ジグソー法:学校での統合への回帰

· 2019年3月11日

「我々は団結すれば強いのだ」この引用句は、ジグソー法の目的を完璧に言い表しています。ジグソー法とは、生徒たちに社会統合、強調、そして思いやりについて学ばせるための教育法です。

6歳を過ぎると、子どもの脳は、してはいけない行為や自分自身を抑える方法について説明しても理解できるレベルにまで発達していきます。ですので、子どもが学校に通う期間というのは、平和的で礼儀正しく周囲と共存するために、適切な行動習慣を身につけるのにピッタリな時期なのです。

学校の初年度は子どもたちにとって大きなチャレンジ

ほとんどの子どもたちにとって、学校入学初日というのは大きな変化を生む出来事です。この日からもう、彼らは小さな赤ちゃんではなくなるのです。彼らは生徒として、新たな責任や義務を背負って、それまでとは別の役割を担えるよう学んでいかなければならないのです。

この中で、生徒の役割というのは、同世代で同じ文化を持った子どもたち、あるいは歳が離れていて文化も異なる子どもたちと、どのように交流し合い、どのように関係を作っていくかを学ばなくてはならない、ということを意味します。それに加えて、子どもたちは、自分自身や自分の周りについて問うたり判断するための、新しいロールモデルや指標を見つけていきます。

ジグソー法:学校統廃合への回帰

新しい社会の現実

変わりゆく子どもたちの姿勢や脳への新たな刺激に加えて、様々な宗教・慣習・肌の色・育ってきた環境の子どもたちが混ぜこぜになった教室が、生徒たちにとってどんな意味を持つのか想像してみてください。もし間違った観点からこの教室に順応してしまうと、色々とややこしい問題が出てきてしまいます。

移民が増えることにより、単一文化社会は多文化社会へと変わっていきます。したがって、子どもたちに寛容さや共存、そして社会や文化を尊重する心を教えるのにこの上ない機会になり得る、と認識することが大切なのです。

ここに、ジグソー法教育が入ってきます。エリオット・アロンソンにより編み出されたもので、教育レベルや学習スタイルが異なるグループへの教育においてかなり良い結果を生んでいます。

有益で効率的、そして実行するのが簡単

ジグソー法とは、協調性を学んでいく方法のことで、その目的は、それぞれのピース(子どもたち)のコンスタントな相互交流や結びつきを通してメインの構造(教室)を強固なものにしていく、というものです。ダイナミックで機能的ですが、シンプルな方法論を持っています。基本的には、共通の目的を達成することを目指し、クラスメート同士が協力して課題に挑めるようなグループをいくつか作ることで成り立つ教育法です。

ここでは子どもたち全員がグループにとっての重要な役割を与えられるため、全員が交流し合い、協力して同じ目標を目指すことで初めて成り立ちます。学校では、子どもたちはそれぞれ異なるステータス(人気者、仲間外れ、嫌われ者、問題児など)を持っていますが、ジグソー法の教室においてそういったステータスは関係ありません。

ジグソー法教室の構造

子どもたちの抱く偏見のほとんどは、学校の管轄外のところからの影響が原因です。しかし、教育者は家庭で形成されたそういった考え方の基盤の上に新たな価値観を作り上げてあげなければなりません。また、それに加えて異文化間の仲介役も担う必要があります。では、どうすればこの教育法をしっかりと機能させられるのでしょうか?

  1. ジグソー法について説明する:子どもたちはジグソー法について理解し、自分たちの役割や目標を把握することができます。また、彼らにやる気を出させ、グループでの交流に必要な基本的な社交力を教えることにもつながります。生徒全員が協力し、全員が同じ方向に向かってボートを漕がなければいけないことを強調しましょう。
  2. 「母船」となるグループを作る:異なる文化を持った4、5人の生徒を1グループとするのがいいでしょう。教師は、学習対象をグループの人数と同じ数のカテゴリーに分けます。例えば、小学校の言語の授業なら、一人は同義語を調べ、一人は反義語、一人は文の単語を並び替え、また一人はその文にふさわしくない単語を解明する、といった具合です。
  3. 「専門家」グループを作る:同じカテゴリーを担当した生徒同士がグループになり、ディベートをしたり自分の意見を述べたりします。先ほどの例で言うと、あるグループはひたすら同義語だけを調べ、また別のグループは反義語だけに集中する、といった感じです。
  4. 「母船」グループに戻る:それぞれのカテゴリーの専門家が母船に戻り、各専門家グループで他のグループのメンバーから学んだことについて説明し合います。
ジグソーパズル

ジグソー法の強み

文化的背景の異なる生徒たちの関係を良くするための従来の方法と比べると、ジグソー法にはたくさんの強みがあります。

ジグソー法は…

  • 生徒たちが批評的に考える力をつけ、文化的な事柄に対する感情を元にした理解力を高めるのに役立ちます。そうは言っても、子どもたちはまだ内に眠るモラル的な側面を呼びさませるほど成熟しきってはいないこともあります。
  • 生徒それぞれのイデオロギー的・文化的な違いを念頭に置いた上で、違った観点から一人一人に接します。生徒の技術も高めてくれます。
  • 生徒同士の思いやりを深め、ポジティブな交流を促進してくれます。また、市民の義務や団結といった感覚も養います。
  • グループでの交流のため、また、意見を断定的でも威圧的でもない言い方で表現するための社交技術を高めてくれる保証があります。
  • 新たな知的スキルを教えるので、思考力や創造力を向上させます。
  • 自立的に学習する方法を教えてくれます:子どもたちが年齢を重ねていくことを考えると、少し自立させてやるのはいいアイディアです。そうすれば、自分自身で決断したり自分の身を自分で守ったり自信を身につけたりできるでしょう。

まとめると、ジグソー法とは、学校において生徒たちが何歳であっても平和的に共存できる環境を作るのにかなり効果的な協調性重視の教育法のことです。

また、寛容さや互いへの尊敬心に基づいた礼儀正しい行動習慣を身につける助けになります。人との協調や社会的慣習と結びついた知的・認知的な成長を促します。