厳しすぎる親に育てられた子どもはどうなる?
親たちは我が子に一番になってほしいと願うものです。しかし、親たちがあまりに厳しすぎると問題が生じます。彼らには、子どもたちが親の願いを命令のように感じており、逆に悪い結果を生んでしまうことを理解できていません。しかし、理解できていないからと言ってこういった親たちの行動を正当化できるわけではないのです。
厳しすぎる親たちは、自身もまた親からの要求が多すぎる環境で育ってきた人たちです。子どもたちが何をやっても十分でないように思え、学校で良い成績を取ることだけの問題では済まされません。スポーツをやらせてあまり上手くできなかったりすると、常に「でも」や「もっと上手くやれるはずだ」といった言葉が子どもたちに投げかけられるのです。
厳しすぎる親たちは自分たちもこのように育てられたために、自分の子どももそう育てねばならない、と信じ込んでいます。しかしこの育児手法はいくつかの悪い結果をもたらすことにつながるかもしれません。
厳しすぎる親たちは完璧主義に囚われている
厳しすぎる親たちの子どもは、常に親の期待に応えようとします。しかし何をしても親が満足してくれることはないため、子どもたちは罪悪感を感じるようになります。悲しいことに、子どもたちは自分自身に対しても厳しくなりすぎてしまい、今ある自らの能力や資質以上のことを自分に要求し出すのです。これはかなりのストレスと不安を引き起こしかねません。
ANAR Foundation(スペインの児童支援団体)は、危険にさらされている子どもたちや十代の少年少女について、「特定の構造のパーソナリティ(自己要求が強い、制御の必要性がある、完璧主義に囚われている、など)は拒食症や過食症などの摂食障害を引き起こす恐れがあります」と説明しています。
親に「算数でB-を取れるといいね」と言われた子どもがその成績を取り、その後で「お前ならできると思っていたよ。じゃあ次はB+を目指してごらん」と言われてしまうと、その子は複雑な気持ちを抱きます。お母さんあるいはお父さんは決して自分を誇りに思ったり自分に満足してくれないのだ、と考え始めるのです。おそらく最初のうちは平気でも、子どもがAという成績を取った後に親がA+を要求すると、その子は次第に燃え尽きてしまうでしょう。
親たちは子どもに学校でいい成績を取って欲しいと願うものですが、これが悪循環に変わってしまうと、彼らは子どもが次に何か大それたことを成し遂げるまで決して我が子を誇りに思うことがなくなります。これが、前述の拒食症や過食症といった疾患を引き起こすような厳しすぎる環境なのです。しかし子どもたちに及ぼされる影響はこの二つだけではありません。
どんな結果にも満足しない親たち
厳しい親の元で育つ子どもたちは、プレッシャーのせいで壊れてしまう可能性があります。臨床心理士で教授のエイミー・ボブロウ博士は、「お子さんが良い行いをして誇らしく思った時には彼らとコミュニケーションを取るようにしてください。そうでないと、『どうしていつも私(僕)に小言を言うの?なぜいつもガミガミ怒るの?』と子どもたちに思わせてしまいます」と述べています。
どんなことをしても十分ではないと思われてしまうので、子どもは別の態度を示し始めます。もちろんパーソナリティはその子によって異なりますが、前述の摂食障害の他にも、何かがおかしいということを知らせてくれるような警告サインがいくつか存在しています。
- 全てのことをどうでもいいと思っているかのような、受け身的な態度。子どもたちは悲しみを感じ、やる気を失い、うなだれています。そして心の中で自分は負け犬だと考えているのです。これはうつ病に繋がる恐れがあります。
- 親を困らせようと反抗的な行動をしたり、破壊行為に及んだりすること。親から注目されたいという願望の表れです。
振る舞い方は様々ですが、子どもが常に緊張感を持ち続けることは不可能なのに、彼らはいつも親から認められよう期待に応えようとします。
遅かれ早かれこういった子どもたちはうつ状態になってしまうか、親が嫌がるようなことだけを行うようになります。これは、子どもたちがそのせいで不満を抱いているからです。そして問題なのは、どちらの反応も悪い結果をもたらすという点です。
大抵の場合、多くの子どもたちが学校を辞めてしまったりかつては好きだったはずのスポーツをやらなくなってしまいます。親からのプレッシャーが重すぎてそれ以上続けられなくなるのです。これが、厳しい親たちがただ子どもに一番になって欲しいと思っているだけだったとしても、ほとんどのケースで反対の結果になってしまう理由です。
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