バランスの取れた思考:世界と調和をとる考え方

· 2019年5月3日

バランスのとれた考え方をすることで、多くのフィルターを通したり歪めたりすることなく世界を考えることができます。さらに、自分に忠実になって、偏見に惑わされないように助けてくれます。認識の歪みを多く抱えずに思考することが可能になるのです。このようなアプローチを受け入れ、練習することで、悩みの種となる不安や負のスパイラルなどの多くのネガティブな要素を排除することができるようになります。

「バランス」という言葉を聞くと、様々な意味が頭に浮かぶと思います。その内の1つの意味は、誰かが空中で綱渡りをしながら落ちないようにしている、典型的なバランスのイメージであることには間違いありません。その人は落下して死なないように、技術と忍耐を駆使して1センチずつ前に進みます。しかし実は、その人のバランスというは足の中ではなく、実は頭の中にあります。実は、この考え方はとても的確なのです。

「幸せは強度の問題ではなく、バランス、秩序、リズム、調和の問題である。」

-トマス・マートン-

日常生活の中で、これと同じような状況に立たされることは多々あります。現実というのは時に、混沌として厳しく、複雑で、苦痛を伴うことすらあります。人は曲芸師なのです。なぜなら、人生とは綱渡りであり、コントールを失わないように、バランスを取らなくてはいけないからです。これを達成するためにはバランスのとれた思考を用いることが大切です。それにより、感情が安定するのです。そして、「足」が、具体的な目的を達成するための正しい方向をむいてくれます。

しかし、バランスのとれた思考を身につけるのは簡単なことではありません。人間の脳内の時間は、多くの場合、無意識的かつ自動的なプロセスを通して機能しています。このような精神上の短縮作業は、多くの偏見や制限的な態度、凝り固まった考えなどを生み出し、時に極端な結果に繋がります。だからこそ、自分自身をコントールして、柔軟性や、(ほぼ)すべてを整理してくれるちょうどいいバランスを見つけなくてはいけません。

綱渡りする女性

バランスの取れた考え方:不確実な中でも落ち着きを保つ

数年前、ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターにて、興味深い研究が行なわれました。実験では、うつ病と強迫神経症(OCD)の患者が集められました。そして、これらの患者は1年間のメタ認知能力トレーニングのプログラムを受講しました。このプログラムの目的は具体的かつ明確でした。それは患者に不確実性への耐性を付けること、認知的なゆがみを減少させること、自分の考えを反省させること、そして論理的思考のプロセスを改善させることでした。

この実験の結果は非常に効果的で、多くのケースにおいて、投薬量が減ったと言います。これら全てのことから、「良い思考が良い人生をもたらす」という古典的なフレーズを結論づけることができるでしょう。つまり、バランスの取れた思考とは、自己探求のための非常に便利な道具であり、人をブラックホールに堕ち入れる精神パターンの対立を助ける薬となるのです。では、どのような内的プロセスが人生の質を落とす傾向にあるのかみてみましょう。

人の思考の多くは歪んでいる

不安や繰り返される心配、恐怖心などはネガティブな感情によって引き起こされます。将来起こることや過去の過ち、想像できる最も最悪なことに囚われてしまうことによって、人は気付くことなく、ネガティブな感情に支配されています。このような認識パターンは多くの場合、洗練されていて無慈悲な精神工学に基づいています。これが歪んた思考なのです。これらの中で、人は日常的に以下のようなことに囚われてしまっています。

  • フィルタリング:ネガティブな内容の詳細に注意を向けるあまりに、ネガティブな感情を増大させてしまっている。
  • 二極的思考:現実において、中立的な考えをしない。全てが良いか悪いか、黒か白かというように二極化してしまう。
  • 過剰な一般化:最小かつ全く重要でないものから、途方もなく劇的な結論を推論してしまう。
  • 破滅的な視点:良いことが何も起きないと思ってしまう。何をしても、全てが間違っていると考える。
  • 個人化:偶然の出来事や自分のすること、考えること、他人に言うことなどが全て自分と関係があると思ってしまう。
  • 感情的推理由付け:自分の思ったことが自分を定義すると考える。自分がダメな人間だと感じるのは、本当にダメな人間だからだと考える。
混乱する女性

これらの思考パターンを考慮に入れた時、中にはそれを直すために何をすれば良いのか疑問に思う人もいると思います。思考を反対方向に向け、「ポジティブな考え」を始めれば良いのでしょうか?奇妙に思えるかもしれませんが、それでは解決することができません。極端に前向きになることを実践したり、「全てが上手くいく」と自分に言い聞かせても意味がありません。

そのような思考を実践したとしても、それは歪んだ思考にほかなりません。つまり、善悪のみを考えるような極端なことではダメなのです。「バランスの取れる人」とは、常に冷静で、一歩ずつ踏み出します。そして、自分自身に対する責任を全て負っています。彼らは注意力と客観性をもってして、周囲を見渡しているのです。

バランスの取れた思考の実践方法

日常生活において、バランスの取れた思考を実践することの効果は、ストレスや不安、鬱に陥るリスクを減少させるだけではありません。バランスの取れた思考は偏見、利己主義、狂信を避けるのに役立つため、共存性の改善にも繋がります。

バランスの取れた思考は、充実した人生の妨げとなる内なるトラップを取り除くのに役立ちます。それでは、このような思考の使い方を以下で学んでいきましょう。

人生とは自転車に乗るようなことだ。バランスをとり、進み続けなくてはいけない。」

-アルベルト・アインシュタイン-

本の円の中の男性

バランスの取れた思考を実践するためのキーポイント

まず最初のステップは冷静さを保つことです。自動的に生きることに慣れてしまっているため、時に人は生き急いでしまうことがあります。このような生活は、「不安定な」思考を引き起こしてしまいます。つまり、論理的に考えないこと、そして反省することも見ることも感謝することもなく流されてしまうことです。スローダウンしてください。静かで穏やかな瞬間を過ごしましょう。

  • 2つ目のステップは憶測を立てないことです。これを達成するのは少し難しいですが、人を即座に判断したり、レッテルを張るのを避けるようにしましょう。確かに、即断やレッテルによって、物事を早く済ませることができますが、その分誤ちを増やすことになってしまうのです。
  • 自分を妨害しない。現実の歪んだ部分、そして常に被害者になることに「ノー」を言いましょう。自分自身を尊重して、自尊心や自信を身につけましょう。そうすることにより、閉じたドアの向こうにあるチャンスを獲得することができます。
  • 不確実なことを受け入れる。バランスの取れた考え方では、将来起こる全てのことが悪いことではないと分かっているため、不確実なことへの耐性ができます。そうすれば、起こりうるどんなことに対しても、正しく対処することができます。
  • 現実を歪めず、物事をその物として捉える。自分の望むようにしようと執着してはいけません。物事を受け入れ、より謙虚になるのです。
  • 他人をより信頼しましょう。自分と違う考えを持つ人を排除してはいけません。そして、人と優劣を比べないようにするのです。他者を受け入れることを練習し、過去の恨みは捨て去りましょう。

このように、バランスの取れた思考を毎日の生活の中で実践するのは簡単なことではありません。しかしそれにより、自分自身を再構築し、壁を壊し、アプローチを正し、「自由」をより獲得することができるようになります。日々の練習の中で、このような目的を持ち、穏やかさや受容性、そしてバランスの取れたアプローチをより実践する術を学んでいきましょう。