あえての沈黙: 相手を支配する方法

· 2018年1月26日

あえての沈黙は、他の多くの行動と同様、受動的な攻撃であると言えます。計算された沈黙でコミュニケーションの主導権をにぎることで、相手や相手の立場をコントロールしたり、弱めたりする目的があります。常に言葉で人を操るのではなく、沈黙を使って操ることもあるのです。この戦術は、カメレオンのように変化自在の仮面があるならば非常に大きなダメージを与えるものになります。

「あえての沈黙」と呼ぶのは、誰かがあなたの話を聞かないふりをしたり、話しかけるのを止めたりすることですが、継続的ではないからです。この種の操作には、接触と離反、表現と表現の欠如が混ざっています。これらは全て独断的に行われ、支配する方が自分の利益になるようにコミュニケーションのリズムを決め、支配される方はただの道具にされてしまうのです。

「時に沈黙は、最悪の嘘である」

-ミゲル・デ・ウナムーノ-

沈黙自体があいまいな表現の一つなので、ふつう被害者は非常に混乱したり、苦痛に感じたりします。結局のところどう考えてよいのか分からず、一つ一つの沈黙の意味をさぐろうとして多くの時間や感情のエネルギーを費やし、どう反応するにしても不安や迷いを感じるのです。そして多くの場合、自分に問題があるのではないかと思ったり、そういった沈黙に大げさな意味を持たせてしまいます。

あえての沈黙はどんな時に使われるのか

あえての沈黙は、様々な形で使われます。よくあるのが、支配する方が相手に先にしゃべらせようとする時です。これは礼儀からのものではありません。単に相手のことを調べるため、相手の情報を得て分析するために、先にしゃべらせるのです。ただし、相手に先に話させる人がすべて支配しようとしているわけではないので注意が必要です。問題なのは、頻繁あるいは継続的、意図的に、そうするべきでない時にこの行動をとる場合です。その人は自分のことはほとんど話さないか、あいまいに話すでしょう。

切り込みから覗く女性

他にあえての沈黙が現れるのは、突然誰かがコミュニケーションを途切れさせ、また不意に再開する時です。理由なく電話やメッセージに応じなくなり、しばらくした後、何事もなかったように連絡をとり始めるのです。そしてなぜ連絡が途切れたのかを質問すると、別に何でもない、気のせいだろうと答えるでしょう。

また、何か特定のテーマに理由なくタブーのようなものが存在する場合に、あえての沈黙が使われます。何かについて話そうとした時、相手がその件を避けようとしたり、詳しいことを話したがらないのです。これはもちろん、双方に重要な問題の場合に使われます。誰かが何か特定のことを話したがらないことが困るのではなくて、とにかく頭からそのテーマが避けられ、相手に影響があると知りながら避ける理由を知らせないことが問題なのです。

最後に、あえての沈黙が非常によく使われる場合として、おそらく相手にとって知らない方がいいだろうと思うことを話さない、という時があります。これは、その情報を隠されている人に直接的に関係がある件の場合に使われます。これをスペイン語では「重要人物のふりをする」ということもありますが、確実に間違った呼び方です。

言葉は力であり、沈黙も然り

あえての沈黙と自然な沈黙との違いは、そこに意図があるかどうかです。言葉のないところへ逃げる戦略を使う人は、相手をコントロールするという目的を持っています。不可解さを生み、不安を作り出すと知りながら、まさにそれを意図しています。沈黙に隠れることによって、相手に同じ条件で行動するツールを与えないのです。

ピンクの手で目隠しをされる男性

あえての沈黙と内気さを混同してはいけません。誰もが自然にコミュニケーションをとるのがうまいわけではありません。自分の考えていることや感じていることを表現するのに、時間や理解が必要な人々もいます。内気であったり、不安があったり、信頼関係の欠如によって話さないこともあります。しかし、その目的は他人をコントロールすることではなく、どちらかと言えば自分を守るためなのです。

あえての沈黙は、相手に与える影響で見分けることができます。表面的には「普通」のコミュニケーションと交互に現れます。何かを隠しているように感じられる、言葉の不在です。微妙なものなので対峙するのは難しく、考えすぎだとか妄想だとかと言われてしまえばそれまでです。しかしいくら微妙なものだといっても、人間関係に多くのダメージを、特に沈黙を受けた人に与えます。

この種の沈黙は非常に攻撃的になりえますし、コミュニケーションを泥沼にはめてしまうことを思えばなおさらです。誤解や推測は、日常茶飯事です。あえての沈黙の悪影響は確かですが、悪意があるかどうかはほとんど明らかになりません。もしも相手にその沈黙を指摘した後も、この有害な行動を止めない場合は、直接はっきりと拒否し、距離を置くしか方法はありません。

画像は、パブロ・デクアドロ (Pablo Thecuadro)さんのご厚意により使用させて頂きました。