偉大なヒーロー、アキレウス神話

11 10月, 2020
アキレウスの神話は非常に有名ですが、この中で彼はどのように描写されているのでしょうか?記事を読み進めて見ていきましょう。

アキレウスの神話は、この不死身ではないながらもほぼ完全で、実質的には無敵の偉大なヒーローの原型を描いています。このキャラクターはトロイア戦争において最も傑出した人物であり、長編叙事詩『イーリアス』のなかで最も重要な主役の一人です。

この戦士は、世界でも最も足が速いとされています。また、アキレウス神話はトロイア戦争に参加した英雄たちの中で彼が一番美しかったということにも触れています。

アキレウス神話は驚くほど影響力が強かったため、解剖学の世界にすら関わることとなりました。足の裏側にあるアキレス腱という部位の名称は、古の時代に様々な地域の人々から崇拝されたこの神話的英雄に由来するのです。

アキレウス神話の起源

アキレウス神話によれば、この英雄の生い立ちは特殊なものだったそうです。彼の母親で海のニュンペーだったテティスは老いぼれた海神ネーレウスの娘で、独特の美しさに恵まれていました。彼女を教育したのはゼウスの妻であるへーラーです。にも関わらず、彼女はゼウス自身や海洋の神で支配者のポセイドーンから言い寄られていました。

神話によれば、ティーターン族のプロメーテウスがゼウスに神託を与え、そこからとてつもない予言が生まれたそうです。その予言とは、テティスは優れた能力を兼ね備えた息子を授かって出産し、その赤子はとても力強く育って自身の父親の主権を奪うだろう、というものでした。このような予言を前にして、ゼウスとポセイドーンはテティスとの結婚を諦めるしかなかったのです。

そしてこの美しいニュンペー、テティスは結局人間の王子ペーレウスと結婚します。その後の物語に関しては、二つの異なるバージョンが存在しています。一番有名なのは、息子が偉大な英雄になることをわかっていたテティスが彼を不死身にしようとした、というものです。この野望を実現するために彼女は彼をステュクスという冥界に繋がる川に連れて行き、その水に彼を浸しました。しかし彼女は息子のかかとを掴んでいたため、アキレウスの体の中でその部分だけが不死にはならなかったそうです。

しかしもう一つのバージョンでは、テティスは彼の体に「アムブロシア」と呼ばれる神聖な物質を塗り込んで人間の部分を焼こうとした、とされています。それを目撃した夫は彼女の赤く染まった手を掴み、強引に息子を引き離しました。これによりアキレウスのかかと部分は黒焦げになったそうです。そしてこの出来事の後、テティスは二人の元を去ります。

アキレウス神話

傑出したヒーロー

子どもの頃から、アキレウスには並外れた足の速さと力強さがありました。また、栄誉への野心や暴力を厭わないような姿勢も見せます。彼にとって最も重要な教師だったのが、フェニックスという賢くて勇敢なケンタウロス です。また、幼少期にパトロクロスと出会い、一生涯彼との友情を貫きました。のちに彼はケイローンの弟子となり、そこで訓練を完了させました。

息子を戦争から遠ざけておくために、父ペーレウスは彼を女装させてリュコメーデース王の宮廷に送り込みました。しばらく匿われていたアキレウスですが、そこで唯一の息子ネオプトレモスを授かります。彼を目撃したオデュッセウスは、ヘレネーを救うためにトロイア戦争に参戦するようアキレウスを勧誘しました。

神話によると、アキレウスがこの戦争に参加したことで彼の圧倒的な能力が発揮され、敵は皆彼を深く恐れるようになったそうです。彼の偉業は、特にポセイドーンの息子キュクノスやアポローンの息子トローイロスを打ち負かしたことで伝説的なものとなりました。

アキレウス神話

英雄の死

長く残虐なトロイア戦争でしたが、参加した全戦士の中で最も恐れられ、最も美しかったのがアキレウスです。彼自身は恐怖心など微塵も持っていませんでしたが、他の者たち全員は彼を怖がっていたのです。全ての戦士が彼のことを無敵の存在だと考えていたため、敵の多くは彼と対峙する前に逃げて行きました。そんな中、彼の幼馴染みパトロクロスが戦場で討たれてしまう場面があります。

神話によれば、この時点からアキレウスはますます猛烈に、そして無慈悲に戦うようになりました。彼はただ、友人の死(ヘクトールの手により殺されました)の復讐がしたかっただけなのです。アキレウスはヘクトールとの戦いの後死んでしまうだろうという神託があったため、炎と鍛冶の神へーパイストスが彼のための特別な鎧を作りました。結局、アキレウスはヘクトールを倒すことに成功します。

それからしばらくして、アポローンに導かれたパリスがアキレウスのかかとを毒の塗られた矢で射抜きました。彼はアキレウスの唯一の弱点を知っていたのです。英雄は死に、母親のテティスと姉妹のネーレーイスたちによって17日間弔われました。しかし皮肉なことに、彼は勢いよく人生を送って若いうちに生涯を終えたいとよく口にしていたそうです。

Zukerfeld, R., & Zukerfeld, R. Z. Psicoanálisis en el siglo XXI: el mito de Aquiles. Sobre ideales culturales y vulnerabilidad. Docta, 3, p-28.