人間はなぜ恋や愛に憧れるのか

· 2017年9月26日

人間は元々ロマンティックな生き物なのでしょうか? 愛によって傷つくことだってあるのに、それでもなぜ愛や恋に憧れるのでしょうか? レオナルド・コーエンはかつて「愛に治療法はない。だが全ての病気を治す薬となる」と言いました。

愛を表現するのは簡単です。ですがそれを待ち望んだり、それと共に生きたり、無視をする事はとても複雑なものです。恋愛について認知的かつ歴史的な解釈を見出そうとした研究者もいます。ヘレン・フィッシャーはその中の1人で、彼女は人類学者、生物学者であり、30年にわたってこの謎の解明に携わってきました。

フィッシャーの恋愛に関する調査

ヘレン・フィッシャーは、愛やロマンチシズムに対面した時の精神過程に注目しました。ここで言うロマンチシズムとは、恋愛に繋がる感覚や感情の集まりの事を言います。

フィッシャーは恋愛の真っただ中にいる数人を対象に研究を行いました。彼らをMRIにかけ、愛する人の事を考える時、脳のどの部分が活性化するかを研究したのです。

カップルの写真

彼らが大切な人の写真を見ている時の脳内の血流を研究しました。その写真の後は、今度は彼らにとって特に大切でもない人の写真を見せながらある数字を見せ、そこから7を引くという行動を何度かさせます。このテストは確実な結果を構築するため何度か繰り返して行われました。

愛する人を見た時の反応は多様で、脳のあらゆる部分が反応していました。ですが、その中でも特に活性化した部分があります尾状核と呼ばれる部分です。これは太古から備わっている神経核で、爬虫類にも備わっています。何百年も前に哺乳類が出現するその以前から進化していました。

フィッシャーは、脳の報酬系もまた不可欠だと推測しました。愛する人の写真を見ると、ドーパミンが分泌されます。ドーパミンは尾状核が活性化され、意欲と満足感が作り上げられた時に放たれる神経伝達物質です。報酬系は中隔、もしくはVTA(腹側被蓋野)と言った脳の別な部分も活性化します。このどちらも幸福感と繋がっています。

 

恋愛について考える

人間は恋に落ちるロマンティックな生き物です。しかし、心地良さを得るために恋に落ちるという風に考えるのも論理的な感じがします。それは脳のモチベーションや報酬系が恋愛の基本になっているからです。

フィッシャーによると、恋に落ちるという事は、自分をコントロールしその気持ちを打ち消すことが非常に難しいことから、愛という感覚や感情というよりも衝動だと言えるのだそうです。人間は恋に落ちるのでロマンティックな生き物だと言えますが、感情は、より一時的な物である場合が多いです。

野原に横たわるカップル

また、フィッシャーは、恋愛は報酬系を満足させることに集中したものだという結論を導き出しました。同時に、感情移入や依存したりもします。相手の恐怖を自分の事ように感じる、などがそうです。

また、基本的な感情は、相手の特定の顔の表情に左右されるという事も研究で分かりました。恋愛が長く続くと、徐々にそれが薄れていきます。

恋愛は必要なものです。心地良く幸せな愛し愛される関係は、より気持ちが満たされ、意欲がわくのです。

 

愛には狂気が潜んでいる。だがその狂気をもたらす理由も必ず存在するのだ。

―フリードリヒ・ニーチェ

 

人間はロマンティックな生き物

ヘレン・フィッシャーによると、恋愛は脳の中で作り上げられたものだそうです。それは人に意欲を与えてくれます。また恋愛は性的衝動と近い関係にあるとも言っています。自分以外の人間と繋がり、親密な関係を築くためです。

「私は全くロマンティックではありません。」などという言葉は成り立ちません。フィッシャーの研究結果を見れば、私たちのベースに在るものは一目瞭然です。私たちは元々ロマンティックな生き物なのです。選択してそうなっているわけではありません。

 

共にベッドに入りましょう:愛し合うのではありません。愛が私たちを作り上げるのです。

―ジュリオ・コルタザール

 

衝動、感情、あるいはミステリー、ロマンチシズム、そのどれであろうと、愛は生きる上で必要なものです。自然と進化において不可欠だという事を脳が知っているのです。甘い幸せ、楽しく心地よい幸せを存分に味わいましょう!