あなたが読む本によってあなたは作られる

あなたが読む本によってあなたは作られる
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

私達が食べているものが私達を作っているのは間違いありません。しかし、同様に私達が読む本も私達を作っているのです。また、人間は過去にあった全ての経験から作られます。それと同じように、私達が読む全てのストーリ、キャラクター、闘い、そして雄大な世界も私達を形作る影響を持っているのです。

ホルヘ・ルイス・ボルヘスは楽園とは巨大な無限の図書館のようなものだと述べました。これは、毎日本を読むという健全な行いをする人達が頷くような読書への素晴らしいイメージを表した言葉です。そして、読書は私達に学習と自由が持てるように栄養を与え、前へ進むように促してくれるものなのです。

 

「最近存在する本当の大学というのは本の収集である。」

-トーマス・カーライル-

このような言葉があるように、読む本が私達を作るというのは大袈裟な表現ではないのです。幼少期の記憶を辿ると、いくつかの本を思い浮かべると思います。そして、なぜかそこを境目に線引きをしているでしょう。そのような本を読んだ時に感じた刺激や喜び、そして楽しみをこれから経験するのはごく稀だと思います。

この初めて謎めいた幻想の世界や冒険の海へ飛び込んだ時の記憶は、私達の脳の最も深い部分の中に、言葉と絵と共に埋め込まれているのです。それは、今、自分が誰なのかを決める大きな部分です。ですので、私達の大部分は目で見たことはないが心で感じたもので構成されていると言えます。そして、それは心の中で旅をしていたのです。

想像の読書

脳の中の本

「Journal of Business Administration(経営ビジネスジャーナル)」に掲載されてた研究では、当然に思えることが必ずしもそうとうは限らないとするデータを確認しました。そのデータは、子どもの頃から読書をしてきた大学生は、批判的思考や創造性、反省、メタ認知、そして書かれた表現においいてはるかに高い得点を持ちます。しかし、最近では、読書をする若者は「深読」まではしないというのです。

深読は、自分自身を繊細にゆっくり、そして完全に読んでいる本に没頭することを意味します。これは、急ぐことなく、外部のプレッシャーも無い状況で文章の豊かさを捉えることでもあり、本の「一部になる」能力で、文字を感覚的、感情的なレベルで読み取ることなのです。

深読を通して、私達は文章の詳細も取り込みます。そして、筆者の物語やスキルを楽しむのです。しかし、ここに最も興味深い部分があります。専門家たちは、このタイプの読書は脳の素晴らしいプロセスをスタートさせると説明しており、スピーチや視覚、聴覚に関係する脳の中心は、この深読と同期をしているのです。

本の中で読書をする
  • 構文やリズムを司る脳のブローカ野と呼ばれる部分は激しく活性化します
  • また、言葉やその意味の知覚に関係しているヴェルニカという場所も活性化します
  • 知覚と言語の使用を規制する大脳の角回の相互関係性が強くなると言われています

このような脳のプロセスや感覚や感情を生み出す多くの部分が私達の脳に永久的な印象を残すのです。

気が散っている心にある本

ニューヨークタイムズに掲載された、ある興味深い記事によると、去年の大人向けの書籍の売り上げは10.3%下がり、子供向けの本は2.1%下がりました。そして、子ども用電子書籍は約21.8%も下がったのです。しかし、デジタルオーディオブックはなんと35.3%も上昇し、今も上がり続けているそうです。

「本を開くことは脳と話すこと:閉まってしまった待ち続ける友人、忘れられた寛容な魂、そして、破壊された泣いている心。」

-ヒンドゥーのことわざ-

心理学者にとって、この「読んでもらう為に本を買う」ことが好まれる現象は明らかなものです。私達の心は気が散っているからです。スマホを確認したり、ソーシャルメディアをアップデートしたり、コーヒー、テレビ、メールなど多くのことを一度にしようとしているのです。

そして、小説家のスティーブン・キングは最近人間は本のページをめくる喜びを失ってしまったと述べました。今ではイアフォンを耳につけてオーディオブックで本を聞くと両手が空くからです。

このような背景を見ると、オーディオブックの売り上げ上昇に納得が出来ます。これはマルチタスクには完璧なのです。耳にイアフォンを付けるだけで、目と両手が空き、マルチタスクが行えます。そして、それは「完璧」のように見えますが、残念ながら悲しいことです。

図書館

私達は深読することの喜びを失っており、これからの子どもは物理的に本を持ち、没頭することの楽しさを奪われてしまうのでしょう。1枚ずつページをめくり、大きな埃っぽい図書館で、光を浴びながら読むこともなくなってしまうのでしょうか?


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