アフリカの美しい民話「心が追いつくように」

27 12月, 2017

往々にして、民話というのは他よりも心に響く忠告の形です。今回は、行動と心が一致する時間がなく別々にある生き方についての、アフリカの古い民話を紹介します。

ある探検家の男が、アフリカの人を寄せ付けない土地に踏み入ったそうです。同行したのは、荷物持ちの数人のみでした。彼らはそれぞれ手になたを持ち、生い茂る植物をかき分けて道を作っていました。男の目的は、どんなことがあっても前進することでした。

「急ぐことの大きな弱点の一つは、時間がかかりすぎるということだ」

-ギルバート・ケイス・チェスタートン-

川につきあたれば出来る限り早く渡り、丘があれば一分も無駄にしないよう道を急ぎました。ところが、突然荷物持ちの男たちが立ち止まりました。探検家は驚きました。まだ数時間しか歩いていなかったので、「なぜ立ち止まったのだ?数時間歩いただけでもう疲れたのか?」と彼らに聞きました。

すると荷物持ちの一人が男を見て言いました。「いいえ、疲れてはいません。ただ、あまり急いで来たので、心が置いてけぼりになってしまいました。ここで、心がまた私たちに追いつくまで、待たなければなりません。」

自分の体と心を一つにするよう思い出させてくれるお話

誰でも自分の体と心が離れてしまっていると感じたことがあるでしょう。ベッドから起きて仕事へ行き、人と話しているのが自分ではなくて誰か他人のような気がしたときです。これは、多忙な日々にどっぷりつかり、そこから抜け出せない時に、しばしば現れる感覚です。

夕暮れと鳥の羽

そこで必要なのは、再び自分というものに立ち返る、ということです。このお話にあるように、「心」を元の場所に戻らせるのです。冷静に状況を見つめることで十分な時もあれば、それ以上の何かが必要な時もあります。

自分が一つの自分であるという感覚や、自分の生活をコントロールしているという感覚がなければ、モチベーションは容易に下がってしまいます。さらに、悲しみや不安に変化することもあります。そこから全てがうまく行かなくなってしまうのです。一日に数分かけるだけで、この状況から抜け出す簡単な方法があります。

一旦、道のわきに座ってみよう

この民話の荷物持ちの男たちがするように、自分の体と心が離れていると感じた時は、休憩をとるべきです。道を急いで走りすぎたのでしょう。周りの景色を見ることもできず、何より心で道を感じることなく来てしまったのです。

まず、静かな時間を探しますが、最適なのは寝る前の時間です。自分自身との、自分だけのプライベートな時間です。リラックスして、ただ自分に問いかけてみましょう。「今日はどうだった?」そして、その日一日あったことを思い返してみましょう。

夕暮れにたたずむ鹿

この時、行った活動だけを考えるのではなく、考えたことや心に感じたことも思い返してみましょう。朝目覚めた時、一番に頭に浮かんだのは何でしたか? 一日の間に、他の人や状況や自分に対して何を感じましたか? 自分の一日の振り返りに、少なくとも5分間は確保しましょう。

じっくり考え、心を戻らせよう

初めのうちは、活動の連続と機械的な感情しか見えないかもしれません。しかし少しずつ、この民話が示すように心が追いついて来るでしょう。この振り返りは、一つの自分に近づく基本的な方法ですが、単に初めのステップの始まりにすぎません。

行ったこと全ての詳しいリストを作る必要はありません。順番が前後したり混乱しても、頭に浮かぶことを止めずにそのままにします。想像するより早く、自分が気付いていなかった多くの経験に気づくでしょう。自分で無視した感情のエコーや、気づかないふりをした不快感も現れるでしょう。

夕暮れと一輪の花

こうすれば、心が体に追いついてきます。少しずつ、元のバランスのとれた自分の場所に戻すことができるでしょう。この日々の小さな努力が、あなたに落ち着きと安心感を与えてくれるはずです。また、一つ一つの経験によってより充実するようになり、自分自身についての知識も増えることでしょう。そして最も大切なことは、本当に自分が望む人生を送っているのか、それとも変化を起こすべき時なのか、ということを見定めるための材料になるということです。