力強いフェミニストのメッセージが伝わる映画3選

2019年4月7日

3月8日、女性たちの大集団がフェミニストのメッセージを掲げて街に繰り出しました。この日、女性たちは歴史を作ったのです。次の日から、全てが変わりました。

彼女たちが声をあげる決意をしたのは、男女間の不平等や暴力、ガラスの天井など様々な不当な扱いを経験してきたからです。全員が同じ圧迫感の中で暮らしてきたのです。

以下でご紹介する映画の中では、男性の支配する社会、つまり女性たちを辱め、攻撃するような女性への敬意を欠いた社会で、なんとか前進しようと努力する3人の女性のストーリーが描かれています。これらの映画に出てくる女性たちの武器は、勇気と自信です。

『こわれゆく女』、女性の精神衛生に関するフェミニストのメッセージ

これは、アメリカで最も賞賛される映画監督の一人であるジョン・カサヴェテスが監督した映画です。この映画は、ある家族が、家母長であるメイベルという女性のせいで経験する困難を描いています。メイベルを演じるのは、大女優ジーナ・ローランズです。彼女はこの役でゴールデングローブ女優賞に輝き、オスカーにもノミネートされました。

映画の中でメイベルは風変わりな方法で自身を表現し、突然チック症のような症状が出ることがありますが、決して暴力や脅迫行為はしません。彼女の夫で建設作業員のニック役はピーター・フォークが演じました。彼はメイベルの何かがおかしいことを感じ取ります。

男性たちに囲まれた環境の中で、メイベルはお客さん全員が快適に過ごせるように料理を作ったり彼らをもてなしたりします。全て滞りなく上手くいくように頑張るのです。彼女は誰とでも親しくしようとする性質を隠すことがないので、その言動は少し変わっています。しかし、彼女はいつでもそこにいる全員が快適でいられるように努めているだけなのです。

こわれゆく女

しかし、ニックは彼女の言動を批判し続け、怒鳴り、彼女のすること全てを否定します。彼は他人の見ている前で彼女を辱め、彼女の自由や彼女なりの自己表現方法に対して敬意を払いません。

ネタバレしない程度に言えるのは、メイベルの周囲の人々は彼女の風変わりな性格、つまり親切さや思いやりや家族への愛に溢れた性格、に慣れていないということです。その結果、夫の一貫性が無く息の詰まるような言動に対して過剰に反応してしまうのです。

ニックは妻をどう扱って良いのか途方に暮れます。彼は、彼女と話したり彼女を見たり触れ合ったりする時に、矛盾したことを言います。この矛盾が、彼女を惑わせるのです。自分のことを一番に愛していると伝えてくる人間が、同時に他の人々の前で自らを辱めてくる人物でもあるからです。ニックや周囲の人々はおそらく、そんな風に自分自身を表現する女性は深刻な不安症を抱えていると考えてしまうのでしょう。

そしてここが、力強いフェミニストのメッセージが見られる箇所です。まだ大人が抱いているような偏見を知らない子供たちは、母親の振る舞い方を敬愛しています。彼らはメイベルの独特さと彼女の強い愛情が大好きなのです。メイベルが受けている影響はおそらく精神上の問題のせいではなく、周囲の理解の無さや男社会によるものでしょう。

『アラニス』、自立に関するフェミニストのメッセージ

アラニス(ソフィア・ガラ・カスティリオーネ)はアルゼンチンの売春婦で、ルームメイトのヒセラとともに彼女たちのアパートで働いています。ある日、警察がヒセラを逮捕し、アラニスはアパートから追い出されます。彼女は一人息子を抱え、寝床を探さねばならなくなるのです。

彼女は生きていくためにできることならどんなことでもやります。顧客の家に息子を連れて行くことさえ厭いません。彼女の置かれた状況は明らかに神経がやられてしまいそうなものですが、彼女はそれに気づきません。驚くほどのストイックさと忍耐力で、アラニスはしなければならないことをこなしていくのです。彼女には立ち止まって自らの状況について考えるような時間はありません。何としても生き抜かねばならないのです。

アラニスは、彼女のことを不当に扱ったり侮辱したり、悪い母親だと責めたりするメッセージには耳を貸しません。彼女の人生で、彼女のために何かを与えてくれた人など誰もいませんでしたし、彼女も存在を認めて欲しい訳ではありません。彼女は単に人生が自分のものであるという感覚を味わい、息子を養えていることを実感したいだけなのです。

彼女は人生を変えることになんの興味もありません。実際、彼女は人生に何を求めているのか自分自身わかっていないのです。映画を観ると哀れみの気持ちを抱く余地すらなく、ただただ言葉を失ってしまいます。

彼女が考えているのは現在についてだけです。できる限りマシな状況にしたいだけなのです。彼女はまた、誰にも自分のことを説明しようとしません。これがこの映画におけるフェミニストのメッセージです。彼女を被害者扱いしたり非難する余地もないため、賛否両論のあるダイレクトなメッセージであると言えます。アラニスは彼女自身の人生を生きており、他人の意見など気にしません。彼女は自らについてよく分かっており、それに誠実に生きているのです。

『パウリーナ』、独立に関するフェミニストのメッセージ

パウリーナ(ドロレス・フォンシ)は全てを手に入れている女性です。ブエノスアイレスの裕福な家庭で育ち、将来はいい職に就くことを約束されています。パウリーナには彼女を心から愛する恋人と父親がいます。

裕福な弁護士の娘であるにも関わらず、彼女には野心がいくつかあります。パウリーナは人々の生活を改善するために何かがしたいという夢を抱き、紛争の最前線に行きたいと考え始めます。

この理由から、彼女はアルゼンチンの中でもかなり貧しくて暴力行為が横行し、失業率も高い地域の学校で教師になることを決めました。パウリーナは、こういった人々が彼女を求めていることを知っていたのです。誰もがこれはパウリーナにとって人生の一つの経験に過ぎず、一時的なものだと考えましたが、彼女はいたって真剣に人々を助けたいと考えていたのです。

この地域に到着した時、彼女は興奮するとともに未知の環境へ立ち向かう試練を実感します。ある夜、友人たちと何杯かお酒を飲んだ後、彼女はバイクで家へ向かいました。道中、彼女は複数の男たちに襲われ、レイプされます。この辺りから、観客の大多数がパウリーナの決断に不安を抱き始めるでしょう。

彼女はこの地域での仕事に戻り、自分を襲った犯人は誰なのか、そしてなぜこんなことをしたのか調べ始めます。そして自らの妊娠に気づくと、パウリーナは周囲の人々が我慢できないような驚きの決断を下すのです。

パウリーナは自分のことは自分で決める女性です。これが、この映画のフェミニストのメッセージです。全ての女性が同じような生き方をすると考える人もいますが、我が道を行くタイプの女性たちもごまんといます。彼女たちは他人から認められようなどとは考えていないのです。