子どものメンタルヘルスへの親の影響

2019年1月8日

時に、家庭環境が苦しみ以外の何も生み出さないことがあります。親が子どものメンタルヘルスに影響を及ぼしてしまう場合です。子どもをストレスの多い環境に置いて、ばかにしたり、不安にさせたり、どうしようもなく感じさせたりします。このような経験は困難で、影響は大人になってからも続きます。

オスカー・ワイルドは、閉ざされたドアの向こうで何が起こっているかは誰も知りえないと語りました。ドアも窓も閉ざされた家庭というのは、恐ろしことが起こるのに最適な場所となり得ます。母親、父親、他の家族が、社会には気づかれていない見えない問題を形作ることがあるのです。

さらに、これは子どもに大きな影響を及ぼします。ロチェスター大学のメディカルセンターのアン・マリー・コン教授がこの現象を研究しています。機能障害的な育ちの影響とそれによる心理的な損害は、次の世代まで持ち越されることもあります。

別の言葉で言えば、愛情不足、虐待、肉体的・心理的暴力、または子どもの心理感情の発達に影響するあらゆるトラウマには、連鎖的な影響があります。トラウマは、メンタルヘルスに影響を及ぼして、脳の発達を変えてしまいます。これによって、自分自身が子どもを育てる番になった時に影響を及ぼす心理的障害を起こしてしまうことがあります。

「メンタルヘルスに関しては、かなりの注意が必要です。それはタブーとされていますが、直面して対処するべきです。」

-アダム・アンツ-

テディベア
親が子どものメンタルヘルスに影響を及ぼすとき

親は子供のメンタルヘルスに影響を及ぼしかねません。ポジティブな感情的発達と良い自尊心を育てる安定した家庭環境は、長続きします。このタイプの育て方では、子どもに素晴らしい心理的な能力を持った大人になる機会を与えることができます。一方、波乱に満ちたトラウマ的な育て方は、子どもの心理的健康に深刻な影響を及ぼします。

さらに、子どもに見られる感情的・行動的問題の主な原因は、家庭形態や環境にあることがわかっています。「Journal of Family Psychology(家庭心理ジャーナル)」が発表した研究では、お尻を叩くような簡単な行為だけでもネガティブな影響があることを議論しています。

間接的にまたは直接的に攻撃的なジェスチャー、言葉、ふるまいは、どれも爪痕を残します。子どものふるまいを変えて、子どもの脳に大きな印象を残します。このような環境や有害なしつけ法(お尻を叩く、攻撃的なコミュニケーション、権威主義的な世話)の中で子どもが育つと、その子供は次のようなふるまいや特徴を見せます。

  • 低い自尊心。
  • 自分の欲求は重要でないと思いこむ。
  • 感情を表わすことはネガティブで間違っていると思う。
  • こういった家族の形態(暴力的、虐待、敬意の欠如)を普通で許されるものとして許容する。
悲しみ

このような文脈で生きることは、どんな経験も傷痕を残してしまうということを意味します。もちろん、子どもの頃の辛さを乗り越えて、健全に不安のない生活を送る人もいます。しかし、多くの人はもっと影響を受けやすく、これらの経験はメンタルヘルスに多大な影響を及ぼします。掘り下げてみましょう。

親が子どものメンタルヘルスにどう影響するか?

トラウマ的な子ども時代の名残は、大人になってから慢性的なストレスとして見られます。

慢性的なストレス状態

不安定な環境で子どもが育つと、ストレスを感じます。世話をしてくれる人への愛着がなく、不安や愛されていないように感じながら育つことは、かなりの不安へつながります。このようなストレスは、初めは急性的なものです。しかし、時間が経つにつれてこれが半永久的になってきます。

慢性的なストレスは、脳の機能を変えてしまいます。注意力と記憶に影響します。そして、過剰活発や感情制御の幼稚さとなって現れます。

共依存関係

冷たい愛のない家庭で育つことで、人は強い感情的な関係を求めるようになります。認められていて安心したいと感じます。しかし、このような絆を失うことに常に恐怖を感じているため、強迫的姿勢を見せます。さらに、あまりにそれを恐れることで、簡単に共依存関係に陥ってしまいます。

親は様々な形で子どもたちのメンタルヘルスに影響を及ぼします。子どもたちが育てられた環境が、その人の人生やどんな大人になるかに影響することを理解しなくてはいけません。このことに注意して、ポジティブな姿勢と言葉を使った、より良い子育てを目指すべきです。

半永久的な不安症と無力感

安全と思いやりある家族の安定感なしに育つことは、将来に影響します。自分のアイデンティティーを育てる環境に欠いていると、深刻な心理的欠乏を抱えて育っていくかもしれません。無力感を感じて、自尊心が育たないかもしれません。そのため、慢性的な悲観主義と不安症を抱えた人間に育ちます。

学習性無気力症も、よく見られる心理的現実です。何をしても物事を変えることは出来ないと思うことです。自分の人生に何のコントロールもないと感じます。

トラウマ的な過去を「隠す」心理的傾向

精神がトラウマの重荷に耐えられないことがあります。トラウマに影響されずに毎日をやり過ごすために、心理的なメカニズムを利用することがあります。これによって、しばらくはきちんと機能することが可能です。しかし、心理的な障害の発症につながることがあります。

よく見られるのは、アイデンティティー、記憶、環境の認識に影響する解離性障害です。PTSDのよくある二次的な症状です。解離性障害の根はトラウマにあると言ってよいでしょう。

森

様々な形で、親は子供のメンタルヘルスに影響を及ぼします。ブラックホールから抜け出すためには時間以上のものが必要です。たくさんの勇気と助けも必要なのです。プロや専門家の助けを得ることも、自分の人生をコントロールするのに役立ちます。トラウマ的な過去があっても、健全で凛とした満足のいく人生を送ることは可能なのです。