カルチャーショックのフェーズを理解しよう

現在のグローバル化した世界では、移民がどんどん増えています。ですが、さまざまなフェーズのあるカルチャーショックを乗り越えるのは、多くの人が大変だと感じるチャレンジです。このトピックについて詳しく見ていきましょう!
カルチャーショックのフェーズを理解しよう
Elena Sanz

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Elena Sanz.

最後の更新: 21 12月, 2022

現代のグローバル化が進む社会では、移住や国を超えた交流が盛んです。生まれた地を離れる理由は様々です。移住の決断という挑戦は多くの人が意識していても、最初の1年間で経験するカルチャーショックのフェーズについては誰もが知っているわけではありません

新たな文化、言葉、ライフスタイルは実際、精神面に影響します。これがカルチャーショックです。言い換えると、恐怖、悲しみ、陶酔感、混乱、不確かさなどの感情的経験のことを言います。

これは、静的で持続的なものではありません。移民は、新たな環境に慣れるまで、さまざまな特性のあるいくつかのステージを乗り越えることになります。このプロセスは何年間か続くこともあります。

カルチャーショック フェーズ

カルチャーショックのフェーズ

国をまたいで引越す人への新たな文化の影響についての研究は、様々な人により行われています。リスガード(1955)のU型曲線モデルでは、文化的調整には3つのステージが顕著にあると指摘されています。まず人は陶酔感や幸福を感じ、次に認知的不協和や不均衡に直面し、最後に安定します。

後続のガラホーンとガラホーン(1963)の理論の方が強く支持されています。この理論によると、カルチャーショックには5つのフェーズがあり、W型曲線と呼ばれます。認知的そして感情的浮き沈みを超え、移民は新しい土地に慣れていくのです。

W型曲線モデルとカルチャーショックの5つのフェーズ

1.ハネムーン期

最初のフェーズでは、感情、幸福、陶酔感が目立ちます。新たな国は魅力にあふれ、刺激的で素晴らしいものです。また、自国との違いをポジティブにとらえ、学び、協同しようとします。さらに、自分のアイデンティティや過去の関係をまだ近くに感じています。

2.カルチャーショック

目新しさが薄れると、新たな現実に苛立ち、それが冷たく奇妙なものだと感じます。新たな地の生活様式や価値観を理解できず、同じようにしようとは思いません。生まれた国のほうが良いと感じ始めます。

敵意、不安、フラストレーション、悲しみを抱き、身体的症状が現れます。今まであった社会的繋がり(家族や友人)が非常に遠く、手が届かないように感じます。

3.最初の調整

調整期では、ポジティブで心地よい感情が戻ってきます。新たな文化や作法に親しみを覚え、理解できるようになります。快適な調整期に入ると、孤独の優勢がそこまで強くなくなります。より客観的で実践的に捉えはじめ、新たなルーティーンを楽しめるようになります。

4.精神的孤独

これは最初に母国を訪れた後に起こるフェーズです。故郷はどこか変わっており、もはや自分の国ではないように感じます。そしてそれが所属感に影響します。2つの国の間にはさまり、自分はどちらにも属さないように感じます。また、今はない過去を求めます。

さらに、今の国ですでにルーティーンができています。新しさや刺激がなくなり、ここまで来ると自分が昔の生活をどれだけ恋しく思っているかについて立ち止まって考えるようになります。そして、孤独や孤立を感じます。

5.適応

最後は、新しい国の文化や様式、価値観に慣れるフェーズです。違和感やフラストレーションなく新たな国の生活や仕事に適応します。心地よく、くつろぐことができるようになるのです。

カルチャーショック フェーズ

カルチャーショックを乗り越える

この文化的調整プロセスの様々なフェーズには数年かかることもあります。また、このプロセスがこの順番に起こるとは限らないことを知っておくことも重要です。最終的に順応するまで、フェーズが変化したり、何度か繰り返すこともあります

これらのフェーズの存在を知ることで、移民は自分の感情を理解し、それが普通であると認識することができます。この意味で、不確かな思いが減少します。何を予期すべきかを認識しているためです。すべての移民がこのプロセスをうまくの乗り越えられるといいですね。


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  • Black, J. S., & Mendenhall, M. (1991). The U-curve adjustment hypothesis revisited: A review and theoretical framework. Journal of international business studies22(2), 225-247.
  • Gullahorn, J. T., & Gullahorn, J. E. (1963). An extension of the U-curve hypothesis. Journal of Social Issues, 19(3), 33–47

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