言葉がなくても人と通じ合う動物の目

言葉がなくても人と通じ合う動物の目

最後の更新: 31 12月, 2017

自分の猫やその他の動物の目を見つめるとき、そこに見えるのはただの「動物」ではありません。自分、友達のような愛情、恐怖を知っている生き物が見えます。かれらは人間と同じように尊敬を払われるに値する生き物です。

見つめることの力は、ただの視覚以上のものがあります。わたしたちの視覚神経は視床下部と密接にかかわっています。視床下部とは、わたしたちの感情と記憶が位置するデリケートで原始的な構造です。視床下部は、見て、感じて、経験します。動物も同じです。

 

目が魂への窓であるなら、動物にも同じことが言えるはずです。そもそも動物は言葉を必要としない言語を話すからです。 こころからの尊敬を込めた、愛情の言語です。

わたしたちはみな、後述の経験をしたことがあるはずです。犬や猫を選びに行って、急にそのうちの一匹と見つめ合っただけで強いつながりを構築してしまう経験です。なぜかもわかりませんが、わたしたちを捉え放しません。科学者に寄れば、この経験にはもっと深く面白い事実があるそうです。

猫

動物の目は古いつながり

何千年もの間人間と共に暮らしてきた動物が、と猫です。彼らの私たちとの関わりとその賢さに驚く人はもはやいないかと思います。犬や猫は、まっすぐ瞳を見て、ありったけの愛撫、ジェスチャー、しっぽの動き、目の表情で、必要なもの、欲望を表現することができます。

わたしたちは、お互いを理解できるようになるまで、ふるまいや言語を組み合わせてきました。いくつかの種族がともに生活し相互に利益を得る、遺伝子的な進化以上の結果です。これも驚きではないですが、考古学者エヴァン・マクリーンによって行われた興味深い研究によって明らかになったことを紹介します。犬や猫はわたしたちの目を見るだけで感情を読み取ることができます。

 

わたしたちのペットは感情のマスターです。基本的なジェスチャーのパターンを判別し、それを既知の感情と結び付けます。しかも、ほぼ間違うことがありません。この研究は、それ以上のものも示しています。人が猫や犬と築く関係は、人間の小さな子供と築く関係に非常に似ているということです。

その動物たちが家族の一員であるかのように、褒めて、世話をして、強い関係を築きます。何年にも渡る相互のコミュニケーションは、わたしたちの生理的なメカニズムに非常に益のあることです。

お手をする犬

わたしたちの神経のネットワークと脳の化学物質は、子どもやケアを必要とする人を世話するときに同じように反応します。わたしたちは、愛情とケアのホルモン、オキシトシンを分泌します。動物の場合も同じです。わたしたちは、動物たちにとって、彼らのソーシャルグループで、群れで、ソファーや人生を共有できる独りよがりの人間たちなのです。

自然と動物とのつながり:生命愛

動物の目を通して世界を見ると、もっと美しく見えるはずです。わたしたちみんながこのようにつながり合える類まれなスキルを持っていたら、生来わたしたちに備わり、文明の喧騒に紛れ忘れてしまっていることを「思い出す」ことができるかもしれません。

わたしたちの社会は、消費主義やリソースの過剰利用と強く結びついています。そのため、地球を傷つけます。わたしたちは、この地球を受け継いだ時のままの美しさを保って、孫の世代まで受け継がなくてはいけません。生態系もそのまま、変わらず美しく輝いていてきらめく自然で、修正不可能の割れ目を残さず受け継ぐべきです。

見つめる犬

生き延びる助けとなる動物との絆

エドワード・オズボーン・ウィルソンは、「生命愛(biophilia)」という言葉を発案したアメリカの生物学者・昆虫学者です。この言葉は、生きるすべてのものへの愛と一般的に動物との体験を愛するわたしたちほぼすべての人のことを定義した言葉です。 彼によると、わたしたちがペットと育む親和的な関係は、わたしたちの種としての発達の早い段階に原点があるそうです。

  • わたしたちが動物の目を見るとき、気づかずして感情的で遺伝子的な絆が生まれます。人間はとても親密な関係を犬などの特定の動物と築き上げてきました。犬は、最優先事項が生き残ることだったその昔から最も関係が深い動物のひとつです。
  • エドワード・オズボーンの説のひとつは、社会的グループの中で様々な犬に頼ることができた人たちは、これらの絆を動物と持っていなかった人より生存の可能性が高かったと示しています。

動物を手に入れることができ、手なずけ、愛情の関係と相互の尊敬を築くことができた人は、自然、自然のサイクル、生活の中で生き延びるための水や獲物や食べられる植物などを見つけられる可能性をより高くできたようです。

黒い犬

おそらく、食べものを手に入れるという点では、今日犬を利用することはないかもしれません。でも、多くの人にとって、犬や猫との近しい関係・付き合いは「生き延びていく」ためにまだ必要です。

彼らは愛情を与えてくれます。そばにいてくれます。そして、痛みをやらわげ、喜びを運び、毎日彼らの目をのぞき込むことがどんなに安らぎを与えるか思い出させてくれます。彼らの言葉は必要ありません。彼らの言葉はもっと古く、基本的で、驚くほど原始的です。つまり、愛です。

彼らのまなざしを楽しんでください。毎日彼らの目に映る自分を見て、自分の前に広がるすべての素晴らしいことを発見してください。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。