喫煙はCOVID-19による合併症のリスクを高める

中国およびアメリカ合衆国で行われた研究で、重度の喫煙習慣のある中国人男性たちが、COVID-19による合併症のリスクに晒されやすいことが明らかになりました。
喫煙はCOVID-19による合併症のリスクを高める
Fátima Servián Franco

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Fátima Servián Franco.

最後の更新: 21 12月, 2022

急性呼吸器感染症は人口全体に影響を及ぼしていますが、特に高齢者や免疫力の弱い人々の間で流行します。そしてこういった人々はより深刻な合併症状に苦しめられる恐れがあるそうです(クナイプ、2013年)。コロナウイルスについても、肺を攻撃し、肺炎を引き起こす力を持つという事実がすでに証明されています。また、喫煙習慣のある人はCOVID-19に感染した際の合併症リスクが高まります。

急性呼吸器感染症はどんな人でもかかる可能性があるよくある感染症で、ほとんどがウイルス感染により起こります。しかし、成人の急性呼吸器感染症においてウイルスがどのような働きをするのかに関する研究はあまり多くはありません。それに加えて、コロナウイルスの働きに関する分析はますます少ないのです(タルボットとフォールス、2010年)。

研究者たちは、なぜ男性の方がよりCOVID-19に感染しやすいのか、明確な理由は存在しないと指摘します。ただ、一部の研究者はこれはWHOが言うところの「女性の生物学的・先天的な利点」のためだ、としています。

毎年、喫煙が原因で約600万人もの人々が亡くなっています。そのうち500万人が喫煙者で、60万人が受動喫煙者(他人の喫煙で出る副流煙に晒される人々)です。したがって、これはドラッグやアルコールによるものよりも高い死亡率ということになります。

喫煙 COVID-19 合併症 リスク

喫煙習慣によってCOVID-19感染の合併症リスクは上がるのか?

2014年にパルマ・デ・マヨルカにて行われた研究では、コロナウイルスOC43、NL63、および229Eによって引き起こされる呼吸器感染症にかかった成人患者が持つ臨床的・疫学的特徴が特定されました。

コロナウイルスによって発症する急性呼吸器感染症は主に喫煙習慣のある中年男性に多く見られます。また、彼らは既往症の影響を受けていることが多いそうです(レイナ、ロペス・カウサペ、ロホ・モリネロとルビオ、2014年)。

喫煙は多くの呼吸器疾患、特にウイルス感染による疾患の主要な病因の一つです。前述の調査の患者のうち23人(47.9%)も能動喫煙者でした。調査の責任者は、ここに利害の対立は存在しないと述べています。

ノッティンガム大学の教授であるギスリー・ジェンキンスがこれについて説明しており、喫煙が慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクを高めると話しています。さらに、COPDを抱える人々はコロナウイルスに関連する呼吸器疾患で苦しむ危険性も高くなるそうです。

男性のガンの33%、そして女性の10%は喫煙が原因です。さらに、肺ガンの最大90%が喫煙によって引き起こされています。

喫煙 COVID-19 合併症 リスク

コロナウイルスに感染した際の合併症

コロナウイルス感染に伴う、最もよく見られる合併症は非特異性インフルエンザ(43.7%)、肺炎(29.2%)、そして急性慢性閉塞性肺疾患(COPD)(8.3%)です。患者のうち52%が、二度にわたる入院で集中治療を受けなければなりません(レイナなど、2013年)。

年間を通して罹患者が出ますが、コロナウイルス感染には季節的なパターンがあるようで、主に冬季に現れます(タルボットとフォールス、2010年)。

いくつかの研究で、専門家はOC43が半年ごとに観測され、その年の最初の四半期のものよりも強力になることを発見しました。レイナ等による調査(2013)では、コロナウイルスによる呼吸器感染症の発症は年間を通して確認されました。しかしその大半(58.3%)は1月から3月の間に発生していました。

希望の光

最後に、いくつか見えかけている希望の光もあります…。スペイン国立研究協議会(CSIC)はプリチデプシンがコロナウイルスHcoV-229Eの増殖を食い止める様子を試験管内で示しました。このウイルスは現在パンデミックを巻き起こし、全世界の半数の人口を自宅に閉じ込めている新型コロナウイルスと同じ種族に属しています。

研究者たちは今、この薬品がSARSコロナウイルスに対しても効果的なのか研究しようとしています。これは、COVID-19疾患を引き起こすSARS-CoV-2と非常によく似たウイルスです。

CSICのウイルス学者イサベル・ソーラはコロナウイルス研究に20年以上も携わってきた経験を持っていますが、彼女はこの薬品が新型コロナウイルスにも効果的かどうかが分かるまでにはもう2、3ヶ月の辛抱だ、と述べています。

喫煙者の心血管疾患や慢性気管支炎、肺ガン、そして肺気腫に関連する致死率は70%以上です。


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  • D.M. Knipe, P.M. Howley (Eds.), Fields virology (6th ed.), Wolters Kluwer, Philadelphia (2013), pp. 825-858

  • H.K. Talbot, A.R. Falsey The diagnosis of viral respiratory disease in older adults Clin Infect Dis, 50 (2010), pp. 747-751
  • Reina, J., López-Causapé, C., Rojo-Molinero, E., & Rubio, R. (2014). Características de las infecciones respiratorias agudas causadas por los coronavirus OC43, NL63 y 229E. Revista Clínica Española214(9), 499-504.


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