児童心理学:誰に頼ればいいのか
心理学の相談で最も多いのは育児に関する質問です。その中で実際にセラピーが必要になるケースはほとんどありませんが、専門家の意見が聞けることで親たちは安心します。しかし、問題なのは親たちが臨床心理士や小児科医、教育児童心理士の誰に相談をすればいいか分からないという状況です。では実際には、誰を頼ればいいのでしょうか?
ほとんどの親は何か相談をするとき、通い慣れている小児科に行くことが多いでしょう。しかしそのような時は児童心理学の専門家にかかるのが最善策です。また、その他の人たちは学校に相談しにいくでしょう。確かに、学校では子供の教育や発達に特化した臨床心理士が勤務していることもあります。
多くの人は普通の臨床心理士と教育児童心理士の仕事の違いを正確に理解していません。実際、この2つの仕事はとても似ていますが、学術的な枠組みでは明確な役割の違いがあるのです。そして通常、この2つの専門家たちは自らの技術を補完しあいながら、教育上での問題を解決しています。
児童心理学の中での異なる選択肢
どちらの学問も人間を対象としており、人が抱える問題を解決することがその最終的な目的です。このような類似性が、臨床心理士と児童心理士の違いを見極めることを難しくしています。また、どちらも人の「心理」に着眼点を置いてます。よって以下では、この2つの学問の始まりから類似点や相違点を説明していきたいと思います。
心理学と教育児童心理学の大きな違いは、その範囲です。心理学が人の人生のあらゆる面をその研究対象としている一方で、教育心理学は学習プロセスにのみその焦点を当てています。
私たちは何かを知り、何かを無視する。だからこそ、私たちは常に学んでいる。教育の目的とは、自分自身を知る術を教えることである。さもなければ、それは洗脳である。
-ノーム・チョムスキー-
労働環境における専門家の能力
教育心理士はオリエンテーションや心理教育など、様々な異なるフィールドで専門的な知識やメソッド、教育心理学の理論を用いて働いています。これにより、多様な予防策やサポートを可能にして、異なる問題に対処できるようにしています。
また、教育児童心理学のカウンセリング指導では、学習技術の習得やメタ認識能力の育成、動機付けなどに焦点を当てています。このように、様々な方向から専門的なアプローチをかけることで、異なるガイドラインと目的の統一化を図っています (Palacio, López and Nieto, 2006)。
そして教育児童心理士は専門的なスキルをもとに、あらゆる年齢の患者に対して問題の予防や発見、対処を行います。さらに、彼らは教育プログラムや他の技術と連携して、より良い指導プロセスの促進を促します。
一方、臨床心理士は広い視野を持ちながらも、同時に特定の個人の知識に焦点を当てます。彼らの専門とする分野は教育学の中でも非常に広く、 感情や考え方のコントロール方法から対人関係のコントロール方法まで多岐にわたります。
全ての理論を学び、全ての技術を習得しなさい。しかし、あなたが触れているその魂は、誰かほかの人の魂なのです。2人の人が出会うというのは、2つの化学物質がぶつかり合うのと同じことです。もし、それがそれが化学反応を起こせば、変化が訪れます。
-カール・ユング-
臨床心理士と教育心理士の主な違い
この2つの分野には共通点がたくさんありますが、そこには相違点もあります。教育心理士は、学習や基礎プロセス、行動が主な対象になります。しかし、この分野の専門家たちは、会社内で従業員や組織の生活の質を向上させることが求められることがあります。
また、彼らの仕事は人格統合に近いところもあります。彼らは、幼児や問題を抱えた思春期の子供のサポートや、家庭に問題を抱えた子供たちの観察などを行うのです。
これらの分野におけるの教育心理士の仕事の1つは、子供の異常な行動や反抗行動を見つけ出し、それを治すための治療法やガイドラインを作成することです。またもし、子供の人格形成に問題があるのであれば、精神分析医と連携したり、医療的処置を施したりします。
学校環境における児童心理学
学校における教育心理士の主な使命は、具体的な方法で子供たちが一定の成果を出せるように導くことです。
心理学教育には、 臨床モデルとカウンセリングモデルがあります。一方、臨床心理士はその人の成長過程や行動、性格、休暇、仕事、社会情勢に目を向けながら、感情に関する問題と向き合います。
それとは対照的に、教育心理士は生活における学習プロセスに着目します。そのため、もし、子供が教育環境に問題を抱えているのならば、教育心理士にアドバイスを求めるのが良いでしょう。しかし、その問題がより精神的なものであれば、診療心理士の診断を受けるのが最善です。
教育には2つの目的がある。それは技術を教えることと感情を教えることだ。どちらかひとつが欠けてしまったらそれは成立しないのである。
-ルーベン・アルベス-
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