心身症とストレス

18 2月, 2020
ストレスがかかる状態が続くと心身症の症状が出始めます。また、緊張状態が続くと、体の様々なシステムに影響を及ぼします。心身症とストレスの繋がりについて学びましょう。

今回の記事では、心身症とストレスについてお話します。ストレスと呼ばれる過活動状態を経験したことがない人はいないでしょう。不快な感覚が連想されがちですが、実はストレスにもメリットはあります

しかしストレスが大きい、または長く続く時、ストレスは逆効果になります。ストレスと精神障害の関係は、様々な研究の対象となっており、精神障害の症状はストレスからきていることが分かっているのです。

心身症 ストレス

 

ストレスとは?

マドリード自治大学のJ.Carrobles教授はストレスを次のように定義しています(1991)。

「ストレスは、過剰と思われる様々な状況において人が経験する過活動が続く状態である。制御や社会的支援リソースが乏しい状態で起こる。」

ストレスという言葉には2つの意味があり、それを知っておく必要があります。その2つとは、「不快なストレス」と「快ストレス」です。

  • 不快なストレス-ストレスが病的で極端な状態で、異常な反応が出ます。
  • 快ストレス―適度で必要なストレスです。ストレスは軽い、最適、重いのいずれかに分けられ、それによって不快なストレスにつながることもあります。

 

ストレスと不安の違いは?

ストレスと心身症の関係を理解するには、不安との違いを知る必要があります。それは、この2つへの体の反応が似ていることがあるからです。

不安は危険と関係します。危険には、本当の危険である場合と、人の解釈による危険の場合あります。ストレスのかかる状況は、不快であったり危険であるとは限りません。本人がその状況を危険だと捉えない限り、対処は比較的簡単であるため、普通はそこから逃げることはありません。

一方で、不安に直面した場合はそこから逃げようとするのが典型的な反応になります。そして不安―回避―不安のメカニズムに陥り、これが続きます。何かを危険だ、害があると感じると、逃げるという反応をするのが論理的でしょう。危険があるならばそれから自分を守るツールが必要になります。私達が普段このような自己効力感をもつことはほとんどありません。それは、自分は闘うことができないと思う時にのみ、その対象に対し危険だと感じるためです。

さらに、ストレスが害のある影響をもたらすのは、それが何度も続く場合です。不安の場合、例え短時間であっても害が及びます。それは、短い間に人の社会的・感情的機能に影響が出るためです。

 

心身症とストレスのつながり

「ホメオスタシス」という言葉は、「ホモ」=「戻る」、「スタシス」=「バランス」という言葉でできており、体のバランスを戻すことを意味します。人間には、体内環境とバイタルサインがあり、バランスをとろうとする傾向があるのです。人に生じた不均衡を解決するためにそれぞれ活動します。

しかし、ホメオスタシスが満たされていない時、人はストレスを感じます。自動で動かず意識的に何か方策をとる必要がある場合、バランスの取れた状態に戻らないことがよくあります。この不均衡の状態は「ホメオキネシス」と呼ばれます

 

ストレスへの身体生理的反応

ストレスがイライラ、無関心、不安、怒りにつながることがあるのは明らかですが、自分では気づかない身体生理的、体の反応にもつながりかねません。これは、ストレスと心身症の関係において非常に重要です。ストレスのかかる状況で何度も繰り返しこれが続くと、心身症などの症状が出始めます。

ストレスのかかる状況に対する身体生理的反応には、自律神経系や中枢神経系などがあり、これらは様々な身体システムの結果により生じます。

 

体性神経系

ストレスへの身体生理的反応では、体性神経系が電気的反応をつかさどっています。これは目の動きや呼吸などの骨格筋による電気的活動です

また、ストレスがかかる時には背中、腕、足などの大きな筋肉群に血流が増えることがあります。さらに、筋緊張が起こることもあります。

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自律神経系

ストレスに対する自律神経系の反応は、心拍、血圧、血流などの心臓血管系と関係します。また、自律神経系は肌の電力レベルや電動反応と関係する体温、性的興奮、皮膚電位反射を調整します。さらに、唾液の分泌や胃腸の反応もつかさどります。

そのため、ストレスを抱える時、心拍や腎臓の動き、手足の末梢血管収縮の増加が起こり、さらに血栓ができる要因にもなります。

 

中枢神経系

中枢神経系の反応には、脳波の反応と誘発反応があります

さらに、内分泌系や生化学系から生じるストレスにも反応します。これらのストレスは様々なホルモンの変化につながり、初めは免疫が高まりますが、その後低下します。

 

ストレスを前にして、不活化される体のシステム

不安と同様、不要であるためストレスへの反応として不活化される体のシステムがあります。これは不安の攻撃に対する特別な反応で、これらのシステムは不活化あるいは再度活発化されます。しかしストレスが続く状態ではそれが人の健康に悪影響をもたらすことがあります。

例えば、消化管への血流が下がることで、潰瘍、大腸炎、過敏性腸症候群などの問題が生じることがあります。また、生殖器にも影響があり、ストレスが性欲の喚起、勃起、潤滑における不全につながりかねません。

 

ストレスにによる心身症の発症

心身症は、心理学的起因による生理的症状です。ストレスは原則として、人の肉体的な健康には影響を及ぼしません。しかし、非常に不快な病気や症状につながることがあります。

これは「心」が体の健康に影響することを証明しています。これを信じたくない人も多くいますが、両者はつながっているのです。

前にも言ったように、ストレス自体は悪いものではありません。ただし、それが不快なストレスに変わり、次のような特徴が出始めると、精神心理学的な健康に影響が及んでいる可能性があります。

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ストレスによる心身症の発症に関連する要因

ストレスや心身症と関わる要因には、次のようなものが挙げられます。

  • ストレスのかかる状況や刺激への頻繁あるいは長期的曝露。ストレスのかかる状況から逃れようとしなかった場合、状況は悪化します。素早く問題を解決しない、または、避けることがでないストレスのかかる状況にい続けることは、心身症を発症する第一ステップです。
  • ストレスに直面した人のある特定の生理学的活動パターンの長期化。人それぞれストレスに特徴があり、生理学的活動も人とは異なります。それへの反応によって心身症の症状も異なります。
  • ストレスに直面した時の過剰な生態的活動や感作。完全にストレスのかかる状況にいると、体は通常ストレスに敏感になります。そして、さらにストレスを受けやすくなります。
  • ホメオスタシス調整機能の変性。一度一定のストレスレベルに達すると、変性が起こりやすくなります。これは、問題を起こす刺激への耐性が低くなるためです。
  • 生態系の機能の慢性的変性。ストレス性症状、精神生理学的症状、心身症として現れます。

 

心身症とストレス-補助的・緩和的リソース

ストレスのかかる状況から抜け出せず、何度も体験しなければならないことも多くあります。一方で、ストレスと心身症の関係を避けるためにストレスを低減させるのに役立つリソースもたくさんあります

次で、続くストレスに有効なリソースをご紹介します。

  • 社会的ネットワークや支援(家族、友達、同僚)。社会的リソース、社会的関係、特別な社会的条件に注目しましょう。社会的ネットワークや家族の繋がりの強さは、ストレスの結果から自分を守るリソースです。
  • アクティビティ・運動
  • 趣味
  • 文化的活動
  • 抗うつ効果のあるトリプトファンの豊富な野菜や果物を食生活に取り入れましょう

ストレスと心身症の関係ははっきりしています。避けることが可能なストレスのかかる状況において健康を損なうことがないよう、ストレスのかかる期間のみだけでなく、常にホメオスタシスを保って自分の体に責任をもちましょう