ニューロフィードバックとは?私たちをどう助けるのか?

ニューロフィードバックとは?私たちをどう助けるのか?
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

ニューロフィードバック は、脳を自分で管理するように少しずつトレーニングしていく1つの先進技術です。不安やストレス、不眠症といった特定の心理的な問題を改善します。さらに、認知プロセスの性能を高めたり、注意力や記憶力、学習能力を高めることができます。

多くの人は、「ニューロフィードバック」と聞くと、頭の様々な場所に種々の電極をつけられている人物が、今にも電気的刺激を受けようとしている場面を思い描くのではないでしょうか。これは事実とまるでかけ離れています。ニューロフィードバックは侵略的なものではなく、痛みもなく、電気も使わず、どのようなタイプの催眠とも異なります

「ニューロフィードバックは、私たちの最も秘められた部分である脳と私たちを向き合わせる最先端技術です。」

―バリー・スターマン―

コンピューターにつながれた数個のセンサーと簡単な工学だけを用いて、ほんの数秒で脳の活動や接続性が分かるのです。脳を分析するこのすばらしいソフトウェア(または、QEEG脳マッピング)のおかげで、例えば、どの領域が刺激を受けすぎているか、どの領域が本来よりも活動を連携させていないか、といったことを確認できます。

どのようにニューロフィードバックは始まったのか

ニューロフィードバックの技術は、新しいものではありません。ジョー・カミヤ(シカゴ大学の博士)とバリー・スターマン(カリフォルニア大学の博士)によって、1950年代後半から1960年代前半にはじめられました。二人ともNASAのプロジェクトに関わっていて、脳の大気圏外への適応性を高めるために、ニューロフィードバックのパラメーターを用いて多くの宇宙飛行士をトレーニングしていました。その後、てんかん患者に対して同じアプローチを用いて、発作を最大60%まで抑えることができました

今日では、このタイプの治療法に特化した施設はますます増えています。このアプローチは、完全に非難の対象外であるわけではありませが、明らかにとてもよい成果をあげている分野は、多動性・非他動性の注意力欠如障害の治療です

いくつかの事実に目を向けていきましょう。

パソコンを使う女性

ニューロフィードバックとは何か?

ニューロフィードバックは、病気を完治してくれるものではありません。不安を取り除く瞑想といったものでもありません。脳卒中に伴う後遺症を解決できることもないです。どちらかといえば、脳のパターンを操ったり調整したりすることで、脳がより健康で、効果的に働くようにする方法であると言えます

通常の方法は、コンピューター制御されたニューロフィードバック・プログラムを使用するトレーニング・セッションを、最低20回反復して行います。このプログラムは、中枢神経系に脳波周波数を組みなおして調整するよう教えます。

さらによく理解するために、とある例を見ていきましょう……

全てのことを試したけれど眠れなくて、生活の質が落ちている

サラは、約6ヶ月の間、深刻な睡眠障害に苦しんでいます。彼女は全てのことを試しましたが、現在、ほとんど集中できないところまで達しています。朝、職場まで車で行くこともままならず、自分の感情の制御が完全にできなくなっていると感じています。

  • 彼女を見た医師は、ニューロフィードバックのセッションをはじめることを勧めました。
  • そのために、いくつかの基本的な段階を踏む必要があります。一番初めに、精神鑑定を行います。その後、神経学的検査が続き、最後に脳マップ、もしくはQEEGがあります
  • 最後のテストを専門家が行うと、コンピュータープログラムは、思った通り、サラの脳が最大級の警戒態勢にあることを発見しました。
  • 感情的反応と不安に関わる領域が、通常値の3倍活発でした。彼女の心の底にある不安が、脳の全ての機能を使い果たしていることを発見しました。その結果、彼女は眠れず、集中できず、感情を効率的に制御することができなくなっているのでした。
  • この最初の診断後、専門家がサラのために具体的なニューロフィードバックトのレーニングプランを作成しました。コンピューターと患者の中枢神経系のつながりを通して、一連のイメージや音、フレーズ、音楽やその他の刺激を含めたトレーニングから始めていきます。これをうけて、サラの脳活動パターンは、より健康で落ち着いたものになっていきます。最適化され、彼女が切実に必要としていた生活の質を取り戻せるのです

ニューロフィードバック、最先端技術による瞑想

痛くもなく、わずらわしくもなく、薬剤投与もなく、チクチクする感覚もありません。ニューロフィードバックは、鏡の前で向き合って行う楽しい瞑想と比べることができます。この場合、もちろん、鏡は私たちの精神活動を反射します。魅力的で、時々支離滅裂になる、精神はとても扱いにくいものだということに気づくでしょう。

ニューロフィードバックは、脳の活動をよりコントロールできるようになったり、認知プロセスや感情の世界をより良く扱ったりするための手助けをしてくれる。

スクリーンの前に座っているだけでも、十分、違う考え方について教えてくれます。脳波の流れを変えることによって, リラックス状態ととても集中した状態を作り出します。こうすることで、脳がより機能的で生産性の高い状態になるのを助けるのです。人によってはより多くのセッションが必要ですが、多くの患者は30分のシンプルなアルファ波のトレーニングセッションを1回受ければ、脳の異常が格段に減ることで、認識能力を向上することが出来ます。それぞれの人の状況や必要性に応じて、一人ひとりに応じた個別のトレーニングセッションが必要になります

脳

抑うつ症の解決策

このようにして、ニューロフィードバックは、うつ病や偏頭痛、強迫性障害、不眠症の患者に有用です。また、特定の物質へ依存している人や特にADHDの子供にも効果があります。週に1度、20分や30分のセッションを受けるだけで、大きく改善した子供が何人もいます。集中が持続する時間や集中力、作業の能力が著しく向上しているのです

紛れもなく、奇跡的な治療ではありません。多くの場合、うつ病や不安などにおいて、ニューロフィードバックは症状を軽減することはできますが、問題の根本は解決しません。しかし、この分野の専門家が話すように、まだ研究が続けられており、それによってセラピーが向上し続けています。希望は、脳の働きについてより深く知ることで、ニューロフィードバックが年月を追うごとに、効率性が上がっていくことです。私たちは、興味と希望を持ってこうした進歩を待ち望んでいます。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。