教育と政治的信念の関係

09 6月, 2020
教育の理論上の目的の一つは、政治に対しより積極的な市民を育てることです。それでは、教育と政治的信念は具体的にどのようにつながっているのでしょうか?
 

昨今、討論の議題として「政治教育」について話されることは少なくありません。生徒の政治的信念に影響を与えることに関して、学校や教育機関にはどのような効果を持っているのかというものです。教育の理論上の目的の一つは、政治に対しより積極的な市民を育てることです。それでは、教育と政治的信念は具体的にどのようにつながっているのでしょうか?そしてそれはどのような関係でしょう?

この記事では、政治に関する教育の影響に焦点を当てます。ここでいう教育とは、当然、単なる学問の世界にとどまるものではありませんが、これを頭にいれておくことが重要です。「政治的影響」について、政治的関与、政治的態度、政治的知識を見ていきましょう。

これらの影響を3つのレンズを通して学びます。1つ目は教育と政治的信念に影響する外的要素、2つ目は直接的要素、3つ目は間接的要素です。

教育と政治的信念に影響する外的要素

統計学では、外部変数、変調変数、第3変数と言うと、2つの変数の関係を作る外的なものを指します。例えば、都市の病院の数と刑務所の数が関係しているとします。これは、病院の多い都市は刑務所が多いという統計学的事実です。これに関し、第3変数から生じ、両者に影響を与えるものがあります。それは人口です。

教育と政治的信念に関しても、両者に影響を与える外的要素がいくつかあり、これが2つの関係性を説明づけます。外的要素にはたくさんのものがありますが、中でも重要なのが認知能力、性格、社会経済的背景です。

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認知能力

認知能力との関係はかなり明確です。言語表現に長けていること、観念的な推論スキルや記憶力を持っていることなどは、学業と政治的な力の両方に役立ちます。一方で、自分が育った教育制度に反する認知能力は、人を政治的理解に乏しくさせる場と同等です。

性格

性格に関し重要なのは、ある種の姿勢が教育と政治的信念に影響を与えると理解することです。例えば、学習、興味、研究に対する姿勢は、学業の成績や政治的理解と関係します

社会経済的背景

もう一つのカギとなるのが、社会経済的背景です。これは政治に関しても学業に関しても、社会的制約があるためです。学費が払えないために大学に行けない人はたくさんいます。また、社会経済的地位の低い人は政治にあまり時間を費やさないことが多いようです。それは、このような人達が直接的に押しのけられてきたためでもあります。あるいは、不安定な労働条件で生きるのに精一杯であることも理由の一つになっています。

政治的信念に影響を与える教育における直接的要素

学業において、非常に大きな要素があります。人の教育を構成する様々な方法が、「政治的理解」と呼ばれるものにおいて差異を生んでいるようです。これは、二つの要素に直接的な関係性があることを表しています。では、この関係に影響している特別なものとは何でしょう?一番大きいのは、カリキュラムの内容と教育的価値観です。

 

カリキュラムの内容

カリキュラムの内容は、生徒が得る政治の知識に直接影響します。政治のコンセプトを明示的に教えることが、政治分析能力を備えた市民を育てることになるのは明らかです。さらに、その内容が生徒の政治学習にも大きく影響します。言い換えると、自由主義のメリットを学ぶことができる政治教育は、この種の考えに合意する人を育てることにつながると考えられます。

教育的価値観

対話、ディベート、批判的思考を基礎とした価値観で生徒を教育することは非常に大切です。この方法は、生徒の政治的姿勢を発展させるのに一番です。基礎としてこれらの原則をもつ学校と政治に熱心な生徒には強い結びつきがあります。しかし、狭い視野で階層的教育を受けた生徒は、独断的な意見や権威に慣れてしまいます。そして、政治に対する批判的姿勢に反する考えが生まれます。

教育と政治的信念の間接的要素

教育のレベルが人生の様々な場面で決定要因になることは少なくありません。多くの場合、高卒で働く人と大学院を卒業し働く人には大きな違いがみられます。教育に関するこの違いの多くは、政治に対する姿勢においても関係しています。教育と政治的信念の間の間接的要素で重要なのものには、社会的地位、自己像、機会があります

社会的地位

社会の目では、教育のレベルによって、ある人を誰かの「上」におき、誰かを「下」に置くことになります。これは受けた教育、あるいは受けていない教育により、人を違う目で見てしまうようなステレオタイプがたくさんあるからです。ここに、教育レベルが高いほど、政治的影響を受けやすくなる(その他の要素が同じ場合に限る)という本質的関係が生じています。

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自己像

学業で学んだことすべてが、自分をどう認識するかに関係します。自己像によって、私達は自分が自分の教育レベルと同等の人と同じ分類になるよう、自分をしむけていきます。また政治に関して言うと、教育レベルの高い集団は社会的に受け入れられやすいようです。

機会

さいごに、教育レベルが高いということは、機会が増えることを意味します。基本的に、機会を得る数によって政治に関与する機会が決まります。

教育と政治的信念の関係に関しては、様々な見解があります。しかし、いずれも、社会において政治に積極的で有能な人を増やすための基本的な情報を提供してくれます。まずは政治に関し、社会的および経済的制約がないように働きかけることが大切でしょう。こうすることにより、政治体制はより人々を代表するようになり、公益のために物事を行いやすくなるでしょう。