細やかな事に心を傾ける美しさ

06 3月, 2018

思慮深い心は、小さな物事や本物の愛情への気づきによって作り上げられます。その小さな気づきはお金に替えられるようなものではありません。なぜなら小さな気づきには、暗い日々をも明るく変える力があるからです。

絵画の印象派に詳しい人なら誰でも知っているクロード・モネの「印象、日の出」という作品があります。1874年の革命的な芸術運動の中で、印象派という言葉はこの作品から名づけられました。この絵はとても興味深いタッチで描かれています。自由で素早く、ほとんど乱れていると言っても良い筆づかいがされており、それでいて人の注意を惹きつけます。絵を間近で見てみると、混乱や混沌とした無秩序感を見て取れます。ですが後ろに下がり離れて見てみると、絵の意味を理解することが出来ます。

 

「私という人間はきっと夢、変化、天使を見過ごさないというこの3つから成り立っている。」

₋ ウォルト・ディズニー ₋

 

この絵はその全ての詳細、全ての筆づかいが重要なのです。これらが一体となってまるで今にも動き出しそうな絵が完成しています。水の静けさの中に浮かび上がる太陽。全てのタッチがその光、湿度、コントラスト、遠くに浮かぶ船、水に溶けるような生き生きとした空を作り上げているのです。

生きたアートを創作するには想像以上の努力と細やかさが必要になります。それは私たちの人生にも同じことが言えます。人から与えられる言葉、選択、特別な時間などの心のこもった小さな瞬間全てが、あなたの人生を明るく生き生きとしたものにし、あなたを導くのです。それらは有意義な人生を築き上げる生きたキャンバスなのです。

印象、日の出

 

小さな物事に感謝するためには、心をオープンにしなければならない

魔法は存在します。電話のアプリやネットフリックス、有名ブランドの車やコンピューターを見たり手に入れたりする必要などありません。こういった物の中から探そうとしなくても、本物の美しさというものは生活の細やかな部分に隠れています。

場合によってはじっくりと観察し受け入れることでしか認識できない事もあります。今を生き、感じることで、命を実感することが出来るのです。

例えば夜明けの蜘蛛の巣です。目に見えにくい蜘蛛の巣も、朝露が真珠のように光り輝き自然の美しい光景を作り上げます。これは2人の人間が初めて出合った時の事を話す父親を、憧れの目で見つめる子供などもそうです。この友人たちは、互いが同じ本を読んでいる事を知って微笑み合っていのかも知れません。日常の中に小さな幸せは存在します。私たちを触発し記憶にこびりつく、現実の些細な変化なのです。

このような細かいことに気付くには、しっかりと現実を生きなければなりません。始めにクロード・モネについて話しをしましたが、他の画家も同様、彼は夕陽の咲く畑や池の水など自然の美しさを観察するのに何時間も費やしたことでしょう。

私たちは普段こういった身の回りの出来事に注意を傾ける事を忘れがちです。あまりに忙しく手に余るほどの物事に囲まれていて、ほんの少ししか目に留まらず多くの事を見逃してしまっているのです。インパクトがあるものにしか目が行っていないのです。素早く簡単に手に入るニュースや情報などにしか注意を向けていません。

ハートを握る手

ここで視床についてお話します。視床は、目から得た情報を何に注目するのか決めるフィルターに通す働きがあります。これは脳の意識と直接つながりがあります。

ですので意識の広がりは、受け入れる体勢によって変わると言えます。抜け目なく好奇心を持って心のままに周りを見つめる事は、日常の美しさに気付くきっかけとなるのです。

 

物ではなく時間を費やす、細やかな事に心を傾ける人々

数年前にロチェスター大学の科学者たちが行った研究があります。細やかな事に心傾けられる人はより賢い、といった研究結果が雑誌「Current biology」で紹介されました。観察する事には、人の気づきにくい小さな現実を見つける力があります。また、とても繊細な人ほどこういった傾向があります。

 

「我々は一般性の中に生きていると考えているが、実は些細な物事の中で生きているのだ。」

₋ アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド ₋

 

つまり細やかな事に感謝の気持ちを持てる人は、自分の事をよく知っており、他人と最も上手く関われる人なのです。小さなことに気づき注意を払える人は、他人を尊重、感謝する事を忘れないので、強く幸福で有意義な人間関係を築くことが出来ます。

芸術は物ではなくその一瞬に注意と時間を注ぐことで生まれます。描くひと筆ひと筆、それぞれ全てが重なって光を作り上げるのです。私たちは人生の絵を描くとき、正しい色を選ばなければなりません。そこには時間と努力を費やす価値があるのです。