アドレナリン中毒:スリルを求め続ける人生

08 5月, 2020
アドレナリン中毒は、「冒険に挑み続ける人生」という形でその姿を表します。中毒者たちは多幸感を得るために物事の限界に挑みたい、という強い欲望を抱きます。しかし多くの場合、これらのアクティビティは無謀なもので、命を脅かす恐れすらあるものばかりです。

アドレナリンは、医学の分野ではエピネフリンとして知られる、私たちの身体に欠かすことのできないホルモンです。しかし身体的パフォーマンスの改善に役立つ一方で、量が多すぎると有害となる恐れもあります。これによって引き起こされる影響の一つが常習行為で、こうなるとアドレナリン中毒が牙を剥き始めます。

アドレナリン中毒は、「冒険に挑み続ける人生」という形でその姿を表します。中毒者たちは多幸感を得るために物事の限界に挑みたい、という強い欲望を抱きます。彼らの静脈内を流れるアドレナリンの量の多さが、あらゆる危険なアクティビティへと彼らを駆り立てるのです。しかし多くの場合、これらのアクティビティは無謀なもので、命を脅かす恐れすらあるものばかりです。

アドレナリンの機能

ストレスや興奮、あるいは緊張を感じる状況にいる時私たちの身体はこの化学物質を副腎内で生成します。その機能には、以下のようなものがあります。

  • 心臓を刺激し、呼吸速度を上げる
  • 心拍を速める
  • 腸管運動を止める
  • 視力を研ぎ澄ませるために瞳孔を広げる
  • 体内に蓄積してあったグルコースを取り出し、筋肉をより迅速に反応させられるようにする
  • 主要な血管を広げ、補完的な血管は狭められるように血圧を上げる

これらの生理学的反応の結果の一つとして、血液中の酸素がより迅速に増え、身体の各部位に酸素や栄養を送り届けられるようになります。また、顔色が悪くなるのもこの影響の一つです。これは、あまり重要でない顔や手、耳の静脈の血流が減少するために起こります。

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多幸感と中毒との間にある境界線

ジェットコースターに乗った後、皆さんはどんな気持ちになりますか?おそらく乗る前は緊張していても、降りる時には(めまいに苦しむ羽目になっていなければ)、多幸感に胸が踊っていることでしょう。これと同じことが、夜中踊り明かして過ごしたり、心からワクワクできる何かをした時にも起こります。また、パートナーと素晴らしいセックスをした後に味わうのも同じ感覚です。

ご覧の通り、アドレナリンは私たちが様々な手段で周囲の環境に適応するのを手助けしてくれます。思わず圧倒されてしまうような状況でもできる限り上手く乗り越えられるよう、備えさせてくれるのです。しかし、快感は非常に危険な存在にもなり得ます。そしてその原因は、アドレナリンの分泌が、オーガズムと非常によく似た化学的効果を体内で生み出すという事実です。

アドレナリンが生成されると、一般的な幸福感を誘発する物質であるドーパミンの放出が促進されます。そのため、この幸福を常に感じていたいという欲望が人々を危険な行為に駆り立て、アドレナリン中毒となってしまうのです。継続的に、そして日常的にこの感覚を味わう必要性に駆られると、このホルモンは中毒物質となってしまいます。

アドレナリン中毒:様々な形態

アドレナリン中毒の形態は多岐に渡ります。それぞれに唯一共通しているのが、自らの頭脳を常に限界状態に持ち込もうとする点です。彼らは過激なスポーツだけでなく、禁じられているアクティビティや非合法あるいは不正なアクティビティを始めることでも多幸感を得ようとします。万引きをしたり、レストランで支払いをせずに退店したり、他人を苛立たせたり害を加えたりするのです…。

もう一つ、アドレナリン中毒者が行うのが、ギリギリの危険な生活を送ることです。彼らは常に、安全よりもリスクを選びます。彼らは請求書の支払いやレポートの提出、通院など、あらゆることを最後まで先延ばしにするのです。これは反抗的な生き方であり、身体は常に警戒状態に保たれてしまいます。

アドレナリン中毒者たちは、自らの命を危険に晒すようなアクティビティに参加することを好みます。ベースジャンピングやウィングスーツフライング、バンジージャンプなどが、ほんの数秒間というレベルで人の命を奪いかねないエクストリームスポーツ(過激なスポーツの総称)です。実はベースジャンピングはこの世で最も危険なスポーツで、2300人に1人の割合で死者が出るほどです。楽しそうに聞こえるかもしれませんが、その裏には中毒が隠れている可能性があるのです。

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アドレナリン中毒の症状

アドレナリン中毒者は、特定の感覚を得たいという極度の衝動に駆られます。この衝動はエピネフリンの分泌によって生まれ、以下のような行動や感情の形で現れます。

  • 絶え間ないアドレナリンの探求。快感と多幸感を感じたいというニーズは制御不能で、このせいで日常的に自身をギリギリまで追い詰めることになります。安定したウェルビーイングの欠如が、彼らを退屈させるのです。
  • 他人の命を危険に晒す行動(エクストリームスポーツ、過度に速い速度での運転、他人への加害など)。
  • 人間関係の悪化。
  • 仕事面への悪影響(欠勤、パフォーマンスの低下など)。

伝統的な心理学では、人がある化学物質に依存すると、その人物は心の空虚さと埋めようとするそうです。そして身体にさらにエネルギーを注入することで、この衝動を落ち着かせることができます。しかしこの落ち着きは表面的で一時的なものにすぎません。アドレナリンへの依存性は増し、最終的にさらなる量を必要とし続ける中毒状態となります。

もし、「生きている感覚」を味わいたいが為に自分の命を危険に晒してしまうようなら、医師に相談することをお勧めします。隠された痛みや不満をより良く理解するために心理療法を受けることが推奨されています。