も女性も経験していたため、2人は彼を呼び、彼の経験を含めて相談に乗らせることにしました。尋ねられたテイレシアースの答えは、女性の方が快感を得ると言うものでした。

これにより、夫の前で恥をかかされたヘーラーは激怒しました。そしてテイレシアースの目を見えなくしましたが、ゼウスがその埋め合わせとして予言の力という贈り物を与えたのです。

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予言者の伝説

テイレシアースは、ギリシャ神話で重要とされる複数のストーリーの主人公になっています。彼は、ナルキッソスの暗い将来を予言しました。ナルキッソスの母がテイレシアースに息子の運命を尋ねた時、テイレシアースはナルキッソスが反射した自分の姿に目を向けなければ、長生きすると答えています。

また、この予言者はオディプス王の悲劇にも登場します。ティーヴァの街が疫病に襲われた時、オディプス王は彼の元へ相談に行くことにしました。デルフィの神託によれば、疫病は前王ラーイオス殺害の災いであり、悲惨な状態を生んでいるというのでした。そしてこの罪が償われなければ、疫病が止むことはないと言います。

この時、オディプス王は、自分が父であるラーイオスを殺害したとは知りませんでした。また、後に自分の母親と結婚することになろうとも知りませんでした。しかしある日、オディプス王はラーイオスを殺害した人の名前を明かすようテイレシアースに言います。

テイレシアースは初めは協力を拒みましたが、拷問に屈し口を開きました。オディプス王こそが、犯人だと明かしたのです。オディプス王はそれを信じず、宮殿からテイレシアースを追放しました。しかしまもなくオディプス王はすべてを理解し、自ら自分の目を突きました。


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  • Gual, C. G. (1975). Tiresias o el adivino como mediador. Emerita, 43(1), 107-132.


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