テディベアのパジャマ:家庭内暴力経験者の手紙

2017年9月27日 in 好奇心 0 シェア済み
テディベアを持つ少女

私はあなたにもう2度と、腕も、足も、手も触らせないし、絶対にキスもさせません。涙も枯れ果て、これ以上もう泣くことも出来ないのですから。あなたのあの毒された愛以上に酷い事などこの世に存在しません。私はもうかつて部屋に閉じ込められ泣き叫んでいた、そしてあなたが酒にまみれ、欲求不満をぶつけた女の子ではありません

何時間も経って疲れ切るまで、あなたの大きな声で近所の人が気づくのではないかと不安になるまで、あなたはやめませんでした。あなたはあのドアの外では正に紳士でした。テレビに出てくるような男たちと自分は全く違うとあなたが言っているのを聞いたことがあります。そう言いながら洗濯物をしていましたね。誰もあなたがどんな汚い人間なのかを全く知りませんでした。きっと思いもしなかったでしょう。

あなたが私の父親だという事実は変えられません。でも私は心の底からそうじゃなければ良かったのにと考えずにはいられません。父親という言葉はあなたには大きすぎます。かつてあなたは自分の良心を慰めようと、私にテディベアのパジャマを買ってくれました。

光を集める少女

あなたは許しを請うた

朝起きると、いつも謝りましたね。日が昇ると、あなたは人が変わったようにただ恐れていました。狼男はいなくなり、代わりに怯えた男がそこにいたのです。片付けをし、ファーマーズマーケットに出かけ、自分用のたった一杯分のジュースを作りました。それから母を起こし、彼女にキスをし、自分は変わるんだと、母を安心させるような言葉を並べていました。

私たちを愛している、自分のしたことは悪い、自分は変わりたいのだと言いました。許しを乞い、もっといい人間になると誓い、自分のしたことを後悔し、もう2度としないと。そしてあなたは拳を握り、舞い戻って来た激しい怒りを抑え付けていましたまるであなたが吐き出す言葉が真実で包まれる、その空気を遮るかのように、手をぎゅっと握っていたのです。母の心を休ませようと努力しながらも、そうしている自分自身がとても嫌だったのでしょう。感情を左右させ続けながらも、日暮れまでは何とか持ちこたえていましたね

最初の数か月は母もあなたを信じました。私を隠れていたベッドの下から助けてくれ、あなたが彼女に言った見せかけと偽りの言葉を、私に優しく伝えました。それから彼女は立ち上がり、あなたと朝食を取りました。テーブルを片付け、私の分のジュースも作り、あなたの肩に触れながら私を呼びました。部屋に入るとあなたは新聞で顔を隠していました。なぜなら、母は騙せても私は騙せないという事をあなたは知っていたからです。

窓際のテディベア

あなたは私たちに怒りをぶつけた

ある日ジュースはテーブルから消え去り、母はあなたを信じることを止めました。私をベッドの下から助けてくれることもなくなり、あなたが手荒く締めたドアの後ろで泣いていました。そしてあなたは、努力をする事を止めました。エネルギーの無駄だと思ったのでしょう。夜には怒りを抱えて私の部屋にやってきて、朝にはさらに怒りを増して部屋から出ていきました。テディベアのパジャマももうありません。なぜならそんなものがあっても何一つ変わらないからです。

パジャマをくれる代わりに、あなたは私を殴るようになりました。人生がどんなものか拳で教えるのに十分大きくなっていると思ったのでしょう。私はまだ子供でした。そしてその私の子供時代をあなたは少しずつ奪っていったのです。

泣く少女

何度も殴られましたが、一番良く覚えているのは、拳が顔に当たり血が飛び散ったことです。あの瞬間、私はこの生活から逃げる事の出来ない運命なのだと悟りました。バンドエイドやギプスで体中が覆われました。学校は更に苦しいところでした。成績が悪いことを先生に問いただされ、家に閉じ込められることの多かった私には友達もいませんでした。

意味のない訴え

ある夜、母は彼女の友達の家に泊まることにしました。それが初めて誰かがあなたのしていることを訴えた日でした。母ではなくその彼女が訴えたのです。私たちを探しに来たとき彼女の家をめちゃくちゃにしましたね。最初の頃良く言っていた言葉を小さなささやくような声で何度も何度も繰り返しあなたは言いました。そしてその夜あなたは牢の中で夜を過ごしました。でも次の日には解放され戻ってきました。母はあの夜ずっと泣き続けていました。そして泣きながらあなたを訴える書類に記入していました。涙で紙が濡れていました。でも次の日の朝警察が家に来ると、ドアを閉め、追い出してしまいました。

あなたは肩を落とし、うなだれて帰って来ましたが、幾日もしないうちに牢で過ごした夜のことなどすっかり忘れてしまいました。次に何が起きるかなど知りたくもありません。新聞を読んだりテレビを見るのには飽きました。あなたは彼らが話を面白おかしくするために大げさに言っていると言いますが、実際そのお話の中に生きてる私たちは、実はその話はもっと深いのだという事を知っているのです。だからこそ、今日手錠をかけられるあなたにこの手紙を読んでほしいのです

あなたにはもう2度と帰ってきて欲しくありません。もしあなたの中に愛情のかけら、人間性のかけらが残っているのなら、帰るべきではないことが分かるはずです。この数年間、私は一度もあなたに会いませんでした。あなたから身を守るためなら私は何でもします。それを忘れないでください。

ここ数年で作り上げた、私が持つ真実と愛と勇気と共に、そしてあなたに殴られて飛び散った血に誓って私は今ここに宣言します。あなたはもう2度と私の腕にも、足にも、手にも触ることはありません。絶対にキスすることもありません。

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