変化は意見からではなく事例から生まれる

2018年12月17日

教育の基本は事例を示すことです。実際、私たちはみな誰かを参考にしていますし、誰かに影響されています。このように考えると、参考事例に裏付けされていない意見は、無意味なものだと分かります。むしろ、良い意見を述べるよりも失敗談の方が役に立つのです。なぜなら、それらの事例を反面教師にすることができるからです。

人生において、私たちは誰かの手本や直接的経験から物事を学びます。これらの学習は他人の行動を観察することで可能になるため、手本を示してくれる人は学習者にとって興味深く見えます。またこのような代理学習を進めるためには、手本を見たあとに、学習者がそれを何度も繰り返すことが望ましいとされています。

何かを参考にする学習方法は、他の指導方法と比べても、より効率的で学習スピードが早いものの、リスク行動などの学習については参考事例のみで学ぶことはできません。

最悪なのは、良いアドバイスをするときに質の悪い事例を用いることです。

教育とは事例を示すことである

良い事例を示すことで、多くの人を魅了することができます。意見だけでは人を惹きつけることはできません。事例は、自分の意見を補完し魅力的に見せるだけではなく、学習者に対する説得力を強めるのです。学習者は裏付けされている行動に、より耳を傾けます。

教育は講義だけで完結するものではありません授業の中には、実践的な場が必要不可欠であり、これは学習における最終的なゴールでもあります。なので自分の子供や甥っ子、生徒に何かを教えるとき、言葉より行動のほうが彼らに多くの影響を与えている、ということを忘れてはいけません。

社会的立場や個人的立場、家族的立場にかかわらず、教えるだけ教えて、自らが実践的な行動を示さないのは不適切です。このような人は、言葉と行動が食い違っているため効果的なロールモデルにはならず、学習者たちに矛盾したメッセージを伝えてしまいます。

人間にとって迷信よりも揺るぎないものがある。それは見習うべき手本である。

-ホセ・インヘニエロス

言葉は人を惑わせ、手本(事例)は人を惹きつける

手本は誰もが理解できる唯一の教育である一方、言葉には様々な意味合いや暗喩が含まれています。確かに、時に言葉は人々を癒し、新たな視点を生み出してくれます。しかし、基本的に言葉には変化をもたらすだけの長い効力はありません。

もし、自分の態度や日課、習慣を変えたいのであれば、その目標を口にするだけでは不十分です。変化をもたらすのは目標を成し遂げたという事実です。言葉はどの手本が自分に適切かを気づかせてくれる上で大切ですが、たった一度の行動で私たちは多くを学習し、変化を成し遂げることができるのです。

言葉には説得力が宿ります。一方、手本には事実に裏付けされた真実の力が宿ります。誰かの事実に基づいた言葉にはパワーがありますが、それらがない言葉は鉄の塊と同じようなものです。それらの言葉の響きはいいかもしれません。しかし、そこには何の信憑性もないのです。

言葉だけを使う人の説得力や効力は極めて短いのです。それを避けるためには、事例や自分の経験によってその言葉を裏づけなくてはいけません。話し手の経験を盛り込むことで、言葉がより力強くなり、事例が欠けた言葉は抽象的になります。

言葉には説得力がありません。だから私は言葉を使いません。私は、真実と事例によって人を説得するのです。

-フアン・ペロン