解決嫌悪:とてもよく見られる行動

02 10月, 2020
具体的な問題を解決するための共通の方法を見つけるのは非常に難しいことです。問題があること自体を否定することにつながるような考えをもつ人やイデオロギーをもつ集団の場合、解決はより困難になります。これが「解決嫌悪」と呼ばれるものです。

「気候変動は存在せず、ある集団の利益のためにでっち上げられたものだ」「働く気がないから貧しいのだ」「健康に問題はないから、自分は何を食べてもいいし、運動もしなくていい」これらは、「解決嫌悪」の一例です。

上に挙げた例のような極端な主張をする人に出会ったことはありませんか。このような人の話を聞くと、フラストレーションがたまり、どうしようもなくなります。なぜ明確な証拠を否定するのでしょうか? 中には、今でも喫煙の危険を否定する人もいます。

なぜ、明確で確証されている科学的証拠を否定するのかについて、心理学者は関心を向け続けています。さらに、最近の社会的状況を見ると、この「解決嫌悪」は政界の分極化において悪化しているようです。

2014年、オレゴン大学の心理学者トロイ・キャンベルとアーロン・ケイがこれに関し調査しており、解決嫌悪の名付け親でもあります。詳しく見ていきましょう。

解決嫌悪

解決嫌悪とは?

解決嫌悪と関連性の高い人に、気候変動を否定する人がいます。海面や気温の上昇、毎年気象現象が極端に悪化していることもこの人たちにとっては問題になりません。また砂漠化にも納得していないようです。

気候変動を否定する理由の一つは、活動家がこの現象をとめるために提案する解決策が気にいらないというものがあります。化石燃料消費を大きく抑えることは解決法の多くに関わるものですが、これは産業や生産を大きく変えることを意味します。

解決策が気に入らない場合、問題全体を否定することがあります。しかし、ここでとどまらないことも少なくありません。問題を否定するだけでなく、その証拠を支持する人を攻撃したり、侮辱することさえあるのです。

心筋梗塞になった後も、禁煙しなかったり生活を変えようとしない人も、解決嫌悪の明確な例です。「人はいつか死ぬ」あるいは「父親は愛煙家だったが95歳まで生きた」などの主張はよく聞かれます。

解決嫌悪は、解決策を自分の人生の脅威と捉え、自分の習慣を変えようとしない人に見られます。

イデオロギーが解決を認めさせない

約6年前、トロイ・キャンベルとアーロン・ケイは「解決嫌悪」を見出しました。解決嫌悪理論によると、この行動を見せる人には2つのタイプがあります。

  • 個人のイデオロギーに見合わないため、解決策を認めない
  • 自分のニーズ、好み、興味に反するため、解決策を認めない

前者がより多く見られるもので、政界で注目される傾向があります。例えば、アメリカの共和党は昔から、気候変動や銃規制への対応に反対しています。これらの問題を認めることは彼らの関心に反するもので、問題を否定する方が簡単なのです。一方で民主党は、変化を提唱する唯一の社会的、政治的集団であると訴え続けています。

解決嫌悪

問題の容認を避ける解決嫌悪

15歳のある男の子は、糖尿病の診断を受けました。しかし、彼は診断名を受け入れられません。インシュリン注射や糖分の管理にストレスを感じるためです。

68歳のある女性は、片目に問題があると診断されました。そのため、運転免許を更新することはできません。しかし、彼女は片目に問題があっても運転能力には何の問題もないと、現実を認めません。運転を続けたいのです。

このように、問題に対する解決策が気に入らない時、人はどうするかについて例を挙げるのは簡単です。解決策が気に入らないのは、ライフスタイルを変えなければならないためです。向き合うとなると、恐怖や怒り、フラストレーションなどが表出しがちです。

解決嫌悪は、意外によく見られる問題です。公益について考えると、これは非常に厄介です。解決に向かい共に努力することができないため、社会として前進する能力に支障が出てしまうのです

  • Campbell, T. H., & Kay, A. C. (2014). Solution aversion: On the relation between ideology and motivated disbelief. Journal of Personality and Social Psychology, 107(5), 809–824. https://doi.org/10.1037/a0037963