職場で起きるセクハラ:あなたにできることは?

職場でのセクシャル・ハラスメントは、不安や自己疑心、恐怖といった感情を生み出します。声を上げずに時の流れに身を任せていても、ほとんどのケースでハラスメントの状況がより深刻かつより頻繁になっていくだけです。だからこそ、現場主義的アプローチを取るのが常に望ましいでしょう。
職場で起きるセクハラ:あなたにできることは?

最後の更新: 05 4月, 2021

「セクシャル・ハラスメント」という用語は、フェミニズムムーブメントの枠組みの中で1970年代に生み出されました。初めの頃、この用語は職場における男性的振る舞いを指すものとして使われていました。一見、性的な問題としか思えないかもしれませんが、これには権力の行使という問題も内包されています。

このトピックは、米国社会でセクシャル・ハラスメント関連のスキャンダルが次々と発生した1980年代に、メディアによく取り上げられるようになりました。そしてそこから、法律制定への道が始まることになります。セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は、職権乱用と見なされていたものから加害行為へと変わり、最終的には犯罪行為と考えられるようになったのです。

それにも関わらず、セクハラはいまだに全世界にあふれています。セクハラ被害者は非常に弱い立場に立たされており、もし告発したらたくさんのものを失ってしまうだろう、という感覚を抱いているケースが多いものです。しかし、問題自体を掘り下げることなく単に男性の行動を非難しても解決には繋がりません。男性たち自身も、(ほとんどの場合)他の男性の手による性的虐待の被害者になる可能性がある一方で、女性が何らかの状況を悪用して虚偽のセクハラ被害を主張することもあり得ます。

“どちらの側につくか決めねばならない。中立でいることは、被害者ではなく抑圧者を助けるだけだ。沈黙は苦しめる側を後押しするだけで、苦しめられる側を救うことは決してないのだ”

-エリ・ヴィーゼル-

職場 セクハラ

職場でのセクシャル・ハラスメントを発見するために

職場においてセクハラを特定するのはそれほど容易であるとは限りません。これは、同僚たちの仲が親密な場合にはなおさらです。時には、友愛の言葉やジョーク、あるいはちょっとした無邪気な馴れ合いをセクハラのそれと区別するのが非常に困難な場合があるのです。一般的に、以下に挙げる前提があって初めてセクハラについての話を始めることができます。

  • 相互関係がない。ある人物が別の人物に対して性的関心を表明していても、両者の気持ちは双方向的ではなく、一方はそのような表明の対象にはなりたくないと感じている状態です。
  • 道徳的に許されないような行為が見られる(直接的なものも象徴的なものも含め)。これは、ある人物が別の人物から、コメントや行動、ジョーク、皮肉などを通じて同意なしに利用されたり、あるいは性的対象化されている時のことを指します。
  • 被害者の反応が加害者側の行動の流れを決定づける。加害者は、被害者が自身の加虐的行為を許すか許さないかに基づいて意思決定をします。許さなかった場合に被害者が解雇されてしまうというのはこの分かりやすい例ですが、他にも権力を行使する様々なさりげないやり方が存在します。例えば仲間はずれにしたり、拒絶したり、安定を脅かしたり、特権を剥奪する場合もあるのです。
  • 脅しの要素がある。それが必ずしも脅迫行為であるとは限りませんが、物理的な腕力あるいは立場的な権力の誇示や強制が見られます。被害者は、一つの側面あるいは二つ以上の側面において脅かされていると感じます。

職場におけるセクシャル・ハラスメントのタイプ

セクハラには、敵対環境型とセクストーションという2つのタイプがあります。これらは両方とも、他人に対する不適切な圧力の形態ですが、この行為の目的は、被害者に望まぬ性的行動を我慢させることです。では、各タイプをもう少し詳しく見ていきましょう。

  • 敵対環境型セクシャル・ハラスメント。敵意や侮辱、脅しといった振る舞いが見られます。加害行為は言葉によるものや肉体的なもの、あるいは象徴的なものの場合もあって深刻度も多様ですが、日常的に発生します。
  • セクストーション。被害者は、何か(仕事、昇進、労働条件の改善など)と引き換えに性的行為に関わるよう圧力を受けます。

2014年にマネージメントコンサルタント会社Inmark S.A.が実施した調査により、職場でのセクハラの少なくとも60%が同僚間で発生していることが指摘されました。しかし、14.3%のケースで加害者はクライアント、2%のケースで加害者はCEO、1.3%のケースで加害者は部下であることも判明しています。ただし、深刻と見なされたケースの半数で、立場的に被害者よりも上位にいる人物が加害者だったのです。

職場 セクハラ

加害者を制止するには?

セクハラ被害者は、受けた被害の深刻さをできる限り小さく装おうとすることがよくあります。これは、自身の沈黙を正当化するための手段として行われる場合が多いです。「たいしたことじゃないんだから、大騒ぎする必要はないでしょう?」というわけです。

セクハラが自然に収まることなど、ほぼ全てのケースであり得ないと言って良いでしょう。それどころか、この種の状況は慢性化する傾向があります。最も望ましいのは、冷静かつアサーティブに加害者と対峙し、起こっていることを言葉で表すことです。何が起きているのか特定し、もたらされ得る影響や結果を指摘することで、加害者を制止するには十分かもしれません。

ハラスメントが身体的虐待という形態で起きているなら、報告する以外に前進への道はないでしょう。お勤めの企業にこの種のシチュエーションに対する具体的なプロトコルがあるなら、なおさら望ましいです。しかしそれが無いのであれば、上司に直接伝え、上司自ら介入してもらうのがベストです。報告は書面で行い、詳細に状況を記述するのがいいでしょう。

できる限りたくさんの証拠と承認を集めることが役立ちます。企業が報告を無視するようなら、次は関連の機関に助けを求めに行くべきです。現在、ほとんどの先進国には、性的虐待の被害者を保護する法律が存在します。沈黙という選択肢はあり得ません。

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  • Acevedo, D., Biaggii, Y., & Borges, G. (2009). Violencia de género en el trabajo: acoso sexual y hostigamiento laboral. Revista venezolana de estudios de la mujer, 14(32), 163-182.