デジタル化が脳に与える影響

2020年9月10日
デジタル化により脳がどのような影響を受けるか考えたことはありませんか?その影響について学びましょう!

人間の脳には1000億もの神経があり、光よりも速いスピードで互いに伝達しあっています。しかし、生活におけるデジタル化が進むことで、私達の脳はいくらか能力を失うのではないかと心配されるようにもなってきました。

脳は、可塑性と適応性に優れており、リソースを最適化するために環境に適応できるようになっています。言い換えると、デジタル化が進み、脳が特定のプロセスを司る必要がなくなった場合、その他の能力を高めることで埋め合わせをするかもしれません。

この疑問に関し、すでに研究が始まっています。実際、特に若い世代が経験しているであろう脳の変化が認められています。

脳 デジタル化

デジタル化と認知能力

比較的短い期間で多くの技術的発展が進みました。そしてこれにより私達の行動も明らかに変わりました。以前とは違う習慣ができ、タスクを違う方法で行います。また、コミュニケーションの方法や情報へのアクセスの仕方も変わり、その変化はこれからも続いていくでしょう。

ロサンゼルスにあるカリフォルニア大学(UCLA)の神経科学者ゲイリー・スモールによると、テクノロジーの使用は脳を変性させるそうです。一部の神経ネットワークは強力になり、また一部は弱体化していることが認められています。これは、人間の脳における自然のプロセスですが、スモールはある構造や回路における変化について言及しています。そのひとつが、注意力の脳回路です。

私達は、長時間、スマートフォンやタブレット、パソコンを使っています。複数のデバイスを同時に使用することもあります。マルチタスクは複数のタスクに一度に注意を向ける認知スキルです。しかし、脳が完全に注意を向けられるのは2つであることが研究により示されているのです。

脳が2つのタスクに集中する時、前頭前野がタスクを遂行するためのリソースを分配します。しかし、同時に2つ以上の物事を行うとすると、情報のフィルターがけに問題が生じます。また、タスクと関係のない事にも目が行き、タスクを行ったり来たりすることが難しくなります。

さらに、テクノロジーの進化により、現在はいつでも質問に対する答えを見つけることができるようになっているため、情報を保持する能力に影響が出ています。とはいえ、マルチタスクは決断能力を高めるのではないかと科学者は考えています。感覚が鋭くなり、またデジタル化によりスピードが速くなるためです。また、情報処理のスピードも高まります。

デジタル化と発達途上の脳

デジタル化が子どもの脳に与える影響は重要です。今の大人世代と違い、子どもはアナログの世界を知りません。生まれた時からデジタル社会です。2000年より後に生まれた子どもは、「デジタル・ネイティブ」と呼ばれます。

彼らは、常にテクノロジーに囲まれています。その結果、自発的に、自然と違った考え方や現実の理解を発達させます。

このデジタル世代は、成長と共にデジタルの力を発達させます。これは環境のみに影響を受けたのではありません。周りの大人がデジタル社会とどのようにつながっているかも大きく関係します。例えば、子どものエンターテイメントとして、携帯やタブレットを与える親がいます。これには害がないように思えるかもしれませんが、子どもの発達にネガティブな影響を与えかねません

ひとつは、座りっぱなしのライフスタイルになりやすいことで、これは脳の実質的な変化の原因になります。運動しないことにより、神経線維に歪みが生じ、認知能力の衰えにつながります。また、テクノロジーへの過度に触れることで、言語発達にも大きく影響する可能性があることを認めています。コルチゾール値が高まり、脳に損傷を与えることになりかねません。

脳 デジタル化 影響

脳が溶ける?

初めにも言ったように、脳は環境に適応することに長けています。この適応のひとつとして、必要とされていない、あるいは使われていない神経ネットワークを使わずにタスクが行われるようになります。デジタル化がますます進む中で、必要がなくなったり、徐々に劣化する神経ネットワークも出てきます。これは科学者の中で、「進歩のパラドックス」と呼ばれます。

あなたの考えに反するかもしれませんが、これは本質的に悪いものではありません。常に変化する脳は、新たに有効なリソースを使い、他のスキルを磨きます。例えばこの時代、いつでも携帯で情報を検索することができるため、物事を細かく覚えておく必要はないかもしれません。その代わり、情報へアクセスする方法を覚えておく必要はあります。

まとめると、デジタル化は脳に影響を与えます。それに伴い、現実を知覚し、処理する方法も変化するのです。