世界を変える前に自分を変えよう
自分自身に目を向ける前に「自分の力で世界を変えよう」と考える人がいます。
このタイプの人は、自分を「救済者」だと位置づけ、遥か遠くの地平線や壮大な夢だけを見て、自分の目の前にある現実から目を背ける傾向があります。そして毎日の生活の中で大切な謙遜心を忘れているため、自分自身の真の短所や欠点に気づかず、自分の人生における大変革期が訪れてもそのチャンスを逃しがちです。
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイは「多くの人は世界が変わるのを求めているが、まず自分自身を改善することから始めようと考える人はほとんどいない」と語りました。
私たちのわずかな態度の変化や人間としての進歩、そして周りへの配慮や行動が社会への大きな変化を生み出します。
「小さな場所にいる小さな人々の多くが起こす小さな行動が世界を変える」
‐エドゥアルド・ウヘス・ガレアーノ
アーネスト・ヘミングウェイは、現代社会にも当てはまる題材について書き記しました。
権力を持つ役職や仕事を得た人々は、現実との繋がりや自分の人生に本当に必要なものを見失いがちです。
社会にとって本当に必要な行動を起こす機会に恵まれた時、多くの人は社会の代表のような気持ちになり、大きなことだけに目を向けがちですし、社会をよりよくすることに集中せず、悪事に手を染める人も現れます。
ヘミングウェイはこう尋ねます。
「権力を手に入れると汚職などに手を染める人が多いが、その悪事の感染源つまり原因は何か?」
現代社会でも同じ質問が生まれます。世界を良い方向に変える力がある人が、最終的に世界を「汚している」理由とは何でしょうか?
自分の欲求を満たすために世界を変える
「私が世界を変える」と言う人がいますが、この言葉の中には「世界を変えて自分に手頃なサイズにすることで、自分の勝手な考えに世界が共鳴し、わがままを満たしてくれるからだ」と言う気持ちが含まれています。
頂点に登りつめた人が無意識で無気力な状態に陥るまでの過程と、現実的な問題から目を背ける現代社会の問題についてご説明します。
ギリシャ神話では、死に値するような罪や精神分裂などを含め、常に人間の特徴を反映しています。傲慢という単語、またはエゴは、英雄が倫理上のボーダーラインを超えてしまった時や、富や名声を手に入れた時に使われる単語です。
英雄が神に対決しようと自分の強さを誇示し、暴力や汚さ、そして自分勝手な行動に手を染める傲慢さは非常に危険な考え方です。 ただし、神話の中では強く堕落した英雄が罪に罰せられた時、社会はそのバランスを取り戻しますが、現実は異なります。
権力を手に入れた人々は、自分の利益のために世界を変えようとしますが、この行為が常に処罰されるわけではありません。強い指導者をサポートすることで自分もその利益を受けたいと考える人々や、このチャンスを利用したいと考える多くの人に支持されることがほとんどで、彼らを処罰したいと考える人が現れない不条理な状態が生まれることが多くあります
そのような状況において、自分の生きている不条理な世界が変わることはないと感じた人々が、正義や希望を失うような現代社会を改善すべきです。
より良い世界を築くためには自分の改善から
現代社会では相反する態度や行動を多く目にします。
尊敬、平等、そして団結の価値を守り奨励する人々がいる反面、また自分の周りにいる人々に屈辱的な気分を味わせることに関して「プロ級」の人も存在します。
このタイプの人は自分の優先順位が決まっていない人で、例えば、専門的なプロジェクトや仕事にばかり目を向け、自分の家族を忘れてしまう傾向があります。
世界を理解する方法には個人差がありますが、自分を見失うほど現実から離れてはいけません。
無意識に発言したり行動する人が、不調和で支離滅裂な世界を作り出しているため、これを防ぐためにもポジティブで希望のある世界を作るための方法をご紹介します。毎日の生活に反映させてください。
世界を変える鍵
まず自分がより良い人間になるための努力をすることで、より良い世界へと改善できます。無意識のうちに発生するエゴと呼ばれる傲慢さ、憤り、不信感、嫉妬心、先入観、そしてをひがみを持つ魂を浄化することが必要です。自分の内面と向き合うことから自分を変える旅が始まりますが、全ての人が自分の内面と向き合う準備ができているわけではありません。
- 自分を知り、自分の心の中の庭を訪れるのがはじめの一歩です。相手への尊敬を示すためには、まず謙遜心を大切にしてください。同情や感情移入をコミュニケーションツールとして使う時、まず自分が真の愛情を示す必要があります。
- 次のステップは自分が愛する人が必要としている物事を直観的に感じ取ることです。相手からの見返りを期待せず、良い行いをすることが大切ですが、高潔さを誰かに与える時は、相手からも同等の尊敬を要求するべきです
- 世界を変えるためには、正義感は同情心に基づくべきです。権力争い、妨害、心身への攻撃、そして差別などに時間を取られている暇はありません。
- 毎日何か良い行いをしてください。
- 自分を大切にして、毎晩就寝前に枕の上で頭を休ませ、愛する人と知らない人々の両者の幸せを願いましょう。
地域との協力体制、環境保護、また非営利団体への参加など「何か良いこと」で社会に還元するのは、さほど難しいことではありません。また次世代の子供達に正しい教育を施し、適切な方法で世界を変えることができる大人になるようなサポーをとしていくことが大切です。