気体の神経伝達物質:一酸化窒素の働き

2019年10月13日
一酸化窒素について聞いたことはありますか?睡眠、力、セックスで重要な役割を果たす一酸化窒素なしでは、私達は生きていけません。一酸化窒素の働きを学びましょう。

一酸化窒素は、素晴らしい機能をもつ神経伝達物質です。例えば、記憶に役立ち、睡眠の質に関わり、性的関係をも高めます。ここでは、一酸化窒素の働きを詳しく見ていきます。

体内には、無数の物質が止まることなく、巡り続けています。その中のひとつが、神経伝達物質で、他の物質と同じように、私達の行動を調整します。ここでは、あまり知られていない一酸化窒素の働きについてお話します。

マーク・F・ ベアー、ベリー・W・コーナーズ、ミカエル・A・パラディソは、著書Neuroscience: Exploring the Brainに、一酸化窒素(NO)はアミノ酸アルギニンから生成され、細胞間のメッセンジャーとして働くと記しています。一酸化窒素はエキゾチックな化学的メッセンジャーの一種です。

一酸化窒素は神経系の中の小さな物質で細胞膜への透過性があります。他の伝達分子より自由に拡散することができます。細胞を通り抜け、後ろにある細胞に影響を与えることができます(Bear, Connors & Paradiso, 2016, p. 162)

さらに、脂溶性で、神経系の中で神経伝達物質として働きます。また、様々な身体的機能にも関わります。これにより、一酸化窒素の発見は様々なタイプの研究に発展しました。例えば、ドゥアリエ・エスピノサ、ディアス・サンチェス、リー・エン、ミハンゴス、バラガンは、一酸化窒素の臨床的意味を研究し、科学雑誌 Journal of Internal Medicine of Mexicoに載りました。

一酸化窒素

 

一酸化窒素で重要なこと

一酸化窒素の神経系における働きや機能を理解すると、その重要性に気づくでしょう。次に詳しく示します。

  • 免疫系パフォーマンスを向上させる
  • 記憶プロセスの動力を優先する
  • 一酸化窒素はにおいなどの感覚を働かせるのに役立つ
  • 炎症や血栓の減少に役立つ
  • 筋肉に持続力を与え、鍛え、発達させるのに役立つ
  • 胃の機能において重要な役割を果たす

一酸化窒素は必要な基準を満たしていないため、神経伝達物質とは呼べないと考える専門家もいます。また、気体分子は神経調節物質の機能を果たすという専門家もいます。

 

一酸化窒素の働きに関して興味深い情報

一酸化窒素は上記の機能に関わるだけでなく、他にも驚くべき機能があります。一酸化窒素は勃起組織に必要な物質で、さらに、良い眠りにも役立つのです。

セックスへの影響

神経伝達物質アセチルコリンと結合し、一酸化窒素は勃起組織で機能します。副交感神経終末から血管作動性腸ペプチドが放出され、クリトリスやペニスにある動脈の平滑筋細胞を弛緩させます。

その結果、通常弛緩状態の動脈に多くの血液が流れ、その部位を膨張させます。つまり、一酸化窒素が、性器の膨張を可能にしているのです。クリトリスやペニスに影響を与える一酸化窒素はセックスに欠かせない物質です

勃起不全の薬にも一酸化窒素の機能が利用されており、これによりペニスに血液が送られます。昨今、この種の薬ではバイアグラが知られていますが、この薬が一酸化窒素の神経終末への放出を促す仕組みになっています。

睡眠への影響

二つ目は、一酸化窒素が与える睡眠の質や睡眠の長さへの影響です。どのように作用するのでしょうか?一酸化窒素は、特定の神経にメッセージを届けるのを遅らせ、覚醒のシグナルを送ろうとする脳の活発化を遅らせるのに役立っています。

睡眠 一酸化窒素

気体分子の数値が覚醒時にピークに達することから、神経伝達物質が与える睡眠の質への影響は、少し理解しづらいかもしれません。また、睡眠不足の時、数値は急激に上がります

より技術的な面で言うと、気体分子はノンレム睡眠を促すアデノシンを放出させます。そして、覚醒を助長する神経の活動性を抑えるのです

まとめると、一酸化窒素は他の神経伝達物質と同様に欠かせないものです。神経系でいくつもの機能を果たし、健康的な機能に役立っています。素晴らしいことですね!

一酸化窒素の働きがあるおかげで、血液がうまく凝固し、よく眠れ、強くなり、自分を守り、様々な臭いを認識し、さらに、オーガズムに達しやすくなるのです。

Bear, M. F. Connors, B. W., PAradiso, M.A. Nuin, X.U., Guillén, X.V & Sol Jaquotor, M.J. (2008). Neurociencias la exploración del cerebro. Wolters Kluwer/Lippicott Williams & Wikins.

Duarte Mote, J., Espinoza López, R.F., Díaz Meza, S., Sánchez Rojas, G., Lee Eng, V. E., Mijangos Cháves, J.M., Barragán Garfias, J.A. (2008). Óxido nítrico: metabolismo e implicaciones clínicas. Revista de Medicina Interna de México, 24 (6), pp. 397-406.

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