共同的知性と頭脳集団

2020年3月8日
競争化、個人化がますます進む社会で、共同的思考を知っていると、役に立つでしょう。待ち構えている困難に直面した時、より良い未来のために、共に考えることを学ぶことが必要です。

共同的知性は、人間の変革の力になります。頭脳集団は、アイデアや思考を共有し、公益という共通の目標に向かう集団です。このような知性は、会社、組織、あらゆる社会的シナリオで最も必要とされるものであると考えられています。

ひとつの目標に向かい、共に考え働くことは素晴らしいことです。しかし、その達成が簡単ではないことは皆さんもご存知でしょう。

例えば、チームとして仕事をすると、困難や意見の不一致が出てきます。しかしこのような時に役立つ、協同的な考え方を育む方法を教わってきた人はいません。この協同的考え方とは、創造力、モチベーション、熱意などの内的リソースが人を促し、誰もが得する調和を生む思考です。

実は、これが将来へのカギとなります。賢い会社と同時に、自我に任せることなく一緒に働くことができる集団が必要です。つまり、進歩や健康を妨げる障害をたくさん生み出すことになる厳格な考えを排除し、摩擦をなくすことが重要です。

人は、ますます複雑になる今も将来も、前へ進まなければなりません。そしてそれには同じ方向に向かう努力とリソースが必要とされます。そのためにはどうしたら良いでしょう? ここで、協同的知性がカギになるかもしれません

「すべてを知っている人はおらず、誰もがいくらかを知っている。すべての知識は人間の中にあるのだ」

-ピエール・レヴィ-

共同的知性 頭脳集団

 

共同的知性の柱

集団的知性や共同的知性は、心理学、社会学、ビジネス界で、関心が高いトピックです。また生物学界も、細菌のミクロの世界や、その他の私達により近く目に見えるものの観察により、この概念を何世紀にもわたり研究し続けています。

また、動物の集団行動にも非常に驚くべきものがあります。例えば、同調性をもち、同じ方向に向かって飛ぶ鳥の群れがいます。同じように、魚、オキアミ、イルカ、アリの群れなど、庭やテラス、公園で生きる動物についても考えてみてください。

これらの動物はなぜ共生するのでしょう? 生存のためでしょうか? そうかもしれません。これに関し、学習、リーダーシップ、才能プロセスの専門家、マサチューセッツ工科大学のドンナ・マルコヴァ教授は、著書『Collaborative Intelligence: Thinking with People Who Think Differently(共同的知性:異なる考えを持つ人と一緒に考えるということ)』の中でこれについて考えてみる価値のあるものだと指摘しています。

 

自分とは違う考え方をする人と一緒に考えてみる

集団的知性の原則のひとつに、様々な考え方をする人がいる環境で貢献し、一緒に過ごすことがあげられます。しかしこれは簡単なことではありません。それは、マルコヴァ教授が言うように、人は自分の中で生きることに慣れているためです。

私達は、共同より競争する(人の意見を受け入れない)ことを学んできたとも言えるでしょう。つまり、自分の目標を達成するために、相手を打ち負かすべき敵だと捉えるのです。ですが、個人として競争するように働くことで何が得られるでしょうか? このような状況で得られるものが何もないのは明らかです。

そこで、協調的な考えを適用し、自分の才能を発揮すると変化が起こります。それは一人よりも二人の方が、より良く考えることができるためです。また考えが異なる時、あなたの観点と、より大きくて刺激的な考えを組み合わせることができます。

そして、個人の長所を協調させる集団の中で、知的多様性により自分の強みを活かすことができるのです。

 

自分の意図と人の意図を並べる

目標を共有する人達は、才能を発揮し、より先に進むことができます。そこで自分の目標と人の目標を同じ位置に置くことは、日々のモチベーションになります

しかし実際は最も賢い存在、多くをこなす人、人より高い所を目指す人、人の上に立ちたい人、「先生のお気に入り」のような存在になりたい人がまだ多くいるため、これは簡単に達成できるものではないということを頭に入れておかなければなりません。

そこで、自分を変えることが集団的知性の基礎のひとつになります。そのためには、このタイプの人が成長することができる適切な環境を整える必要があります。次に、その方法を学びましょう。

協同的知性

 

共同的知性へのカギ

ホセ・オルテガ・イ・ガセットは、こう言いました。「多くの人が努力にのみ共同しようとする時、文明は存続する。しかし、進歩をただ楽しむようになると文明は衰退するだろう。」この有徳な言葉は、今非常に価値を示しています。困難と向き合う時に役立つものがあるとすれば、それは協調し働く方法を知っている頭脳でしょう。

言い換えると、前進、皆の幸せという共通の目標に向かって働くより大きな共同体をつくるためには、それぞれが才能、創造力、経験、独自のビジョンを集団で発揮しなければなりません。では、これを達成するにはどのようなメカニズムが必要でしょうか? 次に、そのカギとなるものを示します。

  • 知識とリソースを共有しようという意欲とモチベーション
  • 物理的、また事実上共同できる空間を作る
  • 競争、プライド、コントロールを排除し、人に十分な信頼をおくことを学ぶ
  • 集団は、縦ではなく、横の関係である
  • 集団の動性(コミュニケーションの取り方、問題の解決法など)を理解する
  • 常に、新しいアイデアを取り入れる
  • 正しいツール(身体的空間、トレーニング、コミュニケーションが取れる空間)がある

さいごに、各人の姿勢も共同的知性に欠かせない要素のひとつです。個人や集団のビジョンに重きを置かず、より良き場所を目指し、前へ進む集団を作り、変化に向かって働く姿勢が必要なのです。

  • Markova, Dawna (2015) Collaborative Intelligence: Thinking with People Who Think Differently. Spiegel & Grau 
  • Tapscott, D. y Williams, AD (2008). Cómo la colaboración masiva lo cambia todo EEUU. Penguin Group