錯誤相関とは?

錯誤相関とは何でしょう? この認知バイアスは、日常生活にどのように影響するでしょうか? 読み進め、探りましょう!
錯誤相関とは?

最後の更新: 18 4月, 2021

周りにある2つの要素を、関係があるかないかにかかわらず結び付けるのが、錯誤相関です。これは、人が置かれた環境で機能するために、脳が情報を処理する方法に基づいて起こる現象です。

周りで見るものに対してあなたがもつ解釈が、現実と完全に合わないことは多々あります。そこで私たちは、完全に自分の経験に基づいた予想をすることがあります。特定の集団に対するステレオタイプや偏見は、錯誤相関の一例です。

錯誤相関

錯誤相関とは?

上でも述べたように、錯誤相関とは、2つの要素にあるかもしれない、あるいはないかもしれない関係の知覚です。これは、個人の経験が、 そうでない可能性があっても2つの物事を相互依存的とする確証バイアスです

特定の関連に関しては、必ずしも個人の経験が直接的なものである必要はありません。つまり、目の前にある要素に関し直接的な経験がなくても、文化的および社会的レベルでこれらのバイアスが促されることもあります。

例えば、タトゥーやピアスのある人を危険だと考えたり、制服を着ている人はきちんと教育を受けた従順な人であると考えることなどがそうです。

錯誤相関の特徴

錯誤相関により、私達は盲目に認知バイアスに従うことが多々あります。つまり、関係のない2つの物事に関係があると強く信じるのです。簡単に言うと、錯誤相関は、特定のメンタルプロセスを単純化し、私達は自分の(直接的あるいは非直接的)経験に基づき行動するようになります。

同様に、社会における特定の集団の行動も単純化され、手元にある情報に基づき行動します。そのため、錯誤相関は、複数の要素の関係を単純化するメンタル・ショートカットのようなものなのです。

社会心理学

社会は、特定のタイプの信念、行動、姿勢に影響を与えます。私達は自分の社会集団の中で最も心地よいと感じながら、何らかの形で行動します

その結果、錯誤相関が、特定の社会的集団への所属感に影響し、時には集団間の差を大きくします。これにより、特定の考え方が、自分の属する集団を支持する理由が理解できるでしょう。私達の心は、自然と自分の集団のポジティブな違いを求めています。

現実の例

このバイアスの例を次にご紹介します。

  • タトゥーのある人と犯罪を関連づける
  • 低所得者は教育を受けていないと想定する
  • 自分とは別の人種、民族の人は危険であると考える
  • 身なりがよく身体的に魅力のある人は、きちんと教育を受けており、お金持ちである

その他の錯誤相関

錯誤相関は、社会集団においてのみ存在するものではありません。何かが一度起こると、錯誤相関により、同じ事が同じようにまた起こると信じるようになります。具体例を次にご紹介します。

お守り

ある人に続けて悪いことが起こったとします。「悪いエネルギー」を取り除く力があるお守りがあると聞くと、そのお守りを購入し「幸運」が得られたと考えたりするのが一例です。

ここで、この人はお守りと悪いエネルギーの阻止を結び付けるようになります。お守りを持っている時に、悪いことがあったとしても、お守りを持ち続ける傾向にあります。

星占い

星占いは、特定の現実知覚のプロセスに影響します。つまり、そこに書かれたことは多くの人に当てはまるものであるため、星占いを信じる人はその言葉を信じる傾向にあります。そして、自分が最も共感できるものに焦点を当て、自分に合わないものは無視します。

錯誤相関

運・ラッキー

お守りと同様、運も錯誤相関に弱いものです。例えば、同じ靴下(ラッキーアイテム)を履いて面接に行く人は、成功と靴下を結び付けています。

また、私達は、不運と特定の服、人、物を結び付けます。錯誤相関は、過去の経験に基づき、特定の人や物に対する私達の行動の仕方において、興味深い視点を与えてくれます。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Mullen, B. y Johnson, C. (1990), Distinctiveness-based illusory correlations and stereotyping: A meta-analytic integration. British Journal of Social Psychology 29, 11-28.

  • Tversky, A. y Kahneman, D. (1973). Availability: A heuristic for judging frequency and probability. Cognitive Psychology, 5, 207-232.


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。