詳しく知りたい!心理栄養学について

心理栄養学が海外では流行しており、ソーシャルメディアには、食事や健康的な生活習慣に関する情報と共に、心理栄養学について多く取りあげられています。しかし、心理栄養学が正確には何であり、なぜ重要なのかをご存知ですか?
詳しく知りたい!心理栄養学について

最後の更新: 11 1月, 2021

心理栄養学とは何でしょうか?

これは、私たちの心と食品の関係を研究する科学であり、栄養士と心理学者のコラボレーションです。心理栄養学の分野では、食べ物との関係を研究するだけでなく、食べ物の選択に深く埋め込まれている感情面のパターンや傾向も研究します。

心理栄養学は、ストレスイーティングと呼ばれるストレスによるドカ食いなどのさまざまな行動に注目します。その目的は、長期的に食生活を改善し、全体的な生活の質を向上させるサポートをすることです。

心理栄養学

心理栄養学の構成要素

心理栄養学は、栄養学や心理学だけでなく、より多くの分野を網羅しています。他の専門家を仲間に入れることで、その効果を改善し、あらゆる面での治療を強化することができます。心理栄養学チームの一員として介入の際に役立つ可能性のある他の職業は、パーソナルトレーナー、精神科医、言語療法士、および教育者などです。

心理栄養学に基づく介入の特徴は次のとおりです。

  • 食生活に関連する習慣と一般的な健康的な習慣:これらの習慣に焦点を当てることは、言い換えれば、自分が食べる食品だけでなく、感情的、社会的、そして職業的要因にも目を向けます。
  • 心理的変数に働きかける:不健康な習慣や健康的な習慣に取り組むのに役立つ新しいスキルの発達に関する心理的変数に働きかけます。
  • ポジティブな自己イメージ:前向きな自己イメージをを持つことと自分自身を受け入れることは、心理栄養学が適切に機能するために重要です。自分の身体イメージと戦っていると、フラストレーションの原因になる可能性があるのです。
  • 食事をする状況:健康的な食事を促進または悪影響を及ぼす他の変数とともに、食べる状況を検討します。
  • 意思決定と健康的な製品と超加工食品の特定を支援:患者の意思決定と健康的な食品と過度に加工された食品を知るサポートを行います。

心理栄養学的な介入は、一般的に食事療法の概念や患者の選択に影響を与える栄養に関する間違った情報など、深く根付いた社会的な構成要素を調べることも含まれています。

心理栄養学ではないもの

心理栄養学とは、異なる分野の専門家の多くが行うコラボレーションです。 「心理栄養学者」は存在しないため、その点を明確にすることが重要です。前述のように、心理栄養学という分野でサポートが必要だと言われるケースは、少なくとも心理学者と栄養士が協力しているという意味です。

心理栄養学は、患者の気分に応じて特定の食品の摂取量を研究するのではありません。専門家が行う診察や評価により、患者が長期的に見て有害となる不健康な対処方法を行なっているとわかった場合、専門家はそれに対応するための計画を考えます。

つまり、心理栄養学における課題の一つは、問題に取り組むためのに必要な、多くのツールと対処方法を患者に提供することです。

心理栄養学としての介入の結果は一晩で現れるものではありません。心理栄養学という分野は、深く根付いた、方向転換、変更、または排除に時間がかかる習慣に取り組みます。その一方で、この取り組みは減量などをはるかに超えたものとなります。心理栄養学の究極の目標は、食べ物との関係を積極的に変えることなのです。

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心理栄養学における心理学者の仕事

前述のように、心理栄養学という分野における心理学者の仕事は、摂食障害などの問題だけではありません。患者の持つ身体イメージの問題などのさまざまな問題に起因する不安感など、他の障害においても心理学者としての役割を果たす可能性があります。

他の何かを補う方法として食事制限を行うかどうかに関する診察や評価は、心理学者の仕事の一部にすぎません。心理栄養学における心理学者の潜在的な役割を次にいくつかご紹介します。

  • 特定の状況における食生活と特定の食品の使用を評価します。
  • 患者がより頻繁に健康的な食品を選択できるよう教育と意識の向上を促進します。
  • 身体イメージとそれに対処するための戦略に取り組みます。
  • 需要のレベルを下げ、結果を得るまでに必要な時間への現実的な予測と期待という点から患者を支援します。
  • 患者が拒否した食品の消費に特に焦点を当て、受け入れと改善に取り組む患者を支援します。
  • 感情面で教育と対処方法を提供します。
  • 空腹感と満腹感に関連する身体的感覚の意識を高めます。

心理栄養学相談では、特に感情面への働きかけと、患者が特定の健康的な習慣を身につけるためのスキルも大切です。

また同時に、私たちの社会に深く根ざしている食品に関する特定の間違った情報を修正することも大切です。そして患者が改善に向けて最大限の努力をするのをサポートします。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。