脳は絵文字をどのように見ている?

脳は絵文字をどのように見ている?

最後の更新: 10 10月, 2017

私たちがコミュニケーションをとる方法はめまぐるしく変化しています。便利さ、必要さなど幅広いテクノロジーを持った特急電車に引っ張られている車に乗っているように感じます。メールやコミュニケーションアプリ、ソーシャルメデイアのプロフィールを使って遠く離れた人たちと連絡をとりあうのが当たり前となりました。文字によるコミュニケーションの限界を超えるために、私たちは絵文字を使っています。

絵文字はどのように役立っていますか? 一般的には、表情を表して文面のトーンを正しく理解できるようにメッセージを送ります。「こんにちは (^_^) 元気ですか?(^_^)」は、「こんにちは。元気ですか?」と同じではありません。書面でのやりとりは、深刻になってしまう傾向があることを私たちは知っています。絵文字のないメールがくると、相手が怒っているのかなと考えてしまうのが普通になってきているようです。

そして、あなたが絵文字を使わずにメールを書く時、十分な情報は伝えられても、自分が伝えたいものを全て伝えきれていないように感じるでしょう。

絵文字色々

絵文字の起源と重要性

絵文字は感情を上手く表現してくれます。最初の絵文字は、1982年にコンピュータエンジニアで作家のスコット・ファルマン氏によって作られました。彼がそれを使用した方法は、現在の絵文字の使い方ととてもよく似ています。彼は、伝えたい情報に絵文字を使うことで、真面目なトーンと明るく楽しいトーンを使いわけました。

それ以降、絵文字は進化し続けています。オックスフォード英語辞典は、絵文字(泣き笑い顔の絵文字)を2015年に流行語大賞としています。少しユーモアを交えての絵文字への賞の授与だったのかもしれませんが、ここから絵文字がどれだけ強く私たちのコミュニケーションの一環として使われているのかがわかりますね。

これは、インターネットの掲示板の上だけではなく、スコット・ファルマン氏のようにメッセージを明るくするために絵文字や面白いメッセージへの返答として沢山の人に使われるようになりました。実際、(笑)のような表記は、どんどん失われてきています。文字で書くよりも、絵文字の方が感情が伝わりやすいからでしょう。

絵文字はどのように脳内でプロセスされている?

新しいコミュニケーションの形が現れるたびに、科学者たちにとっての新しい課題が生まれます。そして、この新しい方法がどのような影響を及ぼすのかという研究が始まります。2006年に湯浅、斎藤、武川氏によって参加者の脳活動を調べるためにMRIを使った研究が行われました。その研究の結果、絵文字は顔としては認識されていないことがわかりました。通常、顔認識の際に活性化する右紡錘状回は、絵文字を見た時には何の活動も見られなかったからです。

しかし、これは重要ではありません。重要なのは、それぞれの絵文字(少なくとも最も人気のある絵文字)が違った感情に関連づけられることです。研究者たちは、絵文字はコミュニケーション機能を十分に果たしていると考えています。

後の2014年に行われたチャーチーズ、ニコルズ、ティッセン、ケーラー、ケージ氏による研究では、実際の顔そして絵文字の両方が脳の同じ領域を活性化させるという違う結果が出ました。これらの領域はすべて、後頭部、側頭部の皮質に位置します。

私たちには連想学習能力があり、脳は絵文字と感情とを結びつける方法を学んでいるようです。この感情への繋がりとテクノロジーのおかげで、ぬいぐるみにもなっている絵文字は、私たちのコミュニケーション法として永遠に使われていくでしょう。

絵文字と性格

絵文字への研究は幅広い可能性を秘めています。コミュニケーションの道具としてだけではなく、どんな性格かによって使う絵文字は変わるのでしょうか?

広報担当者のダニエル・ブリル氏が行った小さな実験によると、泣き笑いの絵文字をよく使う人は、ユーモアがあり冗談をよく言う人、歯の見えている笑った絵文字を使う人は、防御的な性格を持つ人、そして動物の絵文字(特にタコ)をよく使う人は、人間関係に問題がある人だそうです。

この結果は、もちろん科学的には証明されていません。ただの好奇心の一環として心に留めておいてください。絵文字には、まだ研究されていない、たくさんの分野への扉があります。今までにされてきた研究から明らかだと言えるのは、絵文字はこれからも長い間、私たちの生活に関わり合っていくということでしょう。


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