経験への開放性:非凡な人々が持つ性格特性
パーソナリティに関する研究は、常に大きな関心を呼び起こしてきました。私たち人間には、色々な思考態度や特質に基づいて自分自身や他人のことをカテゴリー分けしたがる傾向があるのです。主要なパーソナリティ分類が登場したのもそのような理由があったからでしょう。その中でも本日お話ししていくのは、「経験への開放性」というパーソナリティ特性についてです。
これは、好奇心が強くて臆することなく様々な感情を経験したがるような人々に特徴的な特性であると言えるでしょう。知識を得ることに貪欲で、たくさんの趣味や関心を持っており、常に何かに貢献したり何かを学び続けています。
この特性がどのように現れるのか気になりませんか?読み進めて詳しく学んでいきましょう!
経験への開放性、ビッグファイブ性格特性の一つ
ビッグファイブと呼ばれるパーソナリティ特性モデルは、パーソナリティを理解し、分類するための手段として使われることの多いモデルの一つです。ゴールドバーグによって行われた研究をもとに考案されたもので、以下の特性から成ります。
- 経験への開放性
- 信頼性
- 協調性
- 外向性
- 神経症的傾向
先ほどもお伝えした通り、本日はリストの一つ目の項目、経験への開放性についてお話しします。一般的にはあまり知られていませんが、これは人間のパーソナリティ形成において重要な役割を果たしている上、この特性を持っていると特定の強みを手にすることができるのです。
経験への開放性とは?
まず、経験への開放性が高い人々は流動性があり柔軟で、なおかつクリエイティブです。常に新たな刺激や知識、そして未知の感覚を追求します。そのため、いつでも変化を受け入れる準備ができており、様々な考え方や行動の仕方を拒絶することなく受け入れることができます。
一方で、この特性のスコアが低い人々は高い人ほどの寛容性を持ち合わせていません。伝統やルーティーンに固執しており、より保守的な思考パターンを有しています。
経験への開放性が持つ様々な側面
- クリエイティビティ(創造性)。まず、この特性のスコアが高い人々はクリエイティブで想像力に溢れていて、内的世界がとても豊かです。発散的思考の持ち主で、一見関連性が内容なアイディア同士を結びつけて考えることができます。前進するための新たな道を常に見つけ出すことに加え、その創造性は芸術というレベルだけには止まりません。革新的な観点を持った偉大な科学者たちやあらゆる分野の専門家たちも、高い開放性を見せます。
- 知性と知識。次に、大きな知的好奇心があり、思考の分析や答えの探究に関わろうとする傾向も見られます。そのため、常に新しい知識を求めており、積極的に様々な視点から物事を見ようとするのをいといません。さらに、多様な趣味関心を持っていて学びを楽しんでいます。
- 審美眼。芸術や音楽、そして美しいものへの高い理解力は、このタイプのパーソナリティに非常に特徴的です。置かれている状況へ完全な注意力を向ける能力は普通よりも高く、フローという状態により入りやすい、とされています。そのため、「今、ここ」に専念できる可能性がより高く、現在行なっている活動に対してより没頭することができるのです。
- 感情。心の内側の状態との繋がりが普通より強く、高い内省能力を持っているため、自らの感情と調和することを恐れません。感情全てをしっかり経験しようとします。
- 価値観。あらゆる種類の価値観にオープンであり、既存の教義や信条に(たとえそれらが自分自身のものであっても)疑問を抱きやすい傾向があります。さらに、どんな権威に対しても、その価値観を検証することなしに服従するようなことはありません。
- 行動。最後に、新たな経験や活動に挑むことに対してよりオープンです。進んで新しい味を試食しようとしたり、異文化を知ろうとしたり、コンフォートゾーンから出ようとします。簡単に言うと、刺激を探し求めて変化を受け入れるということです。
非凡なパーソナリティ
経験への開放性は夢があって革新的な、そしてオープンマインドな人々や、変化を巻き起こしてくれる人々が持つ特徴です。
他の人々が当たり前だと思い込んでいるもの全てを分析し、熟考し、再検討することができます。また、好奇心旺盛な知識欲や成長欲は決して尽きることがありません。
こういった人々はポジティブな感情を感じやすい傾向があり、その結果人生への満足度が普通よりも高いのです。このように彼らの存在が、開放的になることや好奇心を目覚めさせること、そして変化への恐怖と向き合うことには価値があるのだ、と私たちに思い知らせてくれています。
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