乗馬セラピーの利点、利用法、実践

乗馬セラピーは、患者の様々なリハビリを目的とした、馬と触れ合うセラピーです。自閉症、レット症候群、脳性麻痺等の子どもに役立ちます。今日の記事で、もっと詳しく知りましょう!
乗馬セラピーの利点、利用法、実践

最後の更新: 18 3月, 2021

何らかの病状や障害を持つ人々が利用できるセラピーの選択肢は増えています。患者のクオリティオブライフを高めるのに役立つかもしれないアプローチの一つが、乗馬セラピーなのです。

これは新しいものではありませんが、以前と比べて比重がずっと重くなっています。このような代替的セラピーを行うことで、患者は自分をよりよく知ることができ、個人の成長やクオリティオブライフを高めることにつながります。

乗馬セラピーの主役は馬です。研究により、乗馬セラピーは、自閉症、脳性麻痺、その他の障害や病気を持つ人にメリットがあることが示されています。この乗馬セラピー(EAT)アプローチを発展させた人物、対象になる人々、異なる手法の有無などについて、詳しく見ていきましょう。

乗馬セラピー

乗馬セラピーとは?

EAT、または乗馬セラピー、乗馬療法と呼ばれるものは、自閉症など何らかの神経発達障害を持つ人にぴったりの選択肢です。

馬と行う一連のエクササイズ、ゲーム、アクティビティを通し、患者の認知的、身体的、感情的、社会的、あるいは職業上の発達を促すことが目的です。より一般的に言うと、患者のウェルビーイングやクオリティオブライフを高めることができるのです。

乗馬セラピー中、患者は馬に乗ったり、ブラッシングをしたり、なでたり、エサをあげたりします。また、馬と遊んだり、馬に乗りながら様々なアクティビティを行うこともできます。個人の身体的そして精神的特徴に合わせ、馬と触れ合うことを最大活用できるような個別の治療法が取られます。

起源

乗馬セラピーは、体や心の痛みを予防し、治すために乗馬を勧めた古代ギリシャ人の時代にまでさかのぼります。

乗馬セラピーの公式な実践が始まったのは、1969年のメキシコです。メキシカン・オリンピック・アスレチック・センターのトレーナーRogelio Hernandez Huertaが、乗馬セラピーの創造者とされています。そして同年、乗馬セラピーに特化した最初の施設が建てられ、また、北米障害者乗馬協会(NARHA)ができたのもこの年です。NARHAのミッションは、乗馬セラピーを提供する人物や施設をコーディネートし、公的な認定を行うことでした。

乗馬セラピーは誰のため?

上でも述べたように、乗馬セラピーは身体的あるいは精神的障害を持つ人に最適です。以下では、その他のタイプの障害で、効果が期待できるものをご紹介します。乗馬セラピーは大人も子どもも利用できます。よく乗馬セラピーが勧められるタイプの症状を持っている人には、以下のような例があります。

  • (身体的・精神的・知覚)障害
  • 神経発達障害(自閉症など)
  • 社会適応障害
  • その他の病気

乗馬セラピーは、特に自閉症スペクトラム障害、脳性麻痺、あるいは、レット症候群、脊髄や脳の障害、多発性硬化症、繊維筋痛症などを持つ人に有効です。セラピストは、それぞれのケースごとにアクティビティやセラピーの目的を適切に調整します。

乗馬セラピーのメリット

乗馬セラピーの精神的および身体的メリットは、研究により支持されています。最も重要な精神的および感情的メリットを次にご紹介します。

乗馬セラピーの身体的メリットには、筋肉の発達やバランスの調整、体力、運動技能、体の連動、耐久力の向上などがあります。

乗馬セラピーと自閉症

ここまでにも述べてきたように、乗馬セラピーは、自閉症の子どもにぴったりです。Perez等(2008)により行われた研究では、乗馬セラピーは、前庭、固有受容、触覚、運動という4つの刺激を子どもに与えることが示されました

De La Prieta (2017)が行った別の研究では、馬から伝わる熱と振動、3Dの動きにより、神経構造が刺激され、これが発達に良いことが分かりました。

また、『Mediciego』に掲載されたDelgado and Sanchez (2015)の研究によると、自閉症の子どもは、馬と感情的接続を形成することが可能であると示されています。馬に乗ることにより、安心感が得られ、自尊心にポジティブな影響がもたらされるのです。

乗馬セラピー

乗馬セラピーのタイプ

乗馬セラピーにも様々なタイプがあります。次に、最もよく知られているものをご紹介します。

  • 治療的乗馬:馬に乗りながらエクササイズを行います。これにより、バランスや調整を高めます。
  • ヒッポセラピー:この種の乗馬セラピーでは、患者が馬と一緒に、あるいは馬に乗りながら、身体的セラピーエクササイズを実施します。患者を助けるために、馬から伝わる熱やリズム、3Dの動きを利用することが目的です。
  • 乗馬支援学習(EAL):非常に人気があるもので、馬に慣れ、馬を世話することすべてが含まれます。モチベーションを高め、感情表現を刺激し、集中力を高めるなどのメリットがあります。
  • 適応乗馬:すでに乗馬の経験があり、様々な機能的問題を抱える人のためにあります。スポーツを患者のニーズに合わることが目的です。

まとめると、乗馬セラピーは非の打ちどころのないメリットがある療法ツールです。自閉症やその他の病気、障害を持つ子どもにぴったりの選択肢なのです。

また、乗馬には種類があり、様々な問題を抱える人に適応できるため、大人にも最適です。セラピー中患者に付き添う人は、必ず資格を持つ専門家、一般的には専門の身体療法士でなければなりません


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  • García, S. (2010). Equinoterapia: Un binomio con fines terapéutico. Universidad Veracruzana. Médico Veterinario Zootecnista.
  • Pérez, L., Rodríguez, J. y Rodríguez, N. (2008): La Equinoterapia en el tratamiento de la discapacidad infantil. Revista Archivo Médico de Camagüey, 12(1).

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。