パートナーとうまく議論する方法
恋愛関係というものは複雑です。2人の人間が愛し合う社会的関係ですが、2人はすべてに同意するわけではありません。一緒に住み、何らかの妥協点を見つけなくてはいけません。
パートナーと議論になるのは、おかしいわけでも珍しいわけでもありません。危機の象徴でもありません。全く口論をしないが、長く冷戦状態にあるカップルがいます。あるいは逆に、かなりの頻度で口論をしているカップルもいます。しかし、このようなカップルは精神的に健康なカップルでいるための側面を無視していません。
さて、自分の権利、興味、意見を表現する様々な方法があります。しかし代償を考えずに、自分が正しいことだけを証明しようとする罠にわたちたちははまりがちです。
議論や言い争いは、最終的に生産的な結果を生み出さないテニスの試合のようになり得ます。どちらの当事者にも何もポジティブなことがありません。お互い疲れて会話を終わりにします。その時、ちょっと苦い気持ちになって、一番寒い日に寒さがしみ込んでくるように感じます。
なぜカップルで暮らすのは難しいのか?
うまくいかないカップルにはパターンを見つけることができます。うまくいかないカップルを特徴づけるこれらのパターンは、エゴやプライドに関係していることが多くあります。このプライドのお陰で、負け戦に陥ってしまうことがあります。戦う価値があるかどうか自分自身に問うてみてください。
プライドのお陰で、疑惑の脅威から自分を守るため爪を立てます。現実と比較してしてみると実際は脅威ではないため、疑惑、としています。実際に目の前にいるのは、あなたが愛し、また愛情を返してくれる人です。
わたしたちは偏見にゆがめられた形で状況を認識します。そして、相手が自分を傷つけようとしていると信じてしまいます。それに即して応じます。そのため、状況を回避し向き合うことを拒んだり、相手に攻撃することを選びます。
心の奥底には恐怖が潜んでいます。相手に受け入れてもらえない恐怖や、間違いを犯してしまう恐怖、認めてもらえない恐怖、考慮されない恐怖、大事にされない恐怖などです。
パートナーと一緒に暮らすことが困難になる理由は、対立の解決の仕方を理解していないことにもあります。どちらの当事者にも実りのある合意に至るにはかなりの努力が必要です。この困難の認識を強めてしまうのが、好ましくない状況が続くことへの恐怖です。これはわたしたちのプライドを危険にさらします。そして、わたしたちは自分の個人的な統合性を守るように怒りを利用します。
長期的には、人間関係の中で自分に重荷を課すことになります。特に恋愛関係においてはです。言い争いは疲弊して飽きるまで相手を消耗させます。パートナーや言い争いを恐れるようにもなるかもしれません。
非難、いつも正しくいたいという姿勢、大げさな論争、同意方法を知らないことは、人間関係を悪化させます。解決しようと思ったときには、たいてい時すでに遅しという状況に陥っています。
これをぐちゃぐちゃになった紙に例えてみましょう。はじめのように滑らかにしたいと思っても、それは不可能だとわかります。いくら一生懸命それをまっすぐに戻そうとしても、かけた圧力によってできた小さなしわを残してしまいます。
いつ言い争ってもいいのか?
言い争いは普通のカップルの関係の一部です。そこから逃げるのは都合よくありません。あなたの関係は言い合いのお陰で成長することもできるということを覚えておいてください。それに合わせ、発展していく方法を知っている限り、成長できます。
言い争っているかいないかは、どう言い争うかほど重要ではありません。つまり、お互いに何を言うか、どのように言うかのほうが大事なのです。
対立状況に陥った時に取るべきステップ:
まず、愛情を持ち続けましょう。あなたはパートナーを愛しているということを忘れないでください。パートナーは急に敵になったり、あなたを傷つけようとすることはありません。少なくとも、たいていの場合はそうです。そして、もし相手があなたをわざと傷つけようとしているかもしれないと気づいたら、その状況から逃げ出す必要があります。
でも、もし普通のカップルの議論だとしたら、愛情を持ち続けましょう。敬意を持った言葉を使い、思いやりを持ちましょう。意見が合わないこともありますが、次のように言うこともできます。「私はちょっと違うと思うな。」「家のことをしてくれないのが嫌だと思うこともあるの。」
共感を見せましょう。相手の立場にたったり、相手の人が考えるように考えてみるようにしましょう。相手の物の見方に同情するわけではありません。なぜそのような見方をするか理解することが大事です。相手もわたしたちと同じように、自分の好きなように考える権利があることを理解しましょう。相手の人にはそうする理由や動機があります。包容力と理解力があれば、広い心でいられます。
自分の考え方を表しましょう。わたしたちは、他人を判断し、「あなたは」という言葉で議論を始める傾向にあります。次のような表現がよくつかわれています。「あなたは私を怒らせる。」「あなたはやろうともしない。」「あなたは怠け者だ。」非難の矛先を相手に向けるのをやめて、自分の感情の責任をとりましょう。
イヤな気持ちになっていたら、それはわたしの問題です。自分の脳内に自分をイラつかせる考えが浮かんでいるだけです。だから、自分の気持ちを正しく表現すると、「~と感じる」です。例えば、「自分の服をあなたが片付けないといらだちを感じてしまうの。」ということができます。
非言語コミュニケーションも重要です。紹介したような言葉には、すべて非言語コミュニケーションが伴わなくてはいけません。皮肉っぽく「ハニー」と言ったり、歯をむきながら「~と感じている」と言っても意味がありません。信じられなければ効果がありません。自分が思っているような脅威には直面していないのだから、リラックスしましょう。リラックスとは、つまり受け入れの姿勢で、アイコンタクトをとり、ゆったりとした声のトーンでいることです。
「正しく」議論することは、コミュニケーション的知能の問題です。また、セルフコントロールの問題でもあります。これらの材料に愛を加えれば、言い争いは戦争に発展しなくて済みます。議論はあなたの関係の基礎をぶち壊すわけではないのです。