むずむず脚症候群と脳の運動皮質
むずむず脚症候群 (レストレスレッグス症候群)は、説明の難しい病気です。中には、自分の足が勝手に動いている、と信じ込んでいる患者もいるのですが、実際には不愉快な感覚から逃れるために、常に手足を動かさずにはいられなくなってしまうというのが症状です。両足の上から下まで、ヒリヒリ痛むという人もいます。今回の記事では、この症候群の主な特徴について知り、それがどう脳の運動皮質と関連しているのかを学んでいきましょう!
現在深夜0:30です。眠ろうとしているのですが、できません。寝付こうとすると、ムズムズとした感覚が両足を襲うのです。足を動かさずにはいられないので、片足を上げて空中で振ります。その後もう片方の足、そしてまた反対の足、と繰り返すのです。
数分後に再びムズムズはやってきます。私は起き上がって部屋の中をウロウロと歩き回り、両足をマッサージしたり、叩いたりすらもします。ムズムズが治ってきました。再び眠りにつけるくらいには、むずむず脚症候群の症状をなんとか和らげることができました。
むずむず脚症候群とは?
国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)によると、むずむず脚症候群は、5つの主な診断基準に基づく感覚器官障害だそうです:
- 異常、不愉快、あるいは気持ちの悪い感覚を頻繁に伴う、両足を動かしたいという強くて圧倒的な必要性や衝動。
- 両足を動かしたい衝動は、安静状態や活動をしていないときに始まったり、悪化したりする。
- 両足を動かしたい衝動は、少なくとも一時的なものであるか部分的で、動かすことによって完全に治る。
- 夕方から夜間にかけて、衝動が始まったり悪化したりする。
- 以上の4つの特徴が、その他の医学的あるいは行動的症状によるものではないこと。
むずむず脚症候群と脳の運動皮質
この症状の主な原因は、鉄欠乏症や三環系抗うつ薬の摂取、そして選択的セロトニン再取り込み阻害薬やリチウム、カフェインの摂取などです。しかし、むずむず脚症候群は脳の運動皮質の異常な機能に関連していることが新たに発見されました。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちは、この症候群の原因として、脳の運動皮質の活動過多が考えられるということを発見しました。
ジョンズ・ホプキンス大学のレイチェル・サラスは、”両足をコントロールする脳の領域で、運動皮質の皮質興奮性の増加が見られる”ことを断言しています。
治療法
薬物治療
- ロピニロール、ペルゴリド、プラミペキソールなどのドーパミン作用薬。
- ベンゾジアゼピンはムズムズ感を和らげ、眠りにつくのを楽にしてくれます。
- 抗けいれん薬、特にガバペンチンやカルバマゼピン。
- 鎮痛薬として、オピオイドも使用されます。
非薬物療法
- 睡眠のルーティンを作り、毎日同じ時間にベッドに入る。
- カフェインやアルコールやニコチンの摂取を抑える。
- 頻繁にエクササイズを行う。
まとめ
むずむず脚症候群には、患者のクオリティオブライフを改善するためにまだまだ改善すべきことがたくさんあります。
この症候群に関連する症状を軽減することは、良質な睡眠衛生と睡眠の質の向上を意味します。これにより、眠気や疲労感、倦怠感、そして気分のムラなどを根絶することができるのです。