愛に対する頑固さは不幸を招く
変化の兆しがある時、チャレンジすることなく諦めたくないと思いますか?最初からそれが正解だったのだと言わんばかりに物事を受け入れるような事はしたくないと思いますか?ですが、その為に持っている力全てを注ぐというのも簡単な事ではないでしょう。これは間違った考え方なのかも知れません。物事を正すため全力を注ごうとする考え方は、単に愛情に対して強情になっているだけなのかもしれません。
「愛は決して簡単なものではなく、努力と自己犠牲のもとに成り立っている」今まで何度このようなフレーズを耳にしてきましたか? 単純な言葉ですが、頭に刻まれている言葉でもあると思います。ある日突然、私たちは解決することなど不可能だと思われる程苦しい状況と対峙することになります。「ただ腕を組んで何もしないのではなく、前を向いて必死に努力しなければならない。そうすれば、2人がどれだけ愛し合っているのかに相手が気づくのだ」と教えられてきました。
何も努力しないという行動はあまり良い事ではないという概念があるため気づきにくいのですが、このような愛に対する頑固さは大きな失敗のもととなります。
愛に対する頑固さは大きな不幸をまねく
理由ははっきりと分からないけれど、ある日突然気持ちが変わってしまうという事があります。今までのふわふわとした気持ちが消えてしまうのです。互いを理想化していた時間は過ぎ去り、未来への希望が薄れる、そして現実が見え始め、それに愕然とするのです。
何年も経ってからそれに気づく人もいます。結婚し子供を持っていたとして、その繋がりの中にいることが果たして幸せなのか? 今までは良かったかもしれませんが、ある日それは幸せとは違うという事に気づき、頭の中からその考えが離れなくなります。
これまでの自分とは違った自分ですが、だからと言ってそれを否定的に考える必要もありません。では、別れを選ぶというのはどういうことなのでしょうか?
嘘を信じるのは、不幸の始まりだと言われています。互いの考えなどあまりにも色んなことが違いすぎる場合は、一緒にいるより離れた方が2人のためなのです。一緒にいると、日々の喧嘩や溜まっていくストレス、それらがもたらす混乱に陥りやすく、これは時に「ましになった、良くなった」と錯覚を起こすこともあります。ですがその内また耐えようのない苦痛が舞い戻って来るのです。
過去の経験が諦めるという行動を避けるよう方向づけることもあります。「諦めるにはまだ早い。まだ十分な時間と努力を費やしていない」と考え、愛を手放す事を拒む行動を取ります。失敗してなどいない、私たちはお互いに愛し合っていると考え、無理にでもとにかく前へ進もうとします。
家庭において最も悪影響を受けるのは幼い子供たちです。言い争い、互いへの非難、意地のぶつかり合いは、2人の関係を終わらせる以上に酷なことです。すでにその関係は終わっているのに、ただそれを認めたくないだけなのです。ですが、良い時と悪い時が交互に訪れるのが何年も続きそれに慣れてくると、感覚がマヒしてしまい、その輪の中から抜け出すことが困難になります。
闘わないことは望まないことと等しい
闘うことを諦め状況を受け入れることは、相手の事に興味がないのに等しいという考え方は間違っています。その逆です。関係性の終わりを上手く受け入れられず、相手にまとわりつこうとするのは、あなたが未熟な証拠なのです。
2人の相性が合わない、もしかしたら始めから合っていなかったのかも知れないという事に気づきます。始めの頃は目を覆って見えなかったものが、時が経つにつれ現実が見えるようになるのです。必ずぶつかり合い、決して良い方向には進みません。
知らず知らず互いを傷つけ合うような関係に陥ってしまう事もあり、この状況はお互いにとって心地の良いものではありません。この関係は望んでいた幸せに手が届くことなどあり得ず、少しずつ感覚もすり減っていくのです。
パズルのピースが合わない時、どうしますか? 出来ることと言えば曲げたり、折ったりする事ですが、そうすると出来上がりの絵はおかしなものになってしまいます。これがあなたとあなたのパートナーの間に起こっている事です。不安、プレッシャーだらけの不快な関係です。
愛に対して頑固でいると、必ずどちらかが傷つきます。しっかりと受け入れることをしなければ、痛みを伴う失敗へと繋がるのです。
上手くいかないことを恐れないでください。常に思い通りに物事が進むことなどあり得ないし、そうなって欲しくないと願った方向へと進んでしまう事もあります。それが人生、そして人間関係というものです。予測不可能な変化は生きていると必ず起こりますが、そこから学ぶこともたくさんあるのです。意固地にならず、思わぬ方向に進んでしまった2人の関係性をありのまま受け入れましょう。ですが忘れないでください。そうすることが相手に興味がないとか、思いやっていないなどという事には決してならないのです。
画像:デビッド・ホックニー氏、ティモシー・クラーク氏、ゴードン・ジョンソン氏のご好意により使わせていただいています。