恋愛関係における暴力:負のサイクルを止めるには?

恋愛関係における暴力はどのように発生するのでしょうか? また、これに対してどう対応すれば良いのでしょうか? 本記事では、この種の暴力を紐解くキーポイントを分析し、この問題を長引かせる主な要因を特定していきます。
恋愛関係における暴力:負のサイクルを止めるには?

最後の更新: 10 4月, 2021

カップルは、様々な形で恋愛における暴力性を表出させます。例えば、肉体的暴力や言葉の暴力から性的暴力に至るまで、幅広い暴力のスパイラルに入り込んでしまうカップルもいるでしょう。こうなると、パートナーのどちらかに害がおよび、心身の健康が損なわれる恐れがあります。

普通、恋愛関係は暴力という文脈の中で築かれるものではありません。むしろ、恋愛における暴力というのは時間をかけて姿を表す場合がほとんどです。そしてそれが起こるのは、不平等な恋愛パターンが確立してしまった時、つまり、一方の人物が服従者的な振る舞い(暴力を受けている/被害者)をしがちで、もう一方が威圧的な振る舞いをするようになった(暴力を振るう/加害者)時です。

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恋愛関係における暴力の特徴

恋愛関係における暴力は大抵、両者の不平等性と関連しており、被害者はたいていの場合女性です。この暴力には多様な形態があり、範囲は肉体的暴力や言葉の暴力から性的なものにまで及びます。

性的暴力に遭っている場合、被害者は特に無力感を感じることが多いですが、これは、世間がいまだに恋愛関係にある人同士の性交渉は合意によるものだと解釈する傾向が強いためです。

相手を操ったり支配したりする振る舞いも、恋愛関係における暴力の一形態です。この例としては、パートナーを本人の親類から遠ざける、パートナーの動きを監視する(誰に会いに行くのかをチェックしたり、日々のスケジュールを確認するなど)、収入源を制限する、といったものが挙げられます。

暴力のエスカレーション

ほとんどのケースで、恋愛関係が始まった当初は暴力は休眠状態にあり、その姿を見せることはありません。言い換えると、存在してはいるものの、在り方が異なるということです。氷山の一角が見えているに過ぎないとも言えるでしょう。

暴力のサイクルは普通、3つの段階から成ります。そしてこれらは多くの場合、強度も持続期間も異なります。以下に挙げるのが、その各段階です。

緊張段階。緊張状態を強めるようなほんの些細な事件が2人の間で起こります。これにより、暴力がエスカレートする可能性が高まっていきます。

攻撃段階。これは強度が様々で、緊張が積み重ねられた後に生じます。一方が相手に対して攻撃性を見せている状態です。

ハネムーン段階。この段階では、暴力を振るっている側の人物が自責の念にかられます。そのため、相手に対して愛情を示し、もう二度と暴力的にならないという約束をすることも多いです。

この後は普通、再び緊張と攻撃の段階が訪れ、それがまた加害者が良心の呵責を感じることで終了します。ハネムーン段階では、暴力を受けた被害者がパートナーを許してあげることが多く、相手に対して抱いていた不平不満を引っ込めて、もう一度チャンスを与えてしまう傾向があります。

しかしながら、暴力サイクルを繰り返すたびにハネムーン段階はどんどん短くなっていきます。さらには、緊張と攻撃の段階だけが残るというケースもあり得るほどです。そのため、攻撃者が少しでも愛情を見せると、被害者はそれを自分への見返りのような、背中を押してくれるような経験と捉えてしまいその関係性から抜け出すことが非常に困難になります。

恋愛関係における暴力の発生につながるリスク要因

暴力全般は、多くの場合複数の要因の結果です。これらの要因は、個人レベル、関係性レベル、コミュニティレベル、そして社会レベルの4つのレベルで作用します。このため、社会的・文化的要因が関わってくるので恋愛関係における暴力行為の発生リスクを一概に述べることはかなり困難です。

ただし、人口の全ての層に当てはめることのできる要因もいくつか存在しています。

  • 社会経済的・教育的水準の低さ。
  • 若さ。
  • 家族の虐待歴。
  • 幼少期の性的虐待。
  • アルコールやドラッグの使用。
  • 差別的なジェンダー規範。
  • ジェンダーに基づく暴力への刑罰の軽さ。
  • パーソナリティ障害(特に、女性に見られる依存性パーソナリティ障害)。

恋愛関係における暴力が子どもに及ぼす影響

暴力は、子どもが関わっている場合により深刻な影響を及ぼします。暴力を間近で目の当たりにした子どもは、不安障害や心的外傷後ストレス障害、うつ病といった気分障害を患う可能性があるのです。影響は必ずしも感情的側面だけに現れるとは限りません。両親間に暴力が存在すると、学業成績の問題や身体の健康問題も生じる恐れがあります。

さらに、このような環境で育った子どもの方が、自身も大人になってからパートナーに対して暴力的に振る舞う可能性が高くなります。もう一つ興味深いのが、思春期の恋愛においても暴力行為の存在が見られることです。事実、この現象は頻繁に観測されています。

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恋愛関係における暴力の発生を防ぐには

まず、社会がこの問題にもっと目を向ける必要があります。また、恋愛関係における暴力の様々な発生の仕方を認識しておくことで、暴力を減らすことができるかもしれません。概して、暴力を防ぐためには以下のような戦略を実行することが可能です。

  • 恋愛関係において起こり得る様々なタイプの暴力について子どもたちや若者たちに伝え、意識を高めるためのキャンペーン。
  • 若い女性や思春期の女性をエンパワーするためのキャンペーン。
  • 家庭内暴力に介入するための学校プログラムの作成。
  • 恋愛関係における暴力に関する学校用教育資料の準備。

暴力の予防は、そこに家族や社会的環境が関わってくる場合にとてつもなく重要です。さらに、ジェンダーの問題について教育するプログラムも、子どもたちにこういった暴力が普通のことだと認識させないためには同じくらい大切です。もちろん、最も重要な予防形態が必ず教育から始まるということは言うまでもありません。これにより、全ての人が効果的な交渉・コミュニケーションの形を学ぶことができます。つまり、こういった教育を受けた人々が暴力を意思伝達の代替手段として用いることはなくなるということです。