性別を抜きにして子供を育てるということ

性別を抜きにして子供を育てるということ

最後の更新: 28 8月, 2019

あなたは自分の息子にピンクの服を着せて学校に行かせますか?または、お人形遊びをさせたり、バレエのレッスンを受けさせたりしますか?自分の娘がラグビーをしたいと言ったら応援しますか?もし娘が自動車の整備士になりたいと言ったり、髪をものすごく短くしたいと言ったらどうしますか?

多くの人にとって、こうした質問にどう答えるべきかは理論的には容易だと考えていますが、本当のところは自分の子供にはそのようになってほしくないとまだまだ願っているところがあります。性別の定義というのは、色やダンスや、スポーツ、または着る物によって変化してしまうような貧弱なものなのでしょうか?

 

多くの人にとっては、そのようです。男の子に至っては特にそうです。フェミニズムが進んだことによって、かつて男性のものと思われていた行動は現在、女性にとっても至って普通のものになりました。まだまだ改正が必要な点もありますが、投票したり、ズボンを履く事、そして働く事は女性にとっても今や普通のことになりました。

しかし、男性が女性らしいことをすると、まだまだ偏見の目を持たれてしまいます。それはおそらく女性の行動が劣っているからでしょうか?または、女性そのものが劣っていて、女性のようになりたいということは自らを貶める行為だからでしょうか?女性らしく振る舞うことの何がそんなに悪いことなのでしょうか?もし私達が子供の生活から性別という枠組みを除いたらどうなるでしょうか?

花を持っている少女

子供は性別なんて気にしていない

子供はただ幸せでいたいだけだということをしばしば私達は見落としています。また、子供は、おもちゃや、色や、洋服など、様々なことを楽しみますが、それに対して何の意味付けもしていないということも見落としがちです。子供は性別なんて気にしていません。自分が好きなことを気にしているだけなのです。子供が好きなことを取り上げているのは大人なのです。なぜなら、それに意味付けをしているのは大人だからです。

ペイナドが語ったこのような事態は毎日起きています。そして、その責任は大人にあります。子供は、「ピンクを好きになったり、女の子らしいことをすることは男の子にとって悪いことなんだ」と思って育ってしまうのです。

女性は妊娠し出産しますが、両方の親が子供の面倒を見なければいけません。両親共に子供を食べさせ、おむつを替え、散歩をさせなければいけません。なのに、どうして女の子が子育てを学ぶためにお人形遊びをするのは良くて、男の子はダメなのでしょうか?私達は子供たちに母親だけが子供を育てる責任があるんだと教えているのではないでしょうか?

こうした考えはお人形だけに限りません。感情を表現することも女らしいことだとみなされています。そして、それが息子から自分らしさの一部を取り上げてしまっていることに私達は気付かずにいるのです。

私達は、強くて勇気があるねとか、戦わなきゃいけないんだとか、悲しいからって泣くのは弱いんだとかいったことを男の子に教えています。これって、感情を抱くことが悪いことだと教えることになりませんか?更には、自分らしくいることが悪いことだと教えていることになりませんか?

子どもたちの船

子供はなりたいようになれるのか?

私達は、現代社会で平等という名の下に行われてきた全ての進歩があるから、男女両方の子供が大人になった時には何にでもなれると思っていたい部分があります。それなのに、私達は子供を性別による固定観念と共に育て、全てに性別を与えてしまっています。おもちゃのカタログを見てみれば、ここで云わんとしていることが分かるでしょう。

いくつかの例外を除き、私達がプレゼントとして子供に与えるものを考えた時、このように子供達を育て続けるのであれば子供たちがどのように育つかは目に見えています。女の子には、家事の真似事になる人形やおもちゃがあります。一方で、男の子には車や建設系のおもちゃがあるのです。

ということは、女の子はお母さんや専業主婦にしか憧れてはダメで、男の子は家の外で働くことに憧れなくてはいけないのでしょうか?もし私達がダンスやお人形が女の子らしいことで、レゴやサッカーが男の子らしいことだと子供に教え続けるのであれば、答えはそうなるでしょう。しかし、私達が子供の決断に先入観を持たず、自由に選ばせることをしたならば、子供は何にでもなりたいものになれるでしょう。

女の子と新生児

固定観念なく子供を育てられるかは私達次第

何が女の子に合っていて、何が男の子に合っているかという考えはこれからも流行り続けるでしょう。しかし、良い事もあります。それは私達、大人がそうした風潮を変えられるということです。私達が未来の大人達のカギを握っているのです。

親として、子供の世話をする人として、また一般に大人として、性別に対する固定観念なしで子供を育てられるかは私達次第だということを理解しなければいけません。私達は、子供が欲しいものを選べる自由を与え、他人の決断を尊重できるように育てなければいけません。なぜなら、全ての子供たちにとって男の子っぽい事とか女の子っぽい事なんてものはなくて、その代わりあるのは健全で楽しいものだからです。さあ、子供たちを育てましょう、性別は抜きにして。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。