あなたに制約を与える6種の危険な言葉
言語を神経言語プログラミングの観点から分析することで、言語が思考に与える影響を理解できるようになります。また、実際に用いる言語がどのようにして人をある特定の形で現実に向かわせるようプログラミングしているのかについての理解も深まります。本日は、あなたに制約を与える6種の危険な言葉について紹介していきます。
日常的に使われる表現の一部には、概念的に重く、あまりポジティブとは言えないものがあります。その影響力にはお気付きでないかもしれませんが、実はみなさんもそれらの言葉を使い続けてしまっているのです。それでは、それらがどんな言葉なのか、そしてどう心に弊害が現れるのかについて見ていきましょう。
あなたに制約を与える6種の危険な言葉
〜しない、〜するな
この言葉は逆説的で、あなたが遠ざけようとしているまさにその対象に逆にあなたを引きつけてしまう傾向があります。曖昧で、脳が登録できていない場合が多い言葉なのです。例えば、私があなたに「ピンクの像のことは考え”ない”でください」と伝えると、あなたの頭の中にはまさにピンクの像のイメージが浮かんできてしまうはずです。
このような表現を用いていると、興味深い現象がよく起こります。人は無意識に「〜しない、〜するな」の部分を完全にごまかして消してしまい、否定の目的語に集中してしまうのです。例えば、自分自身に「緊張”するな”」あるいは「私は病気になりたく”ない”」などと言い聞かせると、実はそれにより自分自身を緊張したり病気になるようプログラミングしていることになってしまいます。したがって、代わりに「落ち着いて」や「私は健康でいたい」といったポジティブな肯定文を使う方がずっと良いのです。
私は〜をやらなくてはならない、しなくてはならない
何かをやら”なくてはならない”という言い方をすると、それにより何か不愉快で大変なことがこれから起こることを断言している状態になってしまいます。例えば、「私は働かなくてはならない」、「私はもっと社交的にならなくてはならない」、あるいは「私は体重を減らさねばならない」などの言葉です。このような形で言葉を紡ぐと、自動的にそれらがネガティブで困難なものになってしまいます。
「私は〜したい」や「私は〜するつもりだ」という言い方をした方がメンタルヘルスにとってはずっと良いのです。ポジティブな言い換えの例としては、「私はもっと社交的になりたい」という言い方が挙げられます。しかし例えば「私は働きたい」と言ってしまうと実際に感じていることとは矛盾してしまうので、「私は働こうとしている」と言ってみてください。こういった言い方を心がけることで、これから待っているのはかなりシンプルで簡単なことである、という期待を脳にさせることができます。
でも、しかし、だけど
何か2つの考えを繋げる時に「でも」や「しかし」を使うと、1つ目の考えは即座に価値が下げられてしまいます。その結果、最終的に頭に残るのは2つ目のネガティブな考えの方になってしまうのです。「あなたを愛している、でも私たちはあまりに喧嘩をし過ぎる」、あるいは「私は良い成績をとった、しかしもっとうまくやれたはずだ」などがその例です。
これを避けるための1つの方法は、「でも」を「そうは言っても」などの別の言葉に置き換えることです。そうすることで、追加の情報を後から加えてもメインのメッセージの価値が損なわれずに残ります。また、言葉の順序を逆にしてみるのも良いでしょう。例えば、「私たちは喧嘩をし過ぎるけれど、あなたを愛している」といった具合です。これでメッセージがもっとポジティブなものになりますよ!
かわいそうに
こちらも、人々が他人あるいは自分自身に対して共感や思いやりを表すために日常的によく使われる言葉です。例えば、「クビにされたなんてかわいそうに」や「かわいそう、恋人に振られたなんて」という使い方をされます。
好意的な姿勢を見せる意図で言ったとしても、この表現が受け手側に好影響を与えることはありません。実はこの言葉を使うことで、基本的には相手に(あるいは自分自身に)まるで救いようのない犠牲者のような気分を味わわせてしまうことになるのです。したがって、違う言葉を使うようにしてみてください。相手あるいは自分自身にとって力になるような、そして前進することができるのだ、と感じさせられるような表現を選んでみましょう。
決して、いつも、絶対、誰も、全員
これらの言葉のいずれかを使うと、宣言をしていることになり、頑なな二分法的思考パターンに陥ってしまうことになります。「あなたはいつも全てを間違ったやり方で行なっている」、「誰も私を愛している人などいない」、「私が幸せになることなど決してないだろう」などの言葉が例として挙げられます。このような思考回路あるいはこの種の発言は非常に有害で、ただあなたを縛り付けて同じ経験を繰り返させてしまうだけです。
代わりにもっと現実的な表現を用いるようにすべきです。特に、変化や改善を好ましく感じさせるような言葉を選んでみてください。例えば、「私はこれを正しく行えていなかった」や「私は今はあまり幸せを感じていない」という具合です。思考をこのような形で言語化することで、現実に起きている事象に意識を集中させることができ、修正のチャンスを生み出すことができます。
あとで、明日、いつか:避けるべき危険な言葉たち
これらの言葉は時間に関する曖昧さを暗示しており、行動を起こす際の妨げになることが多いです。つまり、物事を不確定な期間先延ばしにしてしまう元となるのです。「あとで勉強するよ」と言った場合の「あとで」とはいつでしょうか?「あとで」は決して訪れません。「私はいつか、健康的な食生活を始める」と言っても、正確にはどの日から始めるのですか?
本当に目標を達成したいと思っているのならば、こういった言葉を使うのは避けましょう。代わりに、始めるための日にちを決めたり正確な時間を設定してみてください!
最後に、常に覚えておいていただきたいのは、あなたの思考や他人あるいはご自身とのコミュニケーションの土台になっているのは言語だということです。論理的思考を行なっている時、人はあらゆる物事を自らの発する言葉のフィルターにかけます。その結果、選ばれた言葉がその人の世界の見方を形作っていくことになるのです。
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