「気持ち」と「感情」の3つの相違点

2019年3月31日

「気持ち」と「感情」の違いに悩んだことが一度はあると思います。この2つの概念は同時に発生するため、確かに混乱しやすいものです。しかし、「気持ち」と「感情」の違いを理解しておくことは大切です。それぞれに個別に対処する必要があり、それぞれが持つ必要性も違います。

この記事では、「気持ち」と「感情」の3つの主な違いを簡単に説明します。これを学ぶことで、2つの概念を区別して感情指数を向上させることができます。それにより、より内省的になり後悔することを避けられるようになるでしょう。

感情も気持ちも、私たちをその場の勢いで行動させることがあります。しかし、それらの差異を明確化できれば、より簡単にコントロールできるようになります(Goleman, 1996)。

気持ちと感情の3つの違い

1.自動的なものと合理的なもの

感情は通常、脳の原始的な部位である辺縁系の機能によって引き起こされます。一方、気持ちは前頭葉の働きによって生じます。言い換えれば、気持ちの方が抽象的な考えである反面、感情は進化の過程で人類が身につけた本能的な機能であると言えます。また、少し奇妙ですが、人間が一度に感じることのできる感情の数には限りがあります。一方で、気持ちにはその限界がありません。

実際、私たちは気持ちを言葉で定義する一方で、感情は精神生理学的に定義されます。気持ちは出来事への解釈や感覚に由来しているの対して、感情は神経システムの反応によって発生します(交感神経と副交感神経)。

脳の画像

2.現れ方と変化のスピードにおける差異

感情は突発的であるのが特徴です。身体が発する危険信号であり、生き残るための仕組みです。一度何が起きたか理解できて、なぜそのように感じたかが分かると、感情ではなく気持ちへと移行します。気持ちを感じるためには、何が起こったのか考え(感情を評価する)、自分がどのように振舞ったかについて反省し、それを心理的に発展させていく必要があります。

感情が突発的であるために、物事に対してのもう一つの評価と動機付け方法として気持ちが存在します。一言で言い表せば、気持ちとは感情の残留物です。実際、気持ちと感情の大きな差異の1つは、気持ちは少しずつ発展していくということです。気持ちは変わることもあれば、何日も、何週間も、何か月も、時には何年にもわたって存在し続けることもあります。

3.感情は気持ちより力強い

感情とは人間が生まれ持った警告システムであるため、それはとても強い刺激にないります。普遍的かつ基礎的な感情には、喜び、怒り、恐れ、驚き、そして悲しみなどがありますこれらの感情が私たちに行動させたり、あるいは行動を止める動機になったりします。こういった意味では、驚きという感情は、その場の状況の警戒と把握を促す機能がある中立的な感情であると言えるでしょう。

映画「インサイド・ヘッド」を見ると、それぞれの感情が行動を促したり止めさせたりするのを観察できます。例えば、悲しみは周りの人々と距離を置く原因になります。しかし一方、気持ちは感情よりも多様でゆっくりとしたものであり、不快感や嫌な感覚を止めるために何ができるか、ゆっくり考える余地を与えてくれます。

感情と気持ち

非活性化テクニックや注意の変換を通して、負の感情をコントールすることが出来るというのは強調しておくべき点でしょう。一方で感情修正体験やソクラテス式問答法、ガイド付き瞑想などは気持ちをコントロールするのに役に立ちます。そのほかにも、リラックス効果を使ってコントロールする術もあります。

気持ちと感情のコントロール

このように、気持ちと感情は異なる概念です。そのため、そこにはそれぞれ異なったコントロールの方法があります。感情は、その時感じた刺激を切り離すことでコントロールすることができます(例えば、怒りを避け理性的に対処するなど)。一方、気持ちは誰かに聞いてもらったり、気分を切り替えることでコントロール可能です。

とにかく、感情を管理することも気持ちを再解釈することも可能であるということです。それは精神面での健康にも繋がるのです(Bigman, Sheppes & Tamir, 2017)。

  • Bigman Y. E., Sheppes, G. & Tamir, M. (2017). When less is more: Effects of the availability of strategic options on regulating negative emotions. Emotion, 17(6), 993-1006.
  • Goleman, D. (1996). Inteligencia emocional (4a ed. edición). Barcelona: Kairos.