落ち込むことは、悪いことじゃない!
落ち込んだり気分が良くないことで、自分を責めてしまうことがあります。ですが、ときには落ち込んだっていいんです。
「泣くなんておかしい」「男は泣かないものだ」「元気出して」などの言葉の裏を考えたことはありますか? 罪がないと思われるこのフレーズは、実は叱責や非難の悪い形です。
このような言葉を使う人は、あなたがそう感じているのはおかしく、そう感じるべきではないと言っています。誰かを失った時に悲しむべきじゃない、裏切られた時に怒りを感じるべきじゃないと言うのと同じです。それはおかしいですよね。 なぜ、このように感じるのが悪いことなのでしょうか?
自分の感情すべてに意識を向けることは、自己認識へのハシゴをかけることです。
落ち込むことは、悪いこと?
人生には、上がり下がりがあります。これは当然です。変化は人生のはずみです。基本的に気分の変動は悪いことではありませんが、これを悪いと考える人や文化があります。
落ち込む原因は、喪失や裏切りによるものだけでなく、ある心の状態から抜け出せないという無能感が理由になっていることも少なくありません。そして怒りを自分に向けがちです。その中で、ただ傷を深くし痛みを大きくしてしまいます。
ですので、次の状態にある時、落ち込むことは悪いことではありません。
- 自分の感情を表現したい時
- 自分の感情に関して何か伝えたい時
- 喜ばしくない出来事が起こった時
- 近しい人に何かあった時
- モチベーションが上がらない時
これはほんの一例です。感情において重要なのは、感情が現れた時にそれを受けいれ、耳を傾けることです。感情を悪い知らせとしてではなく、メッセンジャーとして理解しましょう。
苦しみを越えること
このような視点で物事を見るようになり、落ち込むことは悪いことだと考え始めた時、これは苦しみの程度は弱くなっていくと学ぶチャンスです。これは自然と落ち込まなくなるという意味ではありません。しかし苦しみと距離を置くことができるということなのです。このような時、苦しむかどうかは自分次第になります。
こう考えられるようになると、柔軟性という美徳を得ることができます。不快感を克服し、人生の意味を見つけ、ひとつひとつの経験から学ぶことができるようになります。
落ち込んだ気持ちどう向き合う?
その方法にはいくつかあります。まず、自分の奥深くへと潜ってみましょう。自己知識は強力なツールで、これにより自分がどう感じているか、どこへ向かっていきたいのか理解しやすくなります。
その他の方法には、感情の度合いで自分がどのような状態かを認識し、その後より積極的により良い自分のコーピングストラテジーを選び、目標を設定するという方法があります。例えば何かミスをしたとき、自分が苛立ちやすいことが分かったのであれば、それに取り組み始めるといいでしょう。制御性をもった怒りの表現法を学ぶことにより、コントロールを失わないようにします。
助けを求める
心理療法士や精神科医などの助けを求めるのも良いでしょう。私達は皆サポートを必要としており、落ち込んだ時に助けてくれるのは専門家だけではありませんが、専門家は自分を最大限に生かすサポートをしてくれるでしょう。
また、精神性を高める活動に参加するという方法もあります。例えば、運動、絵画、ダンス、近しい人と時間を共にするなどが挙げられます。
そして、自分が選んだ道で意味を見出すことが大切です。こうすると、苦しみから離れやすくなります。これに関し、ヴィクトール・フランクルは、著書『夜と霧』の中で、経験を交えて衝撃的に、素晴らしく語っています。
簡単に言うと、経験を感情の受容のために使うのであれば、落ち込むことは悪いことではありません。自分の感情が呼吸し、あなたにメッセージを伝えることができるようなスペースを空けておきましょう。誰かに傷つけられたり、大切な人を失い、苦しんだことがあるかもしれません。しかしこれらは、あなたが内省または行動できるようにエネルギーを与えるために起こったことで、その後はきっとあなたをそっとしておいてくれるでしょう。
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Frankl, V. (2015). El hombre en búsqueda de sentido. Barcelona: Herder.