思春期の子供に手を差し伸べる方法
時には、青春時代を思い出して、「あの時これを知っていればな」と思うこともあるでしょう。しかしこの記事では、今あなたが知っていることを青春時代に知っていれば出来たであろうことについて書くつもりはありません。時の経過の中や失敗からしか学べないこともあるからです。
なのでここでは、私たちが10代の若者たちにしてあげられることについて書いていこうと思います。自分が10代の時に知っておきたかったことや、将来自分の子供に時が来たら、それが苦しく困難なことでも、伝えてあげたいことなどです。
思春期というのが難しい時期であることは間違いありません。10代の内に起こる全ての変化をその時期に体験するからです。難しい時間過ごすのは本人のみならず、家族も同様です。実際、我慢できないような10代の子供を持つ親の多くは、どうしたらいいかがわからないことも多いものでよね。
たいていの場合、思春期の子供に対して大人が我慢できないと感じている部分は、子供たちが大人に対して嫌悪感を抱いている部分でもあるのです。そして、この難しいダイナミクスの中で、時に親は大事なことを自分の子供に伝えることを忘れてしまいます。以下が、そのリスクの高くなる青春時代の過ごし方と、10代の子供を救うキーとなる方法です。
子どもの代わりに旅をすることはできませんが、旅の準備をすることはできます。
親としての困難や義務に関わらず、大人には子供を拒否しない責任があり、少なくとも子供に代償を求めないことが必要です。そのため、もしコミュニケーションをとることに問題を抱えているのであれば、大人が解決のための最初の一歩を踏み出さなくてはいけません。確かにそもそもの問題の原因は大人にはないかもしれません。それでも、大人が最初の一歩のみならず、次の一歩も踏み出す必要があるのです。
一歩踏み出すためには、まず問題を受け入れなくてはないけません。しかし、受け入れることが難しいこともあります。一度それを受け入れたとしても、そこに説明書はないので、怖いかもしれません。それでも、10代の若者を助けるのに遅すぎるということはないのです。そして、何かを変えるのに遅すぎるということもありません。いつだって、子供への愛は他の何よりも大切なことであるということを忘れないでください。それは、自己愛よりも大切なのです。
思春期に直面する困難を知れば知るほど、子どもの経験はより豊かになります。それが将来に立ち向かうための手助けとなり、大きな失敗を犯す可能性を減らします。人生のいかなる時でも、新しいことを試すことは良いことです。しかし、1つ1つの行動には結果がついて回るということは決して忘れてはいけません。
自分の子供のために旅に出ることも、彼らの手を取っていく必要もありません。大人の責任は対話を促し、アドバイスを与えることです。なので、彼らの意見を理解することに集中しましょう。
思春期の子供の意見を認識し、承認してあげることが大事です。彼らの手助けをすることは穏やかなプロセスです。このプロセスの速度を上げようとしても、悲惨な結果が待ち構えているかも知れません。そして、今度起こるかも知れないことに対して麻痺してしまうことも同様です。
10代の子供とは、赤ずきんちゃんのようなものです。彼らは自分のしたいことを、何でもしたり、しようとしたりするのです。「ダメだと言ったらダメ」というような口論は、親と子の緊張関係を悪化させるだけです。そしてその瞬間から、子供たちは判断を下すときに大人の意見を聞こうとしてくれなくなります。もし意見を聞いてきたとしても、法律のようにそれを守ってはくれなくなります。だからこそ、自分自身でしっかりと判断する術を教えることが大切なのです。
10代の子供の意見を変える知識
10代の子供は多くの情報にアクセスしています。そして、私たちはその情報の内容について話し合う必要があります。そうすることによって、彼らの視点を知ることができ、あらゆる質問や誤解を識別して意見を交わすことができるようになります。
それでも、大人が彼らに教えられることはあります。自分自身の人生の教訓を伝えることで、彼を多くの苦しみから救うことができるのです。それにより、大人の多くが青春時代に経験した気持ちが間違っているという彼らの誤解が解けるかもしれません。
思春期の脳の働き
10代の脳の働きというテーマは複雑で、広範囲に及びます。結果として、これらのテーマは掘り下げるほど特段興味のある内容ではありません。しかしそうは言っても、難しい時期を過ごしている10代の子供を助けるためには、彼らがどのように考えており、どのような理由づけがトラブルを引き起こしているのか理解しなくてはいけません。
また、ハイパーラショナリティついて10代の子供に話すことも大切です。パイパーラショナリティとは、知覚リスクと結果のバランスを意味した概念です。もしかすると聞き覚えのない概念かもしれませんが、彼らの脳の働きを理解する上ではとても重要なのです。
神経科学者によると、思春期の脳はある特定の行動におけるリスクを正しく計算することに問題を抱えているといいます。これは、彼らの経験不足と、未発達な前頭葉によって引き起こされています。
思春期の子供たちが、自分の脳の発達が自分の決定にどのような影響を与えているか理解することで、より堅実な決定を下せるようになります。また、脳の働きを彼らに教えることによって、彼らはより知性的な決断を下せるようになります。これにより、10代の子供たちは自らの意識に基づいて、思春期特有のリスクを軽減できるようになるのです。
自分らしくあることの大切さ
思春期において子供たちが自分らしくなるためには自由が必要です。彼らは両親に愛され受け入れられたいと思っています。他者に見られ、認識され、承認されたいと思っているのです。そして、彼らはこれらすべてを欲していると同時に、怖がってもいるのです。
思春期の子供が自立したいと思うなら自分の理想を叶えなくてはいけない、と多くの人が思っていることが問題です。親の期待に関しては特にそうです。
一方で若者たちは、自分の本当のアイデンティティをさらけ出すことで拒絶されるのではないかと怯えています。だからこそ、彼らは自分の周りの人々に合わせるように行動します。他人を満足させようと思う気持ちが彼らの行動に影響を与えているのです。
これが、10代の子供にとっての難しい矛盾です。自主性を獲得するために、外部の影響から自分自身を切り離したいと思っている反面、他者に受け入れらてもらうための必要な要素を満たそうとします。この受け入れてもらうための要素が、グループの中に入るために、彼らを他者の欲望に縛り付けます。
子供たちが自分らしくいることを手助けするための第一歩は、家族の中で自分らしくいることを認めてあげることです。自分自身の価値と考えのために立ち上がる能力を子供たちに身につけて欲しいと思うのであれば、これはとても重要なポイントです。
子供自身に自分を表現させ、自分のことを自分で決めさせない限り、彼らのことを本当に理解することはできません。どんな服が着たいかは彼ら自身に決めさせましょう。彼らは自分自身で部屋のデコレーションや聞きたい音楽を決めることが出来るのです。
思春期における怒りと悲しみのコントロールを手助けする
まず初めに、怒りと悲しみは感情であると言っておくべきでしょう。そういうものとして、これらの感情を受け入れなくてはいけません。悲しくなることも、怒ることも悪いことではないのです。感情的表現をコントロールすべき理由はたくさんありますが、それを抑え込むべき理由はありません。
問題なのは、多くの若者(大人も)が自分のネガティブな感情をコントロールする術を知らないことです。しかし、それが言い訳になるわけでもありません。実際、子供たちの行動を観察することで、自分の感情をコントロールする能力がどれほど高いか見極めることができます。
しかし、悪いことは子供たちが親からそれを学ぶということです。子供たちは特に、他者に対する憎悪やその人自身が抱えている問題などのネガティブなパターンを模倣しやすいものです。良いことは、そのような行動は早い段階で見つけることができ、それに対処をする時間が十分にあるということです。
また、変化をもたらすのに遅すぎることはないことも良いことです。この3つの大切なレッスンを自分の子供に対して実践して見ましょう:
- 最初は、感情のコントロールの仕方です。
- 2番目は、変化するための努力を行えるくらい子供のことを愛することです。
- 3番目は、正しい道を歩み始めることに、遅すぎることはないということです。
子供の幅広い感情を受け入れる
自分が引き起こした問題に直面したとき、10代の子供たちの多くは自らの感情を仕舞い込もうとします。そのために、無秩序で関心のない退屈な生活を送る子供もいれば、ドラッグやアルコールを逃げる子供もいます。
セックスもまた、多くの子供たちにとっての逃げ道です。彼らは気持ちやコミットメントなしに、気軽にセックスに応じてしまいます。問題なのは、それらによって「消耗」してしまうということです。また中には、苦悩に直面しないために、孤独になることを好む子供たちもいます。
ここで10代の子供たちは、自分自身のすべての感情を認識し、受け入れ、表現することを学ぶ必要があります。思春期において、彼らは新たな感情や感覚を体験するはずです。時にそれらは恐ろしいほど激しい感情かもしれません。しかし、もし大人が彼らの信頼を得ることに成功したのであれば、複雑な時期を過ごす子供たちを救えるでしょう。
現在は未来よりも大切
10代の子供たちに対して、常に人々は将来に対する質問やプレッシャーを与えています。そして、多くの子供たちは「今を楽しめ」という幻想的な考えを誤って解釈することや、自らの若さを犠牲にすることで、そのような状況に立ち向かっています。彼らは若さという貴重な年齢を犠牲にして他人が設定した目標を達成しようとしています。つまり、将来という、他者から絶えず言い続けられていることに集中してしまっているのです。
将来について考えることは大切です。しかし、人生には仕事や勉強以外のこともあります。本を読んでいるだけでは、価値のあることをすべて見つけることはできません(本が素晴らしいことは確かですが)。もし、10代の子供たちを救いたいというのであれば、目的を達成することで生じる犠牲を教えてあげましょう。自分自身の経験に基づいて、彼らを助けてあげるのです。そうすれば、現在において、何が重要かをよく理解してくれるはずです。
10代の子供たちが時間を持つことがすべてにおいて大切です。教育や友達、運動、自己啓発活動には時間が必要です。毎日の日常生活の中で、彼らは「現在」を生きるべきなのです。
そうすることにより、自分自身のことを理解して、自らの決断を下すことができるようになります。つまり、自分の性格や願望、徐々に築き上げている価値観に基づいて、一貫した行動がとれるようになるということです。
思春期は病気ではなく、機会である
親たちの大半は、10代という年齢を恐れています。それをまるで、治療法のない病気のように扱います。しかし、思春期を他の側面から捉えることは、親と子供にとってとても良いことです。思春期は、それに関係するすべての人にとっての機会と考えるべきなのです。
これは、人生における新たなステージを探検する機会であり、新たな挑戦に挑む機会でもあります。このような新たな挑戦は、それに関係するすべての人たちにとって良い影響を与えます。また、この挑戦は苦痛や悲しみ、悲劇を伴うものである必要はありません。事実、それは人生における美しい時間となるのです。
親が、このような体験を作ってあげることができます。親には10代の子供に対して言うべきことや要求することが数多くあります。確かに、時には親のアドバイスは快く思われないかもしれません。しかし、それが普通なのです、。思春期の難しい時間を過ごしている子供を救うことは十分可能なんですよ!