感情を理解するためのアントニオ・R. ダマシオの5つの言葉

· 2018年9月23日

アントニオ・R. ダマシオの言葉は、人間の成長における感情の重要さを表わしています。神経学者のダマシオほど、人間の感情やモチベーションの分野に貢献してきた人はいません。「脳の魔法使い」と呼ばれているのには理由があるんです。

ヴィラヤヌル・S・ラマチャンドランも、権威ある有名神経学であり、カリフォルニア大学で教えています。 ホモサピエンスは自分たちの精神に存在する宇宙を見ることができた興味深い生き物だ、というのは彼の言葉です。この詩的な表現は、明白であり真実です。自分について反省をした瞬間、種として大きな一歩を踏み出します。

 

「意識する精神は、脳の様々な部分の整理統合された機能の結果である。」

-アントニオ・R. ダマシオ-

人間の脳が宇宙と同じくらい謎で溢れていることは否定できません。星が散りばめられた底知れない暗闇を見つめると、自分を見つめているようなめまいの感覚を覚えます。しかしアントニオ・R. ダマシオによれば、近年宇宙についてよりも脳について分かっていることの方が多いと言います。

ダマシオは素晴らしい科学者であり、群を抜いた教育者です。好奇心旺盛で熱心です。人間が自分自身に問いかけるような疑問への答えを持っている神経学哲学家です。結局、人間としての存在、人間が感じること、築き上げてきた社会や文明のすべてが、脳と言う類まれな器官の中にあるのです。

脳

自分をよりよく知るためのアントニオ・R. ダマシオの言葉

人間は、ある一つの理由から他の動物とは異なります。洗練された知性です。他の種と人間を分けるいくつかの局面が知性にはあります。一つ目は、人間には驚異的な記憶力があるということです。もう一つは言語の使用です。それに加え、ダマシオが人間の重要な特徴として挙げるもの―それは感情です。

人間の存在、成し遂げてきたもの、すべては感情のお陰です。これによって、問題への解決策を見つけるモチベーションが上がります。障害にぶち当たった時、別の策を見つけたり、新しい道を見つけたりするよう後押しします。情動と感情の明白な違いも、ダマシオの理論に置いて重要な局面です。

みなさんが思っていることに反しているかもしれませんが、この2つは同じではありません。これはダマシオの言葉の中でよく出てきます。ここでご紹介するコンセプトや言葉は、彼の著書であるデカルトの誤り: 情動、理性、人間の脳』、『物事のおかしな順序(The Strange Order of Things)』、『無意識の脳 自己意識の脳』などから抜粋しています。

1. 感情は精神的経験

「感情は、自動的な情動をある程度予期してコントロールするためのドアを開いてくれる。」

恐怖や不快感を与える人に直面した時、体は情動で反応します。心拍数があがり、寒気を覚えて、お腹が痛くなったりします…

その恐怖や関連する思考に対して人が持つ精神的な象徴が、感情を生み出します。これは、間違いなく良く知られたダマシオの言葉のひとつです。情動は感情に先行し、これらは科学的・ 有機的変化です。しかし、感情は人間が決断を下す助けとなってくれます。先述の例から、恐怖を与えるような人からは距離をおこうと考えるようになります。

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2. 人間の意識

「意識とは何か。答えは簡単です。意識は、生体の精神の届く範囲を広げてくれます。それによって生体の人生が改善します。」

アントニオ・R. ダマシオは、この点をはっきりさせています。意識は生き物の中に存在するものです。脳(霊長類、イルカ、イヌ、爬虫類もです)が自分という感覚を生み出すとき、意識が現れます。これは脳のどこかにある機能ではなくて、プロセスなのです。

人間が他の種とは違うところがあります。それは、進化によって人間の意識がより広がった点です。人間は創造性、記憶、論理的思考を手にしました。

3. 情動によって動かされる人生

「すべての始まりは情動です。感情は、受動的なプロセスではありません。」

ダマシオの作品を理解したいのであれば、重要な言葉です。彼の理論は次の原則から来ています。情動は、はっきりした形を形成する一連の化学的・神経的反応である、ということです。何か刺激に直面した時、特定の反応が起こります。脳は習得された行動パターンの進化の結果であるからです。

情動的な反応のあと、精神的なプロセスである感情がやってきます。これによって、人間は情動を制御して、特定の行動へ向けます。それをより効果的あるいは非効果的なタイプの反応へ向かわせます。このようなものであるからして、情動は生命の火花と言えます。これによって行動に導かれるのです。

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4. 思いやりの重要性

「人間が繁栄するような良い情動を育てる方法を学ぶべきだ。」

アントニオ・R. ダマシオは、社会危機に関して敏感であることを示してきました。暴力、不平等、対立などに関して講演の中で良く話しています。人間は思いやりの感覚を失ってしまった、とダマシオは考えています。人間は怒りや憤怒などのネガティブな感情に気を取られてしまっているのです。

ポジティブな感情を促進する環境を作り出すことができなくてはいけません。そうしなくては、人間の繁栄も、人間がお互いを理解できることもありません。

5. 人工知能の行く末

「人工知能が人間のこころを再現できるという考えには断固として反対です。感情を持つ能力が人工知能にはないからです。」

アントニオ・R. ダマシオの最も有名な言葉のひとつです。人工知能やその未来に関して、ダマシオは懐疑的です。物事のおかしな順序』で説明しているように、このタイプの存在は人間の意識とは決して比べられるべきではないとしています。わたしたちの脳は、洗練された進化のプロセスの結果であるということを覚えておかなくてはいけません。

コードやシリコンが基礎にあるこれらのコンピューターのプロセスには、過去の経験、感情、恐怖、脆弱性、意識がありません。だから感情もないんです。かなり役立ちますが、知的な存在へとはなり得ません。ロボット

ダマシオの言葉で見てきたように、人間は、自己認識、言語、感情によって特徴づけられた脳の発達の賜物です。1000億ものニューロンからなる脳は不思議で溢れているように思われますが、ダマシオのような科学者が日々これらの課題の理解を深める努力を行っています。