アルバート・エリスのREBT:理性感情行動療法

アルバート・エリスのREBT:理性感情行動療法
Alejandro Sanfeliciano

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Alejandro Sanfeliciano.

最後の更新: 22 12月, 2022

REBTは、Rational Emotive Behavior Therapy (理性感情行動療法)の頭文字で、認知心理学の原則を元にアルバート・エリスが考案しました。特定の精神障害の向上に、(刺激―反応に基づく)行動療法が不十分であることから、研究員がREBTを使ったところ、良い結果が出始めました。REBTは、不安やうつ病などの障害に有望な効果を示す先駆的テクニックのひとつです。

このセラピーは、アルバート・エリスが提案した認知心理学のABC理論に基づいています。それ自体では感情的・認知的・行動的結果(C)を伴わないきっかけとなる出来事(A)があると言います。これは、その出来事をどう受け取るか、または、解釈するか(B)によります。簡単に言うと、A(出来事)によりB(解釈)が起こり、C(結果/行動)が起こるのです。

アルバート・エリスのREBT

 

REBTの心理学的柱

REBTの最終目的は、Cを消す、または、修正することです。一見、Cは出来事(A)や解釈(B)の修正で変わるように思われます。しかし、明らかに、多くの場合、出来事は変えられるものではありません。この種のセラピーで、心理療法士は、患者が行う解釈を変えることに焦点を置きます。そして、その解釈が、私達が狙う行動の修正へとつながります。

障害の元

アルバート・エリスは、たくさんの研究を行い、皆(少なくとも私達のほとんど)が、不合理な考えを膨らませ、現実を非常にネガティブなものにしていることを見出しました。このネガティブな世界観を大きくする200もの思考や信念を発見し、また、その信念は、不安やうつ病につながるものです。私達は、この不合理な信念を4つのタイプに分けました。

  • 過度の要求:「もし、彼が私を愛しているのなら、プレゼントをくれただろう」
  • 惨め:「もし、明日の面接がうまくいかなかったら、私のキャリアはこれで終わり。死ぬしかない!」
  • フラストレーションへの耐性の低さ(LFT):「皆に拒まれるだろうから、パーティーに行くのが恐い。こんなの厳しすぎて、耐えられない」
  • 下落:「お昼ご飯を焦がしてしまった。私はダメだ。何もできない」

このような信念は、誤りで、非論理的、過剰で、厳しすぎ、不合理だと考えられます。内なる会話に多くみられる「すべき」「だろう」に基づいた絶対主義的信念から生じているとエリスは言います。

障害の持続

上にあげた思考パターンは、負の感情や行動的結果を招きます。ところで、何がこれを維持させているのでしょう?REBTによると、その洞察や考えには3つのタイプがあり、これが障害の維持を手伝っていると言います:

  • 洞察1:ネガティブな出来事から派生した不合理な解釈により、妨害が決定づけられています。本人が、その感情障害は、解釈ではなく出来事のせいだと信じているのであれば、状況を変えることに失敗するでしょう。実際の問題は、不合理な信念です。
  • 洞察2:本人が、厳しく極端な信念を主張し続けるのであれば、その考えは変化を拒むでしょう。そのため、障害は維持されます。
  • 洞察3:過去に焦点を当てる考えは、個人の不合理な信念や出来事を停滞させます。現在や未来に働きかけることによってのみ、自分の信念を変えることができます。また、不快感も一緒に変わります。
REBTの洞察

 

REBTの特徴

理性感情行動療法について語るには、2つの視点から見る必要があります。一つ目は、治療的アプローチで、ストラテジーやメソッドに関係します。もう一つは、患者との関係で、心理療法士の患者との関わり方です。

心理療法士には、次のような特徴があります。

  • 積極的・直接的:心理療法士が積極的な姿勢で、不合理な信念への代替案を患者に提案することが重要です。
  • 言葉が活発:セラピーは話し合いが元になるため、両者が活発で、対話が流動的であることが欠かせません。
  • 教え上手:心理療法士は、自分に変化を生むことを生徒に教える、良い先生のような振舞いをすべきです。
  • 患者の人生に対する哲学に変化を促す:人生に対する哲学において、患者の考え方に変化を促すことが欠かせません。
  • カタルシスをすすめない:一見、これは不快感を取り除くように見えますが、ある信念から生じた感情の意図的表現は、その信念を強める可能性があります。
  • 柔軟性をもつ:患者はそれぞれ、独自の考え方をもつ雪片です。心理療法士に柔軟性がなく、適応の仕方が分からなければ、患者に変化を生むことはできないでしょう。

心理療法士と患者の関係

心理療法士と患者の関係は次の原則に基づきます。

  • 無条件の受容:患者に対し、ポジティブやネガティブ、批判はありません。心理療法士は、他の人と同じように、患者を受け入れることを示すべきです。彼らは人であり、つまづくことがあり、無意味や無価値なものではありません。また、一つの行動で一人の人間は定義できません。
  • 共感:信念の性質の理解のために、患者の思考プロセスの理解は欠かせません。心理療法士は、変化を生むために、患者それぞれの人生観を理解すべきです。
  • 偽りがない:心理療法士は、オープンで、近づきやすい存在でなければなりません。私達は皆、挫折や間違いをするということを患者に示すため、適切であれば、個人的な話もします。個人の経験は、与えられた状況には役立たないかもしれませんが、感情を一般化する助けになります。
  • ユーモア:REBTは、不穏と静寂に基づいたセラピーのため、これは一つのカギになります。心理療法士は、ユーモアを用い、不合理な信念の側面を強調しなければなりません。当然、患者に失礼がないようにします。また、心理療法士は、患者の感受性がそれぞれ異なることを忘れてはいけません。
  • 形式ばらないセラピー:通常のセラピー形式とは異なり、REBTはリラックスした環境でよりうまく働きます。患者は心理療法士をおもしろく、フレンドリーだと感じ、悩みや信念を、リラックスした形で話せる時間だと捉えるべきです。
心理療法

エリスのレガシー

REBTは、患者にとって、満足感が得られる、興味深いセラピーです。不安やうつ病の原因となる問題と向き合う時、より保護的な形を想定し、人生観を変える助けになります。また、これを支える科学的証拠もあります。REBTは、アルバート・エリスを、 臨床心理学で最も 重要な人物の一人にしました


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