アルベルト・ベルッチ:101歳でコロナウイルスを克服した男性

20 5月, 2020
アルベルト・ベルッチは、第二次世界大戦の間、3度もナチスから逃げのびました。このイタリア人男性は間も無く102歳になる、コロナウイルスを克服したばかりの人物です。今回は、この困難な状況の中で希望に満ちたあるストーリーをご紹介します。

彼の名はアルベルト・ベルッチといい、1918年から1920年にかけて流行したスペインかぜの時代を生き延びた人物です。この名誉あるイタリア人は、世界中のニュースで大々的に取り上げられました。それはコロナウイルスを打ち負かしたばかりのこの101歳の男性が、この病気を克服した中で2番目に高齢な人物だったためです。そしてなんと、4月に彼は102歳になります。

感染者数や死者数が私たちを驚嘆させ続けるような暗い情勢の真っ只中において、こういったニュースは明るい光を差し込んでくれます。さらに、このような回復例はベルッチ氏のケースだけではありません。

チャン・グアンフェンもまた、このパンデミックの生還者の一人です。彼女は、この感染流行の発生地である武漢の患者でした。集中治療室で6日間の治療を受けたのち、彼女は103歳にして退院を果たしたのです。

COVID-19は、ご存知の通り、高齢者が感染すると特に危険性が高まります。しかし一方で、日々例外的なケースを耳にすることも増えており、多くの家族が年配の親や勇敢な祖父母を出迎えに医療施設を訪れているようです。彼らは戦争を生き抜いた経験を語りながら暮らしてきましたが、これからは誰もが予想していなかったパンデミックによる影響をも語り継いでいくことになるでしょう。

これらの症例は、何を意味しているのでしょうか?なぜこれほど高齢な患者たちがウイルスに打ち勝てたのでしょう?それはおそらく運が良かったか、あるいは免疫系が非常に優れていたからだと考えられます。幸運だっただけかもしれませんが、ひょっとするとこの未知のウイルスが一部の患者には慈悲の心を見せ、残りの患者にだけ牙を剥いたのかもしれません。真相はわかりませんが、どの症例に関しても、こういった回復のニュースは喜びと希望をもたらしてくれますね。

アルベルト・ベルッチ 101歳 コロナ

アルベルト・ベルッチ、101歳でコロナウイルスを打ち負かした男性

イタリアにおけるコロナウイルスの感染者数の多さは壊滅的です。この記事を書いている時点で、合計感染者数は9万人、そして死者数は1万2,000人を超えています。しかしやっと流行は収まり始めているようで、小さな希望の光が見えてきました。特にCOVID-19によるダメージの最も大きかったロンバルディ地区ではなおさらでしょう。

しかしイタリアには、健康という側面だけでなく他にも懸念すべき事項があります。社会レベルの困窮やリソースの不足も見られ、一部の人々にいたっては食べ物のような基本的な品物さえ買えなくなっているのです。

世界でも類まれな美しさを誇るこの国は現在、苦悩や先行きの見えない不安の中にいます。おそらく、だからこそこの101歳の男性がコロナウイルスを克服したストーリーがこれほどまでに広くシェアされるニュースとなったのでしょう。

『Corriere della Sera』誌などの新聞がこのニュースを高々と報道すると、そのストーリーは瞬く間に世界中にシェアされていきました。このため、コロナウイルスに打ち勝った高齢者の症例は数多く存在するものの、アルベルト・ベルッチの個人的なストーリーが特別なものに見えるのでしょう。

リミニのヒーロー

101歳の男性がコロナウイルスから回復、という見出しを読めば、彼の目がこれまでにどんなことを見てきたのかを想像するのは難しいことではないと思います。年齢から考えれば、幼少期には第一次世界大戦の終盤を目撃し、大人になってから第二次世界大戦を経験したことがわかるはずです。アルベルト・ベルッチ氏は、新型コロナウイルスの影響が最も深刻だった北イタリアにあるアドリア海沿岸の都市、リミニの出身です。

体調が悪くなって呼吸が困難になってきた時、孫であるエリサは彼を迎えに来てもらえるよう、医療サービスに電話をかけねばなりませんでした。彼を見送る時、おそらくこれが祖父に会える最後のひと時となるかもしれない、という悲痛な考えを抱きながらも、彼女は予言的とも言える言葉をアルベルトに投げかけました。「こんなウイルス、おじいちゃんが戦ってきたナチスドイツと比べたらどうってことないよ。絶対戻ってきてね、おじいちゃん」。

そして、アルベルト・ベルッチはその通りのことをやってのけたのです。彼は、家族の元に戻ってきました。彼は今でも、イタリアメディアによるインタビューの中で自分にとってはコロナウイルスなど過去に経験したあらゆる困難ほどの脅威ではなかった、というメッセージを強調しています。彼はスペインかぜが大流行する中で生まれ、第二次世界大戦を生き延びてナチスから3度も脱出を果たした人物なのです。

そんな彼が家族の元へと帰れないわけがありませんよね?誰にも彼を止めることはできなかったでしょう!

アルベルト・ベルッチ 101歳 コロナ

未来はまだ決まっていない、誰しもが生き延びる可能性を秘めている

101歳の男性がコロナウイルスを克服したという見出しが喜びと興奮を呼ぶのには、二つの主な理由があります。一つ目は、このニュースがイタリアという、スペインと並んで現在最も深刻なコロナウイルスによる被害が出ている国からの吉報だったことです。そして二つ目の理由が、アルベルト自身が、全ての人にとって未来はまだ決められていないものだ、と強調したことです。

リミニ市の市長は彼を、奇跡が実在することをこの年齢にして示してくれたヒーローだ、と評しました。しかしアルベルト・ベルッチは、それでも自分は強い恐怖心を抱いたのだという事実を伝えています。彼の周りには家族からの愛情を感じることなく孤独に亡くなっていった人々がたくさんいたのです。

そんな衝撃的な光景を目の当たりにしながらも、彼の心にあったのはあるたった一つの思いだけだったそうです。それは、彼が記者たちからインタビューを受けた際に繰り返し口にしていた、「A casa mi aspettavano(家族が家で待ってくれている)」というものです。今彼が望むのはただ、休息をとり、暖かな食事を食べて家族との抱擁を楽しむことだけだそうです。