怒りは自分をコントロール出来ない時に現れる
怒るという行動が、常に悪い行動だというわけではありません。その他の感情と同じように理由があるのです。ですが、制御できる怒りと激怒することの間には明らかな違いが存在します。
これから私たちが持つ第二の顔、負の側面についてご紹介します。それは私たちが持つ最も暗い側面です。私たちが怒る時、外部の刺激を受けることで自発的に「怒る」という行動をしています。つまり、自分でコントロールし、避けることが出来るものなのです。誰かがあなたを怒らせているのではなく、自分の意志で怒っているのです。
怒りが激怒に代わると混乱を招く
いつもなら可能な感情のコントロールが出来なくなり怒り始めると、ポジティブな考え方も出来なくなってしまいます。感情を制御することを諦め、怒りにまかせてしまうことは問題なのです。怒りに支配され、怒っている理由さえも分からなくなってしまうのです。
理性を曇らせてしまうほど混乱し、自分を見失い、的外れな方向へと進んでしまいます。終いにはなぜ怒ってたのか、何が気に食わなかったのか分からなくなるのです。怒りが感情を支配することが、失敗したり、間違いを起こす原因となります。
怒りは脳を支配する強烈な感情だ 怒りに囚われると記憶が再編成し、何が理由でそうなったのかを忘れてしまう
―ダニエル・ゴールマン―
思っている以上の事を言ってしまったり、してしまったりしたことに対する後悔という失敗をおかします。その失敗は傲慢と自分勝手さ(人の話を聞かず自分の事ばかりを考える)から生まれます。怒りは、なぜそうなったのか、どうやってそこにたどり着いたのか分からないまま、思ってもいない結果へとあなたを導きます。しかもそれは、あなたが決して望んでなどいない結果なのです。
他にも道があるかも知れないという可能性を信じる
ではどうすれば良いのでしょうか? 怒りの負の側面を消し去るのは難しいという事実を知るにつれ、この疑問が沸きあがってきます。
まず、起こってしまった出来事に対して、違った反応をする事が出来るという可能性を考えてみましょう。ある厳しい状況下(例えば絶え間なくストレスが降りかかるなど)では、たいていの人が怒りだします。このような状況にいる時もそうでない時も、こういった困難に対峙するための心と感情の準備を整えておきましょう。
そのためには、いつどこで、何が起きて自分を変えてしまうのか全く予想がつなかないという事を知るのが大切です。その可能性を受け入れてください。常に口論は存在し、そこに巻き込まれるといら立ちを感じるものです。
敵がやって来ないと思うな 敵を待ち構えておくのだ 攻撃されると思うな 攻撃されても打ち勝てると信じるのだ
―マチルデ・アセンシ―
自分の最も弱い部分―あなたを傷つける物事―を知っておくのは、怒りをコントロールしなければならない場面で助けになります。何かに書いてみたり、ヨガなどのテクニックを使って怒りを吹き飛ばす、またはそこにユーモアを見出したり物事の視点を変えるなどして怒りに対応するということが出来ます。
コントロール可能なのにコントロール出来ないという矛盾
前述したように、他人との争いで自分をコントロールするのが難しい時があります。しかし、怒りをコントロール出来るのは自分だけです。それなのに、みんなそれぞれ自分自身の感情や行動の持ち主でありながら、それをコントロール出来ずにいるのです。
一方で、中には他の人以上に怒りの反応が激しい人がいるようです(怒鳴る、顔の表情や行動に出す、すぐに悪口を言うなど)。また、妬みなど、その他のネガティブな感情を表現する時に、怒りという感情で表現することもあります。
態度は、生きている中で制御できる数少ないものの一つである。そうでありながら、大抵の人間はそれを全くもって制御しようとせず、感情のままに生きている。皮肉なことである。
―ジム・ローン―
誰でも間違いをおかします。怒りは自然な感情ですが、それをコントロール出来れば、誰かに振り回されることがなくなります。一番良いのは、怒りやそれを作り出す状況を避けることです。