アカシジア:じっとしていられなくなる運動障害

22 11月, 2020
アカシジアは時折、むずむず脚症候群と混同されてしまいます。どちらの病気も症状は同じです。しかしながら、その原因は大きく異なります。アカシジアは特定の薬剤の副作用として引き起こされるものなのです。

神経過敏、長時間じっと座っていられない、常に動いていなければ気が済まない、不快感やめまいの感覚など…。このような症状から人々が推測するのとは裏腹に、アカシジアとむずむず脚症候群に関連性はありません。アカシジアは、特定の薬品(大抵は処方薬)が引き起こす副作用なのです。

どうしても薬を利用しなければならないという状況に陥った時、大抵の場合人々はその薬の作用を一つ一つ確認するようなことはしません。その結果として何らかの不調に苦しむことになって病院に駈け込むと、結局その原因は服用している薬の副作用だった、というケースがよくあります。

ご想像の通り、薬物誘発性の変調はあらゆる種類の病気と混同されてしまう恐れがあります。そしてアカシジアもそのうちの一つです。不快で厄介な上に人を不自由にさせるような症状が現れ、しばしばむずむず脚症候群と誤診されます。両者が混同されるケースは非常によく見られ、その結果多くの患者が実際には必要のないこの神経疾患(むずむず脚症候群)向けの治療を受けてしまっているのです。

もちろん、その治療はアカシジアの症状を全く改善してくれません。そのため、「動かなければ気が済まない」という制御不能な状態を引き起こしているあらゆる要因やきっかけを常に考慮しなければならないのです。それでは、このテーマをもう少し掘り下げていきましょう。

アカシジア:症状と原因、そして治療

アカシジアとは、じっとしたままでいられなくなる運動障害です。実は、この病状にはむずむず脚症候群の場合よりもずっと強烈で厄介な状況が伴います。なぜなら、その「動かしたい」という欲求が手足だけでなく体全体に影響するためです。ご想像いただけると思いますが、動くのを止められないという状態は大きな不快感を伴います。

そのため、アカシジア患者には様々な精神症状が現れます。身体が落ち着かないこの状態が、感情面にもあらゆる形で悪影響を及ぼすことは明らかです。例えば、仕事中にじっとしていることができず、適切な姿勢を保っていられないことによる苦痛はかなり煩わしいでしょう。また、運転することもできませんし、眠るために横になったままでいることもできません。そして、特定の薬品が身体に及ぼす影響次第で症状が引き起こされるため、どんな年代の人にもこの障害が生じる恐れがあります。

中には、めまいや嘔吐といった単純な不調を和らげようとして治療を受け、副作用について何も知らないまま薬を服用しただけだったのにアカシジアになってしまったという患者もいます。たとえ実際にこの病状を経験したことがないとしても、絶え間なく指でどこかを叩いていなければ気が済まない状態や、仕事に集中することが不可能で働けない状態がいかに腹立たしいものであるかは容易に想像できるはずです。

アカシジア じっとしていられなくなる 運動障害

アカシジアの症状

この種の変調の研究は、神経科学という学問分野が担っています。むずむず脚症候群と混同されてしまう恐れがかなり多いとはいえ、先ほど指摘した通りにアカシジアの方がより広い範囲に症状が表れ出ます。以下が、特によく見られるアカシジアの特徴です。

  • 歩いたり動き回っていたいという絶え間ない欲求。
  • 脚のうずきやかゆみ。
  • 指で絶え間なくどこかをトントンと叩いてしまう。
  • 肌のかゆみ。
  • ストレスと不安感。
  • 睡眠が困難である。
  • 深刻なケースではパニック発作が起こる恐れがある。

原因は?

これについては本記事の冒頭でも触れましたが、この運動障害の病因は特定の薬品の副作用です。抗精神病薬による治療の結果として起こる場合がほとんどですが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬も原因となり得ます。

また、嘔吐やめまいを治療するための薬品を服用した結果アカシジアに苦しむこととなった患者も多いようです。さらに、ドーパミン系薬剤による治療の結果としてパーキンソン病患者にアカシジアが現れることもよくあります。しかしながら、全ての患者がこの副作用を経験するわけではない点は覚えておきましょう。

アカシジアは通常、薬剤の投与量が高い場合に起こります。したがって、第一世代抗精神病薬や、ハロペリドールやリスペリドンなどの第二世代抗精神病薬を使用している人々に症状が見られる場合が多いのです。

アカシジアの診断プロセス

一般的に、患者が抗精神病薬による治療を受けている場合、医師はまず直観的にこれらの症状が薬剤の副作用である可能性に思い至ります。しかしながら、昔ながらの抗うつ薬やめまいの薬に対して有害反応を起こす人々もいるということも気に留めておかねばなりません。そのため、医師たちは細心の注意を払いながらこれらの症例を調べていきます。

以下が、アカシジアの有無の判断に用いられる診断基準です。

  • 患者の病歴を分析する。
  • 症状の発症について調べる。
  • 患者の動きを目視評価する(普通、アカシジア患者は常に動き続けるため簡単にわかります)。
  • 運動障害に加えて、患者はかなりの不安やストレスを抱えている場合が多い。
アカシジア:じっとしていられなくなる運動障害

この運動障害の治療法は?

むずむず脚症候群と異なり、アカシジアの予後は良好です。実は、薬剤の投与量あるいは服用量を減らすか一切なくすだけで、大抵の場合は症状を止めることができます。しかしここで問題なのは、投与量の多い抗精神病薬による治療を継続する必要がある患者も中にはいるということです。

そういった場合、医師は似たような機能を持つ別の薬で代用できるかどうかを検討しなくてはなりません。したがって、患者のニーズにぴったり合うものが見つかるまで一つずつ様々な選択肢を試していけば良いということです。

最後に、この種の障害や変調を学ぶことで、私たちはある明白な事実にたどり着くことができます。それは、人のウェルビーイングや健康状態が薬に左右されてしまう場合が多い、という事実です。セルフメディケーション(医師の指導を受けずに自身で薬を購入・服薬すること)ほど危険な行為はありません。どんな時でも適切な診療を受けること、そして副作用が現れる可能性を無視しないことが非常に大切なのです。

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